子供の夜
ぼくは中学生くらいまで21時には寝てた。
夜更かしすると怒られてたし、そういう習慣のせいでそれくらいの時間には眠くなってた。
一回全然眠くならなくて、時計を見たら深夜1時でどうしよう寝れない!ってなって泣いたことがある。そんで泣き疲れて寝た。
そんくらいよい子だった。
だから、子供の頃は「夜」がすごく大人な存在だった。
夏休みにおじいちゃんの家に泊まりに行って従兄弟と夜更かしするのが、めちゃくちゃ楽しかった。夜中の12時まで起きてるだけで妙にハイテンションになって電気は消してテレビを照明代わりにしてケラケラずっと笑って、気が付けば眠っている。
真っ暗。
いつも自分たちが眠っているこの時間に、大人は何をしてるのか子供は知らない。
その時間に起きているってだけで自分が大人になったような気分になれる。
大人になっても、まだそんな感覚が残っている。
夜道は人の通りも少ないし、すごく静かで、見渡した時誰も歩いてなかったら、道路を一人占めした優越感に浸れる。
夜を過ごすって贅沢なことなんだと思う。
タクシーも深夜割増するし、barとかクラブも昼はやってない。
ぼくにとって夜は、まだ子供の頃感じてた憧れの夜のまんまで、本当は寝ないと怒られるけど、今日も家にお母さんが居ないから夜更かししてるだけ。
そんな風に考えていると寂しくなってくる。
夜道を一人で歩くと世界に自分一人だけになったみたいで寂しくなって誰かに会いたくなる。
夜は憧れの時間で、起きてたらワクワクするけど、ぼくにはまだ早い。
夏ですね スイカでも食いたいもんですわね