記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

【感想】舞台スタァライト#4 Climax

感想が頭の中で整理できていないのでとにかく思ったことを殴り書いていきます。ネタバレしかないので要注意。

クライマックスと聞いたが、卒業式をするとは聞いてない。卒業目前とは聞いたけど卒業式するとは思わないんだよ!!(終わらないで欲しいオタクの願望)
なんというかビュッフェでメインディッシュだけ山盛りにしたような感じだった。ライブパートはデザート。とても美味しい。

今作の本編に関してはまだぼんやりとしていて、掴み所がない。イマイチ時空もまだよく分かっていなくて、#3からどう#4に繋がってきたのかもっと考えないといけない……(#1,#2,#3,#4は地繋ぎだという仮定)。食べ合わせはともかくとして、メインディッシュはいっぱい盛られた。嬉しい演出がいっぱいあって、これは初期からリアルタイムで追いかけてきた人にはかなり刺さる、刺さりすぎる作品だったんじゃないかと思う。これまでの作品のオマージュを取り入れている箇所も多かったし、欲しい演出が欲しいところにあったという感覚があった。初期からある曲がたくさん歌われたのは嬉しかった。とくに『3・7・5・1・0』は聴くと「舞台が始まった!」と思えるのでずっと生で聴きたかった曲。欲を言えば、始まりのチャイムと舞台少女の出席も聖翔舞台の十八番だという認識だったので期待していたところはあった。でもチャイムは終わりで聴けたのでヨシッ!
生で聴く小山百代さんの歌声っていいですよね。あの歌声でしか得られない体験が舞台ではできる。富田麻帆さんの通る声とはまた違う良さ、声の通りがあってすごくいい。

新国立第一歌劇団の受験会場を前に華恋・まひる・双葉・真矢の4人がいて「あぁ華恋も新国立第一歌劇団受けるんだ」と思ったら受けなかった……! 受験に後ろ向きな雰囲気の華恋を察して様子を見にしてくれる走駝先生、めちゃくちゃいい人。華恋が型にハマらない舞台少女だってところはめちゃくちゃ分かると思った。劇場版の最後でオーディションを受ける華恋の姿にも同じ印象を抱いていたので。

この世界の神楽ひかり、まだ華恋が怖くてロンドン行っちゃうんだ。かなり突拍子もなくロンドンに逃げてきているので、ここが一番時空が読めていない。でもこの時空では𝑤𝑖(𝑙)𝑑-𝑠𝑐𝑟𝑒𝑒𝑛 𝗯𝗮𝗿𝗼𝗾𝘂𝗲してないだろうから華恋のキラめきに負けそうで怖い気持ちはまだ打破できてないんだなと分かった(その代わりの#3だったと思っていたので、どちらにしろ少し腑に落ちなかったのは確か)。王立演劇学院の受験のためにひかりの下を訪ねるなな。これまで舞台少女の私服シーンは舞台ではなかったはずなので、新鮮な感覚だった。しかも会話を聞いていたら、突然同棲する話が出てきて……ななひか同棲概念でどんちゃん騒ぎしていた人間だったので、公式から逆輸入でお出しされて困惑した。嬉しい反面、二次創作に擦り寄るな!自我を持て!!と心中で叫んだ(本当は元から同棲設定だったのかもしれないのでこれは面倒臭いオタクの面倒臭い慟哭)。
この世界の舞台少女たち、みんな進学先の下見でちゃんと海外行くの偉い。ミチルのドイツ(はDelightでも語られているけど)も純那のニューヨークも。あれ受験しに行ってたんだっけちょっとあやふや。
そのあと気づいたら華恋が失踪してるし。ひかりの唐突さにも引けを取らない突拍子のなさ。この2人は周りが心配することをあんまり考えてなさそう。まひるの胃に穴が開かず聖翔を卒業できたのは奇跡かもしれない(実は開けているかも)。

新国立組は思ったよりもかなりギクシャクした関係だった。どうしても#3後の話だと思って見てしまうので「そんなことでまだ迷ってしまうの……?」という気持ちが新国立組だけでなく全編通して感じてしまう箇所があり、IFとして割り切らなきゃいけないと思わなくはない。と思っていたけど、劇スに印象を引っ張られている節がどこかにある気がしていて、新国立組の迷いも別にズレている訳ではないのではと思い始めてきた。まひるの他人に遠慮してしまう感じはどうだろ、もうちょっと強い女の子だという印象だけど。2人に板挟みになって悩む双葉はたしかにらしいと思ったし、そんな双葉を甘ったれんなと突き放す香子も分かる!ってなってた。あの一瞬、怨みのレヴュー。舞台でもやっぱり相談役として最強のクロディーヌ。銀座でめちゃくちゃ買い物してるのは面白いが、座り込んだ双葉の隣に座る仕草があまりにもいい女ofいい女で双葉じゃなかったら惚れてるぞそれは!!と叫びたかった。
常に主席だった真矢にとってのC組は本当にショックだっただろうし、驕りあっての天堂真矢みたいなところは確かにある(誇りも)。劇場版ではその驕りを打ち破ったのはクロディーヌだったけど、#4ではレヴュー「NO TITLE」で自らの弱さを自ら打ち破ろうとしていて、芯にある舞台少女の心の強さに凄く心を打たれた。3人が歌うあの「Star Divine」がグッとくる。#4の自らが抱えた心の悩みを、自分の力で打破しようとしていく強さは舞台ならではだと思った。#3を経ているからこそ、己の敵は己自身であると自覚し、己に勝った経験がある。故に感じたままに心を強く持っていれば迷いが晴れて夢は叶うのだと思える大きな自信が彼女たちの中にはあった。この心の強さが「Star Divine」には現れてる。この世界の舞台少女、もうとっくにモラトリアムから抜け出せているんだよな……新天地へ向けて少し不安な気持ちが芽生えたけど、そんなものは些細な問題。絶対、大丈夫。そう確信させてくれたのが華恋が起こしたオーディションだった。

華恋が下宿していた場所、イギリスなのは何となく分かってでもひかりを捜す様子はなくて「華恋は何をしているんだ?」と思わされたので、その後説明が入って助かった(?)。天文台っていうから田舎に住まわせてもらっているんだなぁと思ったけどまさかグリニッジ天文台とは思わなんよね。「子午線 = 世界の中心 = ポジションゼロ」好き。そういえば日本標準時子午線がある明石天文台も兵庫県にあって、その理論だとあそこは日本のポジションゼロになる。宝塚市も同じ県だ。
日本に帰ってきてもまだ要領を得ない華恋を見て「この子進路どうするんだ?」と思いつつ、尺的にも話の展開的にも「これレヴューをするとしたら華恋が始めかねないぞ」と思い始めていたので、見慣れた背景に華恋の王冠がクルクル回っていて頭抱えた。
この世界、別にキリンじゃなくてもレヴューを開催できるじゃん!!ってことに気づいたよね(遅い)。レヴューマスター愛城華恋がめちゃくちゃ走駝先生みが強くて良かった。喋り方も立ち姿も、まるで走駝先生を見ているようだった。#4は華恋と走駝先生の絡みが多くて2人の共通点、対比などの表現が多くていいね。
華恋が始めたオーディションのタイトル名が「NO TITLE」→「Transition」→「Revival」→「Growth」→「Climax」なのズルすぎません??
Star Divineに始まり綺羅星ディスタンスに終わるオーディションはヤバすぎる。
レヴューシーンは目が全て追いきれなかったのでどこかで追記しよう……!
走駝先生と華恋の間にどことなく師弟関係のような雰囲気を感じて、「もし華恋が舞台女優としての道を選ばない場合、先生になる道もあり得たかも」とすごい感じた。自分のことになると周りが見えなくなるけど、みんなのことはちゃんと見えてる。そして慈愛の心でみんなを見守り続けることも華恋にはできると思わされた。華恋にママみを感じたのでスパダリもここまで来たかというお気持ち。最強じゃん。ずっと未来の話しで聖翔で教鞭を取る愛城華恋を僕は少し見てみたいと思った。

フィナーレで空に二つ星が光るのだが、舞台正面にある捌け口の形がいい感じに星罪の塔みたいに見えて、「スタァライトだ……」と声が漏れそうになった。

結論。#4はいいぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?