六本木ギャラリー巡り
大学院修士課程を修了してからというもの、見る数は大幅に少なくなった。恐らくゼミの研究報告など、見たものをテキストにすることもなくなったからだと思う。
アニッシュ・カプーアが最終日ということを知って、暑い土曜日に出かけることにした。
気温が一度上がると5000億円の経済効果がある。どこかの総研系の人がニュースで語っていたような気がする。ただし、暑くなりすぎると人がでてこなくなり、逆効果だという。六本木は人が多かったような気がする。
駅からピラミデビルに向かうまでに汗が噴き出る。今でこそアートビルだが、昔はダイニングやレストランばかりのビルだったような気がする。昔はオイスターバーが入っていたような気がする。1階でシュラスコを食べたのは子供が小学校に入る前だったか。
エスカレーターで3階まで、SCAI PIRAMIDEに行くが、手前のWAKOでゲルハルト・リヒターが予約制だと知り、当日予約枠をひとまずゲットする。ギャラリーの前でQRコードを読み込む人が多かった。
SCAI PIRAMIDEは初めてだ。
撮影禁止のアニッシュ・カプーア展、肉眼でARを見せられているような不思議な雰囲気だった。空間を感じる人間の不思議な感覚が、少し地平をずらされている感じ。
予約時間になったので、WAKOに入る。
近美にもリヒターを見に行かないとな、と思いつつ、WAKOで見られるのはラッキー。当日予約枠を探る人は更に増えていた。
ドローイングが提示された空間、習作のようにも見える反復、そして反復の中に引き寄せられる数枚がある。アニッシュ・カプーアとは違う知覚の混乱を招くかのようなドローイング、1957年の作品が見られたのがよかった。
4階に上がってみたら、TARO NASUはライアン・ガンダーの展示準備中、来週から始まる。近代美術館を見に来る時に、一緒に見よう。ちょっと距離はあるけど、出かけたついでのアート三昧。2階に移動、KOTARO NUKAGAも展示準備中。YKGとゼンは外から見た。1階でペロタンでアンス・アルトゥングを見る。
TOMIO KOYAMA GALLERYで菅木志雄を見る。もの派、神楽坂の√Kや、佐賀のkenakianでもの派や、その影響を受けた作家の作品を見た。TOMIO KOYAMAでも、もの派の作家を扱うんだな、と少し驚いた。
ShugoArtsで米田知子を見る。修士一年生の終り頃、オークションに出ていた作品を買ってみようと思った。Bidしようとしたら、承認までに3日ほどかかるとメールが来て、結局のところオークションはクローズしてしまった。Artsyのオークションだったかな。アートに限らず海外ではECサイトの不正注文に関するチェックが厳格である。海外では、という一括りは、少し危険かもしれないけれど。
タカ・イシイで最終日の鈴木理策を見る。
忙しい感じもするけど、ほぼ一か所でこれだけの展示を見られる六本木は、やっぱりすごいな。有楽町のCADANでKOTARO NUKAGAの展覧会を見つつ、そんなことを考えた。