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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2020年5月の記事一覧

ジャン=フランソワ・リオタール『ポスト・モダンの条件』 読書メモ

先日のゴドフリー『コンセプチュアル・アート』の再読に引き続き、リオタールの『ポスト・モダンの条件』を手にした。未だにモダニズムが継続しているとか、既にポストポストモダニズムであるとか議論があるけれど、ひとまずリオタールをおさえておかねばならない。 モダンは、大きな物語としてリニアな世界にあった。ポスト・モダンとは、そうした大きな物語からの決別と、並列的な並行な世界が出現したとする主張と認識している。 ポスト・モダンとは何か? 序論に短い定義が出てくるが、何のことかさっぱ

ゴドフリーの『コンセプチュアル・アート』再読メモ 脱物質化、展覧会、体験

修士論文に着手するにあたり、60年代のコンセプチュアル・アートの流れを整理する必要に迫られた。難解な現代アートはコンセプチュアル・アートから今に接続していると考える。60年代後半から70年代前半までの社会情勢も踏まえながら、再考していきたい。 修士課程1年目。美術教育を受けていないために、遅れを取り戻そうと、積極的に展覧会、書籍、映画などからインプットし、2年目に至る。幸いにして研究着手許可が出た。ほっとした年次切り替えのアイドリング中に、修士論文のテーマを考える。アーティ