いつかの7月7日
川辺から吹いてくる風が、僕と君の間を遠慮がちに通り抜けてゆく。
少し離れたところに座っているカップルも、
そしてさらに少し離れたところに座っているカップルも、
みんなぴったりと体を寄せ合っているけれど。
不器用な僕らは
なかなか互いの距離を縮められずにいる。
少し前まで
普通よりちょっと仲のよい友達だった僕らには、
いまだに恋だとか愛だとかいう言葉には照れてしまう僕らには、
この川辺はまだちょっと早すぎたのかも知れない。
まだ始まったばかりでぎこちない僕らだけれど、
ゆっくり、ゆっくり、近づいてゆこう。
時々けんかしたりしながら、
それでも距離を縮めてゆこう。
そして
来年の今日、もういちどふたりでここに来よう。
わずかな風も通れないくらい
ぴったり体を寄せ合って
一緒にこの川の流れを眺めよう。
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京都、鴨川の河川敷にて。
わーほんとに等間隔でカップルが並んでる。
なんて言いながら通り過ぎたけど、ほんとはやってみたかった青春でした。
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