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20

20歳になりました。
ハタチって可愛い言葉。全然自分にしっくり来ないけど。

年齢的に、大人への1歩を踏み入れてしまった気がする。
全然実感はわかない。
でもあれほど遠いと思っていた場所にたどり着いてしまった、という感覚がする。

人生は、大抵人の意思で動いているが、時間だけは意思の外側にある。
何度時間が止まればいいと思ったか、明日なんて来なければいいと思ったかなんて数えられないが、そんな私の願いなんて知らずに、ちゃんと一定の秒を刻んで時間は進んでいく。

20歳になることも、私が選んだことじゃないし、決意したことじゃない。
気づいたら、勝手に、20歳になっていた。

そんな言い方をするのはちょっとわがままかもね。
だって20歳になることは突然じゃなくて、ずっと前からわかっていたことだから。



成人式で、振袖を着て、前撮りをしてもらった。
「成人おめでとうございます。」
なんて言われて変な気持ちになった。
だって私の誕生日だったわけじゃないし、20歳になったのなんてずっと前のことなのに、今更のようにおめでとうございますなんて、なんか変だ。
友達に会っても、成人おめでとうなんて言い合うことは無かったし、ただ知らない大人だけが、何かが始まって何かが終わる訳でもないのに、私たちの成人をお祝いしていた。
不思議な気持ち。

友達が言ってたこと。
「20歳になるってことは、テレビでインタビュー受けたら20代って表示されるんだよね」

ええええって思った。
それを聞いた時、いちばん20歳が自分の中にすとんと入ってきた気がした。お酒を初めて飲んだ時よりも、自分は10代が終わって20歳になったのだと思った。


私は音楽が好きだから、20歳を歌ってる曲をカラオケで歌い、ふわふわしている概念を自分の中に落としこもうとする。でも私はまだ子供なので、その概念はふわふわしたままで、全くしっくり来ない。

ねぇミスター
僕はどうしたらあの人みたいになれるんだい
そんなこと考えて気づけば20の歳になる


この曲を初めて聞いたのは高校生の時だった気がする。
私は未だになりたいあの人のことがよく分からないし、自分の1番で、1番になりたい人のこともよく分からない。誰かの一生の自慢になりたいと思ったこともない。

まだ子供だし、子供でいたいと思う。
そんな私の20です。

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