たゆたう

「どの季節が一番好き?」

夏の暑さに項垂れる時、冬の寒さに打ちひしがれる時、たまにそういう話題が上がる。

私は正直この季節が一番好きっていうのははっきりしておらず、過ごしやすいという意味で春と秋の入り口が好きと答える。
心が浮足立つという意味では、景色の色づきを楽しめる春~秋初旬が好きかもしれない。これは趣味として写真を撮るからっていうのもある。

個人的にはどの季節というよりも、その時期にしか味わえない色彩や空気の変化を感じることが好きだ。
春は桜と青空のコントラストが綺麗だし、夏はシュークリームみたいな雲とソーダみたいな青空、オレンジの夕焼け、秋の寒くなり始める切なさや冬のきりっとした寒さが逆に清々しいなど、四季それぞれに魅力がある。

移ろいの中で「そろそろあの季節が来るな」という瞬間が実は一番好きかもしれない。空の色や空気の匂いで季節を感じるタイプで、まだ冬だけど春が近づいているときの紫がかったグラデーションの夕暮れとか、もう少しで芽吹く土っぽい匂いなんかは毎年心が躍っている。

上司には、「春の匂いがしますね」というと「匂い?なにそれ」と不思議がられるけど、季節の移ろい、暇のような時期に感じる独特な匂いと空気感て私はあると思う。
そういうものがわくわくと一緒に少しだけ切ない思い出なんかも連れてきてしまうので、うっかり思考の沼にはまらないようにだけ、最近は気を付けているかもしれない。

去年もそうだったけど、1月過ぎるとなぜかもう春気分で謎の上向き感を覚える。季節先取りしすぎ。
あと、今日カーディガンを着ず腕まくりして歩いてたら同僚に「すごく元気そうですね!!」って言われた。わんぱくに見えたろうか。寒さに強い自覚はないけれど、エアコンの設定温度や上司が来客した際便座が冷たいと言われる辺り、結構耐性あるのかもしれない。

こうして書いてみると、やはり一番好きな季節は春なんだろうか。
今度聞かれた時は春って答えてみよう。

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