買取は採集業者のドーピング
2012年頃まで採集業者の採集物ってほぼ自家採集。ただ13年前後から現地のガイド採集品を買取ってそのまま市場に流す手抜きエコシステムが誕生。んまあブセ採集なんかそれまでは1か月間、カリマンタンの山ん中をはいずり回って集める草の量が、電話一本プルリンコで現地の方々が集めてくれるのね。その回収に3日ほどIndonesiaに行けばあら不思議、同じ利益上がるんだよなあ。もうこうなるとわざわざ現地に入ってせんべい布団で寝て蚊に刺されるのがバカバカしくなるのも理解できる。「誰だよ?そんな手抜きエコシステム開発したの?」って。
季子さんも自分も「そのエコシステム」に乗っかる可能性はあったんだけど結局二人とも自力採集に拘ったけど理由はよう分らん。長谷くんはカリマンタン来ないから今回の話からは除外。まあこの辺はいつか季子さんと話てみたい。理由は色々あるけどエコシステムを考え出した始祖が色々半面教師だったのと、やっぱり朝7時にバイクに跨いで川何本も歩いて、何にも出なくて「ここで出なかったらホテルに戻る!」と半泣きになりながらやっとブセを見つけた時の興奮が忘れられないってのがある。もう脳汁が溢れる。最近はピクタムは大体ガイドさんが先に見つけて、後日ケツを追っかけて「ハイボス、コレコレ」ってシステムになったけど今年Riauで自力でクリプトコリネを見つけた時は久しぶりに脳汁溢れた。50歳になっても脳汁出るって中々ないぞ。俺たちは山ん中を歩いて万馬券を探している。
「買取と自家採集って差がありますか?」って聞かれるとやっぱり業者としてはあるなぁです。ホマや渓流サトイモ系は柄の差や個体差はないんですが、明らかに売れ行きが悪い。ピクタムなんて柄は買取の方が絶対良いんですが、やはり自家採集に比べると売れ行きは良くないしオークションに出しても価格は伸びないのが素直な実感です。多分買取界隈もウチのオークション見てたら余計に買取って言えなくなる。
自分は買取に罪悪感があるしビジネス的に買取を公開すると売上が落ちるのは理解しています。結果や効率だけ見れば「買取」して「だんまり」が最適解ですが、それでも自家採集に拘るし買取は買取で公言します。まあ買取、業者が見たら判るんですな。季子さんと長谷くんに顔向けできない。あとは趣味家側が「推しが苦労して採った草が欲しい」です。オークション見ているとたまに現地便のピクタムでしゅごい柄の個体が出ていますがあんまり伸びない。やはりみんな推しを推したいのである。帝国ホテルの超絶旨いカレーと推しの新垣結衣ちゃんが作ったちょっと焦げたカレーどっちが食いたいって言われたら「ガッキーのカレーに決まってるだろ!!」と絶叫します。みんな頭おかしい。あと星野源絶対に許さんぞ。推しの苦労を分かち合うのもまた趣味の世界なのです。
ジメジメ界隈の買取って筋トレ界隈のドーピングと同じで結果だけ見たらドラッグユーザーのドーピングボディビルダーの方が筋肉量多いし見た目も派手で、滅茶苦茶効率的です。そんでもって初心者はドラッグユーザーに憧れて、筋トレ上級者や業界関係者は「まあそっちで頑張ってね」と冷めた目で見るのも全く同じ。因みにドラッグユーザーのドーピングボディビルダーとナチュラルボディビルダーの見分け方ですが「出る大会でほぼ判る」です。ホントもうこの辺の棲み分けはっきり出来ています。買取もまあコードをグーグルにぶち込んでヤフオクしか出なけりゃ買取ですわな。現地画像ちょう大事。でも現地画像も仕込みで作れるんですが、それはまたいつか汚話ししましょう。
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