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展覧会ではじめて気持ち悪くなった、ポップアート

9月の連休に色々くっつけて獲得した9連休。

美術館や展覧会に5個ほど訪れた。
ミーハーながら六本木森美術館「STARS展」に行って、人生初めて絵を見てきもちわるくなったのでここで吐露させてほしい。

STARS展

STARS展は、草間彌生や奈良美智をはじめとした、現代アートのトップランナー6人の作品が集まった展覧会。会期は来年の1月3日までらしい。 
※写真OKだった

いろんな発見があった。

あの奈良美智のこどもは、
大人の子どもに対する「幸せで無邪気」なイメージを脱して、いつも「不幸せで、ずる賢い」表情で抑圧された感情をテーマに描かれていることとか、

▲吉本ばなな 小説『ハードボイルド/バードラック』の表紙にもなった絵

村上隆の絵は
・いつも瞳の色が独特なこと
・同じ絵を量産的に描いているのは、
 マリリンモンローやトマト缶でお馴染みの
 アンディー・ウォーホルと似ているということ、
 などなど。色々な発見と刺激があった。

※出典アートペディア(https://www.artpedia.asia/andy-warhol/)

村上隆 「原発を見にいくよ」

一番印象的だった絵について話したい。
わたしが美術館や展覧会にいって生まれて初めて気持ちが悪くなった絵。(映像もついていた)

村上隆作 「原発を見にいくよ」

前置として、この絵の批評をしたいわけでもなく、
原発の有無について論じたいわけでは一切ない。
むしろこうして気づきやいろんな感情を与えてくれたこの絵に感謝したい。

さて本題に入るが、この可愛い「猫の被り物」をしたカップルの絵をよく見ると、ストーリーが絵の上に書いてある。

今度の日曜日に、彼女と二人で一緒に原発を見にいくよ。(中略) 先日参加したデモ行進で、僕らだけ原発のことあんまり知らなかったんだ。

と言い、主人公のカップルは、福島の原発を見たり被災した周辺の商店街などの地域を見に行ったりした。

花が咲いて、小鳥も鳴いて、とっても素敵な場所だった。SFの映画みたいに、人が絶滅したらこうなるねって。ワクワクしながら歩いたよ。

と、彼らは言う。テレビで報道されてるような地域ではなく、むしろどこか「崇高なもの」を見たとワクワク楽しく家に帰る2人。

うちに帰って友達にカウンターを借りて靴の裏を測ったらおっかない音が出たんでその靴はビニールでくるんで捨てました

私は、原発を、SFをみるかのようにウキウキして見る二人の不気味さといい、
そこから帰宅し、靴裏の放射性物質を測って分かる
原発の怖さや突然引き戻される現実とのギャップに、
きもち悪くなった。

また、この絵画に付属した動画では、
原発を実際に見た後、「猫の被り物」を外し、
もうデモには参加しないという旨が記載されている。

これは、あくまでも私個人の意見だがこの行動は、
「猫を被る」ことをやめた、という意味ではないだろうか。

猫を被る=知っているのに知らないフリをする
     本性を隠しておとなしそうに振る舞う

転じて、本来の自分を偽って別の人になりきる、という意で使われることも多い。

今までは、原発をあまり知らないにも関わらず、
周囲のデモ参加者に足並みを揃えて馴染むべく
「猫をかぶって」運動していた。

実際に行ってみて、「自分たちの目」で見て、
報道とは違う本当の福島の様子だったり、
実際にその土地の現状を知った時、今までかぶっていた猫をとりさったのではないだろうか。

百聞は一見にしかず

TwitterなどSNSで見聞きしたことをさも持論のように展開することも、聞いた噂話でだれかを非難することも、本当に容易い。

この絵の中のカップルをみて、
何かを批判したり、見聞きした噂を口から発したりする前に、まず自分の目で確かめで行動してみること「百聞は一見にしかず」の大切さを改めて感じた。

見終わった後、気持ち悪さも与えられた一方、
情報や噂に踊らされていた自分に気づかせてくれたこの絵に感謝して、フリックの指を止めたいと思う。