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ソーシャルネットワークゲームの終焉は近いのか?


 今年のコロナ騒動には無関係に、一昨年~昨年ごろから雲行きが怪しくなってきていたソーシャルゲーム運営の状況。日本では、主に三つの要因で運営収入(売上)が急激に落ち込んでいるように思われます。

 まず、長期にわたる不況感と低所得者の増加。

 以前、とあるところで見た内部資料によると、ゲームに課金する世代は30~40代が一番多いとのこと。理由は省きますが、その世代がゲームにかけることができる(=余裕がある)金額が減り、結果として全体的に抑制されている傾向にあるという状況です。

 二番目としては、一つ目の話に重なる部分もありますが、フリープレイ=無料ソフト=サービスを無料で受けられるのは当然、という固着した概念。

主に50代以降の方に多い一方で、若年層でもクリエイティブな職業やサービス業の人たち以外全般が持つ事が多い概念です。これに加えて10~20代の場合は、生まれた時から高度情報化社会であり「インターネットの譲歩もゲームも無料で入手できるもの」という状況で育ってきており、「サービスに課金すること自体が頭の悪い行動」と思う考えを持つ人が多いのが実情です。

 三番目は参入障壁が低くなり、サービス提供業者の参入が増加したこと。

 日本のみならず中韓台の制作会社の参入が増加しているのもありますし、そもそもの課金プラットホーム(課金させる仕組みと配信の仕組み、と言うと分かりやすいでしょうか?)であったり、開発コスト自体の低下(開発ツールの普及・スマートデバイス側の環境統一化、マルチデバイス対応クロスコンパイル型開発ツールなどの高度化、プログラマーの半ロボット化(これは皮肉ですが)など)によるところが大きいと考えます。

 そして、これらの結果として運営側がより課金をあおる、もしくは法的規制のないレベルであったりユーザーに見えない部分での有利不利操作を行うという不誠実な悪循環が大きいように感じています。
(例えばゲームシステム上有利なアイテムを限定数で出す、を繰り返してアイテム価値をインフレーションさせ、それ以上有利なアイテムをまた出す、を繰り返すなど)
 そして、その情報がソーシャルネットワークで共有され、批判され、新しいゲームが出ればそちらに移り……

徐々に進む「ソシャゲ離れ」、引退を決意したユーザーたちの声 | Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191203-00000003-moneypost-bus_all 
蔓延する「課金疲れ」の実態 ソシャゲに300万円費やした男性の告白 | マネーポストWEB
https://www.moneypost.jp/479968 

……最終的にはユーザーが減る/ゲームシステム的になり立ち行かなくなる/コストと収入の分岐点を超える/社会的・法的・メディア的な制裁を受ける(法的規制のある確率操作部分に手を染め、かつ現在も大手のままの運営会社もありますが)、などの複合要因によってサービスが終了になる、
というのがソーシャルネットワークゲームのライフサイクルではあります。

 その他の外部要因としては、ヨーロッパを中心にガチャ(向こうではよくルートボックス、という言い方をします)が、もはや賭博の域に入っているため強力に規制する必要がある、という方向になってきており、実際に規制が始まっている国も多くあります。

 優越感や射幸性を高く煽るガチャ/ルートボックスによるデジタルデータの貸与(というのが表現としては正しいのだろうと感じます)が中心のビジネスモデルそのものに欠陥があるのが一番問題なのでしょうけれども。

 なお、満足感を得させるビジネスモデルのソーシャルゲームも過去にはありました。(例えば「旧」GREEの探検ドリランドやコナミの秘書コレクション、(話で聞くと)グリムノーツなど……)しかし、軒並み売上も利益率も低く、その結果、経営側の判断からサービスを停止させられるorせざるを得なくなることがほとんどであること、却って経営規模が小さいところだと生き残っている(初期投資済でユーザー数も少なく維持費が低い為だろうと思われます)あることも付け加えておきます。

【注1:昨年の下書き掘り起し記事です。情報が多少古い部分もあります】
【注2:2020/05/02 内容をかなり追加し、再構成しました。】

【注3:2020/05/27 句読点や一部文章の手直しをしました】


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