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窓展と、近美工芸館 さようなら

ゼミの友達から近美の窓展がいいと聞いていた。

窓?

アートと建築の接続はよく聞くから、その延長だろうと思っていたのだけど、かなりのビッグネームが一堂に会した展覧会のようである。会期終了が近かったこともあり、取り急ぎ出かけてみた。

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展覧会の意図はわからなかったけれど、展示されている作品が圧巻だった。

マティス、ティルマンス、デュシャン、ル・コルビジェに、ゲルハルト・リヒター…。コレクション展には、草間彌生、奈良美智、村上隆も、そしてここにもゲルハルト・リヒター。

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外出ついでの昼休みに寄ったので、時間の制限があったのが非常に残念。映像作品をじっくり鑑賞する時間が取れなかった。

絵画のフレーム、窓と見立て、その窓越しに見る景色。それは、鑑賞者をどこへ連れて行ってくれるのか。

一日かけて、じっくり鑑賞したいと思った。巡回展もあるらしい。追いかけてみようか…。

K先輩と窓展の感想を話し合うと、展示作品は素晴らしいものの、展示会そのものの意図が伝わらないということだった。確かに、窓展といわれても、展示内容との接続が難しいなとは思った。違った伝え方なら、もっと早くからチェックしていただろうし。

ただ、窓というテーマだから、これほど多様な作品をひとつの展示にできたということも考慮しないといけない。


続いて閉館が決まった近美工芸館に寄る。もともとアートよりも工芸の方が好きだった。(今でも工芸は大好きだと思う。)

所蔵作品展を開催していた。

立派な建物、金沢に移転するというけれど、現在の建物はどうなるのだろうか。是非とも保存してほしい。重文だから、取り壊しなどはないと思うけど。発表あったのかしらん。

技の結晶としての工芸、コンセプチュアルな作品も多いと思った。

織物の美しさ。薄雪。

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美術館に収蔵されるような作品なので、採算度外視なのでしょう。とても豪華な生地に、寸分の隙も無く、綺麗に整っている。

目で見て惹かれ、細部の手業に驚く。そんなところが、工芸を好きな理由だと思う。道具を愛でるということなのかな。

最近、アートについて考えるとき、本業とのギャップに苦しくなることがある。昨年からコンサルタントから営業部門に移ってきたのだけど、この世の駆け引きというか、政治的つまりは権力の構造とか、作品にこそなっていないけれど、そうした不可視のものが見えるような、そんな錯覚に陥っている。むしろ、僕が、そうした現代社会のいろいろを作品として提示してみるべきかな、なんて思ってみたり。




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