#政権と検察の距離感(①検察組織と機構)

 検察は,国家社会の治安維持に任ずることを目的とし,検察権の行使に当たって,常に不偏不党・厳正公平を旨とし,また,事件処理の過程において人権を尊重すべきことを基本としています。(検察庁HPよりhttp://www.kensatsu.go.jp/gyoumu/yakuwari.htm

 しかし今、検察組織の信頼が揺らいでいる。

 検察官及び検察庁は,行政と司法との両性質を持つ機関であるため,その組織と機構も両者の特徴を併有していますが,我が国の検察制度の特色としては,以下の3点を指摘することができます。 (中略) 検察官が,国家の刑事訴追機関として公訴権を独占し, (中略) 刑事司法運営の中核的機能を担っているのです。(検察庁HPより、http://www.kensatsu.go.jp/kensatsu_seido/tokushoku.htm

 つまり、検察庁は行政機関であるのと同時に、(検察審査会による公訴提起の制度を例外とする)起訴権限を独占し、刑事司法の中核を担う準司法機関という特殊な立場にある。したがって検察官は行政官である。三権のうち行政の一部にありながら、司法に準じる権限を持つ絶妙な立ち位置である。行政官であるから、内閣に検察幹部の任命権がある。

 検察が業務を遂行するためには、一定の独立性を確保することが欠かせない。

 行政官である検察官は、内閣に任命権がある。しかしこれまで、検察幹部の人事は、検察当局が決めた人事を尊重し内閣が事実上承認してきた。

今回の問題

 検察庁法改正案は、国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案と一括で国会に提出された。少子高齢化が進む中、働く意欲のある人が長く働ける環境を整える観点から、検察官の定年を63歳から65歳に引き上げることは妥当である。(現在検事総長の定年は65歳)

 国家公務員法改正案と検察庁法改正案をまとめて審議するのはいかがなものか。政府は「定年延長」という同じくくりで扱おうとするが、切り離して考えなければ議論は深まらない。

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