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川上喜朗『かげごと』@新宿眼科画廊 鑑賞メモ

Twitterを眺めていて展覧会を知った。ギャラリーそのものと、展覧会の両方に興味を持ち、残り少なかった会期中に出かけてみた。

歌舞伎町、百人町、北新宿、なんとも形容しがたいエリア、花園神社の近くであり、ゴールデン街の雰囲気を残す感じ、いや、アクセスは東西南北、様々な路線を使うことができるから、このギャラリーに至るまでの物語が、それぞれにできあがる。大江戸線の東新宿、東京メトロの新宿三丁目、JR、西武の新宿駅、大久保方面からもアクセスは可能である。

昼のゴールデン街を通り抜けてギャラリーに辿り着いた。

川上喜朗『かげごと』が開催されていた。

真っ黒の目、無表情なのに表現力が豊かな顔と対面する。黒い縦長の瞳に吸い込まれていく。黒が、否が応でも自分の中にある感情を引きずり出しているように思う。

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少年のキャラクター、こうしたキャラクターが様々なシチュエーションで、様々な作品に現れる。

入り口入ってすぐの展示室と小さな展示室が二つ、映像作品が提示されている展示室は暗くされており、もう一方の展示室は、さながらグッズショップのような展示になっていた。その奥は今回の展示に限らないショップになっており、ミュージアムショップといった感じ、複数フロアがあるらしく、その貸し出しの説明をしている会話が耳に入った。

全て少年だと認識していた。スカートをはいている状況は、どのように解釈すべきか考えていた。これは勘違いで、少年と少女を描いている。

どうして、このような勘違いをしたのか、先ほどの黒い瞳に自己投影とも関係するかもしれない。子供と大人の境界線の少年・少女期、ここでジェンダーが分かれる名称がつく。少年と見せかけた少女なのか、あるいは逆か、そうしたことの錯綜があった。

キャラクターが持っているストーリーと自身が持っているストーリーが重なるのだろうか。



ユニクロと無印良品、それぞれのCMが面白い。

おうち時間が長くなったから、掃除をテーマに世界を眺める。そこに展開されるのは、何かを掃除する人の動作と気配。

一方のユニクロは、綾瀬はるかをキャラクターとして、”ふだん着の日が、人生になる。”というコピーとともに展開される。

物事に焦点をあてているのか、キャラクターに焦点をあてているのか。

もちろん、アパレルに特化したユニクロと家まで販売する無印良品では、いささか性格が異なるとは思う。ただ、身を包むものとしては、衣服も建築も変わらない。



キャラクターが持つ力とは何だろうか。




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