#通帳デジタル化について

 みずほ銀行が来年1月から、新規口座で紙の通帳を作る場合、1100円の手数料を取ることにした。スマートフォンやパソコンで無料で使える「e-口座」に移行を促す。ただし、70歳以上の顧客には無料発行を続け、有料化前の口座の繰り越しも対象外にする。

 通帳のデジタル化は他の銀行も進めている。

 メリットとしては、通帳の紛失や盗難の恐れが減り、より長期の取引履歴も確認しやすくなることだ。ネット上の金融取引も広がっており、技術の進展の成果が顧客に還元されるのなら、通帳のデジタル移行も理解できる。

 デジタル化の背景には銀行がコスト削減を迫られていることもある。低金利と運用難で、顧客から預金を集めても、儲けに繋げにくくなった。そのため、預金口座を提供するためのコスト負担を減らしたい。

 ただし、サービスの適正な対価をどう設定するのかという課題は引き続き残る。

 口座維持費が無料であったが、銀行の送金手数料は一律で、割高である。よって、全国銀行データ通信システムの運用を見直すべきだ。全銀システムは、24時間365日、即時入金が可能で安定性が高い分、コストがかかるとされる。公正取引委員会は事務コストを大きく上回る水準だとして、銀行間の送金手数料の是正を求める報告をまとめている。

 IT化で窓口業務は減り、サービスの省力化が加速している。また、振込手数料の高止まりはキャッシュレス化を妨げている。

 スマホ決済事業者は、代金を加盟店に支払う際に銀行振り込みを使っているが、少額の決済が頻繁に行われているため、負担が重い。

 銀行による決済サービスは、もはや重要な経済インフラの一つであり、公正で確実な運営が求められる。

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