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菅波光太朗という名の医師

菅波先生は、実在しない。

先日まで放送されていた「おかえりモネ」の登場人物の一人であり、登米と東京を往復する、呼吸器内科の医師である。

一言で表すなら、「正しくて冷たい」

ど正論をぶちかます人物である。

愛想もクソもなかった。イヤイヤ訪問医療の世界に入ってきた医師である。

人の輪には入らない。

壁を作る。

機転の一つもきかない。

そんな人物であった。

しかし、おかえりモネが終わった今、菅波先生に会えないことに、心から寂しさを感じている。

SNSで「#俺たちの菅波」という専用タグが生まれるぐらいの人気者になった。

私も、菅波沼に落ちた1人である。

菅波先生は、過去に受け持ちの患者の人生を大きく変えてしまったことから、人との距離を置くようになったのだと思う。

それが、モネと関わるうちに、少しずつ変化していく。

モネの成長期であると共に、菅波先生の成長期でもあるのだ。

最終週の「ニコイチ」という言葉が、その全てを表しているように思う。

あなたと出会って、僕の世界は変わった。だから、これからもあなたと一緒にいたい。

こんな言葉を言われて落ちない人がいるのだろうか???

寝癖もそのまま。

カップルなのに、気付けば仕事の話。

そりゃ、コージーも突っ込むわ。

待ち合わせ時間にとにかくフライングするのも、菅波先生の特徴。何時間も前に来ちゃう、あるいみ相手の都合を考えないポンコツっぷりさえ愛おしい。

正しくて冷たかった菅波先生は、いつの間にか、正しくて冷たい、けれど本当はあったかい人になった。

菅波先生は、きっと、作者の心の声の代弁者。

あなたがいてくれたから、こんなにも素敵な物語になりました。

俳優、坂口健太郎じゃなければ、絶対に成立しなかったと思う。あの声、ルックス、表情、仕草、どれをとっても菅波先生でしかないから。

明日から、新しい朝ドラが始まる。

菅波先生以上に愛せるキャラクターに出会えますように。

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