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救護の充実と共に予防的アプローチ

トレイルランニングなどアウトドアスポーツの安全管理をする上でさまざまなアプローチがあります。白くま隊が大事にしているのが『予防的アプローチ』です。アスレティックトレーナーとしての立ち位置で関わっているからこその特徴かもしれません。

救護担当の充実

古典的なスポーツイベントの運営だと多いのは誰かの知り合いの看護師が本部救護所にいるスタイルです。現役も離れているけど看護師が座っていればいいからと呼ばれてきたという方が救護担当としていることが多くありました。今もそういう運営スタイルありますね。言ってしまえば安全には程遠いでしょう。そもそも医師も看護師もスポーツに関わる救護の教育受けていません。病院で働くという想定でお仕事されてきている方がほとんどでもあります。

オリンピックに向けての影響も強く感じたのが、医師・看護師の方でもスポーツに関わりたいとボランティアでも大会サポート力添えして頂ける方多くなりました。白くま隊でも専門家が機能しやすいシステム作りと運用を心掛けています。難しいのは全体の運営システムが安定していないと救護担当だけ充実しても機能しないということです。

アスレティックトレーナーはさまざまなスポーツ現場でスポーツ医科学の専門家として病院前の救護を担当する教育を受けています。スポーツイベント救護や安全管理については専門性として相性が良いと感じています。白くま隊ではトレーナーとして活動することを目指す学生トレーナーをインターンとして受け入れながら救護体制の充実を目指して運営しています。

一つ考えないといけないことがあります。救護というのは事故やケガなどトラブルが発生してからの対応の事を言います。いくら救護対応を充実しても事故や体調不良は減りません。それで安全に繋がっていくのかな?という事です。街に救急車が増えても交通事故が減らないのは言うまでもありません。

予防的アプローチを充実させたい!!

スポーツ環境に近い場所で安全管理をするアスレティックトレーナーとして救護活動や救急処置は役割として重要です。ただ事故やケガなどを減らしていくことがさらに重要なのは言うまでもありません。
事故や体調不良・怪我を予防するためにはどのようなリスクがあるのか認識することがスタートです。すべてのリスクを回避していてはアウトドアスポーツどころか家に引きこもる必要があり(違うリスクが生まれます)目指すところではありません。ただ闇雲に『山は何があるか分からない』なんて言っていては何も始まりません。

〇運動内容
・距離・標高差・運動時間・スピード・体力 etc
〇環境
・気温・湿度・風速・輻射熱・路面状況 etc
〇生き物
・熊・猪・鹿・蜂・ヒル etc

リスクに関わる分析的視点(加筆修正していきたい)

レースであればコースレイアウトや気象条件などによりどんな事が発生しやすいのか予防としては何が出来るのか?装備や補給など 予防的なポイントがあります。同じコースレイアウトでも季節が変われば準備も変わります。セーフティマネジメント担当としては想定して救護対応や備品・体制についても反映するのですが、こういった準備も選手と共有しておくと事故は予防出来ると思います。最終的には選手自身が自分で想定して準備出来ることです。

まずは元気に走れること!!

白くま隊の活動も救護担当の充実をすればレースなどアウトドア環境の安全性は高まるかと関わりだしたのがスタートでした。しかしレースではない時は山に救護担当はいませんし、そもそも事故を減らすためにはそれぞれが元気に走ることが重要です。元気に走るためには体調不良を予防すること、そのための正しい知識をこれからも発信していきます。以前は対面セミナーとして継続開催していた【トレイルランナーのためのセルフレスキュー講座】についても動画配信出来るように準備中です。専門家やマニアックな本気の人達のためではなくて山に入るならば誰しもが知っておいて欲しいことです。アスレティックトレーナーだからこその予防に関する情報発信を今後も強化していきたいと思います。