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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2020年2月の記事一覧

『コンセプチャルアート』 読書メモ

正直、読むのが辛かった。読書のスピードは速い方だと思うのだけど、文章の書き方というか、言い方というか、持って回った書きまわしのように見えた。普段、よく読むのはビジネス書と技術書。結論は何?って観点で読んでいる。本書の難しさはゴールが見えないことなんだろうと推測する。 アートってロジカルに結論に導くものではない。ただし、議論はロジカルに行う。見かけ上は…?そうした対話、頭脳ゲーム、コンセプトとそれをテーマにした作品を解釈するために、読み込んでおくべき名著だと思う。 コンセプ

WWFF:対話編 第3回「機械と衣服」人工知能とファッションにおけるコンピューテーショナルな生成力 - パターン / パラメータ / アルゴリズム 聴講メモ

2019年8月の話。渋谷で開催されたセミナーに申し込んだ。 登壇者は次の通り。FBで友達の友達だったりする人も講演している。世の中狭いものだと、常々思う。 岡瑞起: 工学博士、筑波大学システム情報系・准教授。 砂山太一: 建築・美術研究者。京都市立芸術大学専任講師(芸術) 藤嶋陽子: ZOZO テクノロジーズ研究者 川崎和也: (主催者)スペキュラティブ・ファッションデザイナー セミナーは各人からのミニレクチャーを行ったあとで、パネルディスカッションを行うという流れ。フ

『美術の物語』 読書メモ

以前、読書メモのブログを持っていた。 何のきっかけか思い出せないけど、丸ごと全部消してしまった。本業の情報技術や経営管理関連の書籍のみならず、哲学、歴史など幅広く読書のメモを記録していた。 もったいなかった。まさか、大学院でアートの研究をするとは思ってもみなかった。 ゴンブリッチの『美術の物語』、ファイドンから出版されていたけど、日本撤退に伴って廃刊になった。古本がすごいプレミアがついていたから、河出書房新社から復刊されたのはありがたい。 現在重版中らしい。 201

学習鑑賞@現美

ゼミ生同士で企画した学習会のグループ鑑賞に参加するため、清澄白河の現美にやってきた。長い改修を終えてオープンした現美。改修前も後も含めて初めての訪問だと思う。 展覧会は、ミナペルホネンのつづく、ダムタイプのアクション/リフレクション、エコー アフター エコーとコレクション展の四本立て、2020オリンピックのポスター展示もあるため、なんともボリュームの多い展示内容。 鑑賞の時間は、人それぞれだから、個別に展示を見て回る。みんなスマホ持っているから、離れていても電話ではなくて

人間の土地 / 王国 Domains展

たまたま通りかかった。 奈良原一高の展覧会。 訃報を見て、窓展で作品も見た。ゼミの同級生が、礼拝を研究しており、そこで名前が出ていた。 小さな展示スペースながらも、展示されている作品点数はとても多い。奈良原一高の初めての展覧会と二回目の展覧会の作品が展示されている。この展覧会と訃報は偶然であり、会期中の出来事に驚いている。そんな話をしている人があった。 モノクロの写真で提示された桜島の噴火で埋もれた島、そこで暮らす人々。自然の驚異、それを踏まえての人々の生活の力強さ。

窓展と、近美工芸館 さようなら

ゼミの友達から近美の窓展がいいと聞いていた。 窓? アートと建築の接続はよく聞くから、その延長だろうと思っていたのだけど、かなりのビッグネームが一堂に会した展覧会のようである。会期終了が近かったこともあり、取り急ぎ出かけてみた。 展覧会の意図はわからなかったけれど、展示されている作品が圧巻だった。 マティス、ティルマンス、デュシャン、ル・コルビジェに、ゲルハルト・リヒター…。コレクション展には、草間彌生、奈良美智、村上隆も、そしてここにもゲルハルト・リヒター。 外出

OIL by 美術手帳 × DIEGO

渋谷PARCOのOILにやってきた。2/5までDIEGOの展覧会をやっている。 訪問したタイミングが遅すぎて、ほぼすべての作品が完売していた。ただ、会場で配っていたZINEは手に入れた。 メゾン ミハラヤスヒロでも配布されているらしい。 ストリートに対する愛情、渋谷に対する愛着のようなものがある。 小学4年生の長女と一緒にでかけたのだけど、長女はスプレーによるペインティングが、なんだか変な気持ちと表現していた。落書きみたいで落ち着かないらしい。 擬人化されたスプレー