THINK THOUGHT TOGETHER #5 PLAY EDUCATION
FOOD EDUCATION
生活の3代要素である衣・食・住
この中で最も認知されているのは食育ではないかと考えます。
詳しくは分からなくとも、食育という言葉をご存知の方はたくさんいらっしゃると思います。
未就学児を対象とするこども園・保育園・幼稚園などでも取り上げられそれを特色とする施設も多くみられますし、そこに魅力を感じ賛同される方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
食育という言葉は福井県出身の石塚左玄が造語し著書の中で提唱したのが始まりです。明治29年のことです。
CLOTHING EDUCATION
衣育・服育と称される文化的・道徳的学びですが、これは家庭科が担っている部分が多いようです。シュタイナー教育をはじめとする「手仕事」を学ぶ糧とするような場合には、とても重要な針仕事や機織りなどもここに入ってもいいかもしれませんね。私自身、この言葉を言葉として、また学問として知ったのは美術大学で教鞭をとっていた時に衣育の授業を近隣の小学校の学童クラブのアクティビティに取り入れていらっしゃる先生にお会いしたからです。ファッションデザイナーでありながら、無知な自分に恥ずかしくなったことをよく覚えています。
LIFE EDUCATION
続いて衣食住の住について話していきたいと思います。
住は広義にも狭義にも捉えることができる本当に大きなテーマであると思います。住居をさし示すこともありますし、暮らし向き、生活そして生活をたててゆくことを示す場合もあります。
文化財的な建築に訪れれば、伝統に向き合うことができて、素材から技法まで過去・現在・未来を見ることができますし、間取りや収納、インテリアという心身をより快適に過ごすにはと考えることもできます。9歳頃になると人は自分と他人の区別がつき始め、より立体的に本質に向かうと言われています。段ボールを切りはりした秘密基地が、柱を用いて立体的になるのはこの頃ですし、住への目覚めと言っても良いのかもしれません。
PLAY EDUCATION
遊育という言葉をご存じでしょうか?これは遊ぶ・育てるという子育てのノウハウではありません。遊び・育つというこども本人の力のことを言っています。これは本来、全てのこどもが持っています。成長の過程で大人が奪ってしまわなければですが。そしてもう一つ勘違いしてはいけないことですが、遊びは本人が「やりたいこと」です。例えば、おにごっこをするとします。「はーい おにごっこするから集まって〜」と誰かが声をかけて、やりたくないのにおにごっこをする。一見、元気に遊んでいるなと思うかもしれませんが、それは遊びではありません。
本当の遊びによってのみ、こどもは自ら育ちます。
こどもの心が育ちます。自分が自分であっていいという勇気が持てます。
生きていく力が育ちます。
人が人として、豊かに生きてゆくということを伝えていこうとするのであれば、衣・食・遊・住としても不自然ではありません。
住がさし示す、生活をたててゆくことに、この遊育が不可欠に感じます。
これからの激動の時代を生きてゆけるの、遊で育った大人であり遊育の体現者のこどもです。こどもの遊びを奪わない社会を作っていきたいと切に思います。
※ 遊育は日本で初めてプレーリーダーという職業につき、全国のプレーパークの支援に関わられている天野 秀昭さんが提唱しています。天野 秀昭さんのインタビューなどは様々なところに記載がありますので、ぜひ検索してみていただけると嬉しいです。