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コーカサスから中東へのバイク旅行 (その100)

2023/11/3〜 (その1)

快適な一夜を過ごし、気力体力ともに今の自分に死角なし

アフメッドの息子?兄弟?いとこ?(聞くの忘れたけど息子だと勝手に思っていた)のムハンマドとユーフラテス川の朝の散歩
それから、家に戻って、昨日洗濯してもらった服を返してもらう
うん、大体乾いているけど、ズボンはまだ少し湿っているな
朝日に当てて乾かしておこう
おや?返してもらったシャツやパンツに紙屑のついてる
ポケットにティッシュでも入れっぱなしだったか?
軽く払って畳んで荷物にしまう
朝食をとってパッキングをし、出発するときに重大な事件が発覚
あれ?オレ、パスポートどこに入れたっけ?
思い出してみると、ズボンのポケットか?
ズボンは洗濯済み😨、、、、、、、

なぁにぃぃぃいぃぃ やっちまったよ‼︎  🤯
byクールポコ(古っ!)

恐る恐るポケットからパスポートを取り出し確認する
幸いにもしっかりコーティングされているために自分の個人情報が記入されたページはそれほど損傷を受けておらず確認できる状態
ページに押されたスタンプも少しにじんではいるものの、判別できる状態では残っていたしかしシールを貼り付けるタイプのイラクビザは残念ながら、そこに書かれたサインやスタンプなどきれいさっぱり消えてしまっている
パスポート自体も重大なダメージを受けていて、背表紙とページを綴じた冊子が分離してICチップの入ったプラスチックも脱落している
まずい。これは大問題になるかもしれない
落ち着け、オレ
ネットでバグダッドにある日本大使館のサイトを検索
大使館のホームページを発見して確認するとタイミング悪く大使館は金曜日の今日と明日の土曜日は休み
なんちゅうタイミングでやらかしてしまうんだ俺は

まず、この状態だとチェックポストを通過できるかわからない
と言う事は、この街から移動することができない可能性がある
いや待てよ
確か無事な状態のビザの写真を撮ってあるはずだ
スマホを確認するとすぐにそれは見つかった
ビザのシールはシリアルナンバーが印刷してあるので、写真のシリアルナンバーと確認できる
おまけに偽造防止のキラキラシールにも通しナンバーが打ってある
うまく説明すればチェックポスト通過できるかもしれない
このままこの街にいるのが1番安全ではあるが、問題解決にどれだけかかるかわからず、最低でも二日間は大使館とも連絡が取れない
このまま連泊させてくれと頼むのも図々しく思えて頼みづらい
もしかすると、警察署に出頭して事情を説明し、手続きをすれば当面の問題は解決するかもしれない
どの道バグダッドに行かなければ、根本的な解決はできないし、バグダッドまでのチェックポイントを通過するための通行許可証を手に入れなければならない

と言うわけで、自分の出した結論は、今日はこのまま出発し、当初の目的地であるラマディにたどり着き、そこの警察署に行ってどうしたらいいのか相談してみよう
途中チェックポストがあって通れなければ引き返せばいい
なんてどうにかなると甘い見積もりで行動していたが、今から思い返せばまだまだ自分は長い間戦争や紛争を続けている警察国家イラクの現実を甘く見ていた

お世話になった。アフメッドさんとムハンマドにお礼を言って、別れをつげ出発
ムハンマドが元気がなかったが、責任を感じる必要は無い
これは、自分のミスだ
昨日と同じ道を通り、ラマディを目指す
昨日お世話になったBike家の前を通り過ぎるも店は閉まっていた
空いていたら挨拶をしていこうかと思っていたが、残念
昨日と打って変わって、天気は快晴
順調に進んで、もうすぐラマディに到着と言うところでチェックポスト
警官の指示通り停止し、バイクを降りて警官に説明する
何とか事情は飲み込んでもらえたようだが、とりあえず待つように指示される
しばらく待つの通行許可は降りず、まだ時間がかかりそうなので、詰所の中で入って待つように指示される
ある警官の説明によると、警察署から担当の職員が来るので、それまで待つようにということ
仕方がないので、ソファーで横になったり、時折外に出てタバコを吸ったりして時間を潰す
ずいぶん長く待たされて、やっとそれらしき職員が到着
パスポートとスマホにある写真を見せ説明
自分の今の問題とそれを解決するためには、バグダッドまでいかないと解決できないこと
なので、バグダッドに到着するまでのチェックポストを通る為の何かしかの許可証を作ってもらいたいと言う要望を伝えた
事情を把握した職員はどこかと電話で連絡を取ったりしていて、解放される気配は無い
時間は15時
ここに到着したのは正午ごろなので、もう3時間ここで待たされている
先程の職員が車に乗りどこかに去って行ったのでまだそのまま待たされる
職員が戻って来て、これから場所を移動するので自分の車についてこいと言い、ようやくチェックポストを出発することが出来た
時間はもう17時
多分これから警察署に向かうのだろう
自分から出頭しようと思っていたので、手間が省けて良いのかもしれない

30分ほど走ってラマディの市内中心部にあるそれほど大きくない建物に到着
建物のゲートが開いてオートバイをその中に入れるように指示される
すぐに解放される感じではなくなってきた
今日、ラマディで落ち合う予定のハメッドさんと遅くなるかもしれないと連絡をしなければ
建物の中に入り、そこには4人ほど中庭でチャイを飲んでいるところだった
自分を連れてきた職員が、その中の1人に報告している
とりあえず初対面の印象は大事なので、皆にアッサラームアレイコムと丁寧に挨拶をしていったが、報告を受けていた男だけが挨拶を無視して疑り深そうな三白眼の目で下からこちらを観察するような目つきで見ている
どうやらこの中でこの男が1番上役の様だが、何故かその男は車椅子に座っていて怪我でもしてるのかなと思ったが、その後普通に歩きまわっていた
他の職員たちはしばらくすると笑顔を見せたりするようになったが、この男だけは一切こちらに好意的な態度を見せ無い
外国人である自分には内情が全くわからないので、とりあえず愛想の良い無害な外国人を演じていた
フレンドリーな職員と翻訳アプリで会話を楽しんでいたところ、車いす男の指示で携帯電話を取り上げられた
奴は、その携帯電話の中の写真を長い間チェックして、写真の中から関係ありそうな写真をピックアップし、それを他の職員のiPhoneにAirDropでコピーするように指示してきた
4000枚位の写真の中からクルディスタンに入国したときの書類の写真まで見つけ出し、コピーさせられた
なんだか随分ねちっこい性格の様だ
これから心の中で、この男のことを蛇男と呼ぶことにする

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