8年連続登壇!『CEDEC 2024』ポケラボレポート!
2024年8月21日~8月23日までパシフィコ横浜 ノースで開催された『CEDEC 2024』。今年はオンラインとオフラインのハイブリッド開催となりましたが、ポケラボからは3組4名が登壇し、8年連続の登壇となりました!
本日は、今年のCEDEC講演を無事に果たしたゲーム事業本部の原田、小倉、高田、悦田(登壇順)に、登壇に至るまでのあれこれや、講演当日の様子、感想などをインタビュー形式でレポートいたします!
まずは、登壇内容と登壇者の紹介です。
※講演順に記載しています
※登壇資料はCEDiL(CEDEC Digital Library)のサイトに会員登録(無料)するだけで閲覧可能です。是非あわせてご覧ください!
皆さん、CEDECの講演お疲れさまでした!
テーマについて
まず、講演テーマはどのように選定したのですか?
高田:
「シノアリスのエンディング施策でCEDEC登壇を!」と、上長から1年前くらいから使命を受けていたので、本命で出したのが、「ユーザーの記憶に深く残るソーシャルゲームの終わらせ方 〜ユーザー自身がお墓に入る?!唯一無二のゲーム体験とそれを支える技術のはなし〜」です。
もう1本の「ソシャゲエンディング後のアプリの実装手法紹介 膨大なアセット、流動的なデータ保存を「シノアリスだったナニカ」はどう扱ったのか」は、エンジニアリング寄りの引きが出るような題名になるように心がけました。
テーマ自体は、昨年エンディング施策を開発しながら、考えていました。
原田・小倉:
私たちは、元々、新規開発中のタイトルで自分達用に作っていたシステムが、思いの外使い勝手が良かったので、同じように使ってみたい方がいるんじゃないかと思い、発表してみようと思いました。
1年前のCEDECのエントリー締切後くらいに思いついたので、構想としては1年前からありました。
資料について
3本の講演とも、資料が大変わかりやすくまとめられていましたが、どれくらいかけて資料を準備したのか、また資料を作成する上でのポイントなどあれば教えてください。
原田・小倉:
業務をしながらなので、期間としては4ヶ月以上かかっていると思います。
今回は二人での登壇なので、事前にどういう流れで話をしていくか、どういう項目を盛り込むかを擦り合わせて、そこから分担して詳細を落とし込んでいきました。
あらすじと項目毎のタイトル、中で何を説明するべきかだけ決めておいて、最後にそれぞれの内容を通しで読んでいても破綻しないようにしました。
そこから何度も読み合わせて、分かりづらいところや、流れが不自然になってないかなどをチェックしました。
高田:
今年はレギュラーセッション2本分の資料作成と、ちょうどプロジェクトの繁忙期が重なったので、今までのこういった講演資料作成と比べてもかなり苦労しました。とにかく作業時間の捻出ができず、、
途中資料作成ができなかった時期も含めるとのべで丸3ヶ月はかかったかなという感じです。
資料作成のポイントは「スライドの内容を読んだらギリギリ講演内容に追いつける文字量と口頭説明文章量」と「後にCEDiLに資料だけ置いた時に口頭で説明がなくても講演内容がわかること」、最後は「講演をリアルタイムで見ている人が飽きないような動きのある資料をつくる」という3点を心がけて作成しています。
悦田:
登壇の準備にはおよそ2ヶ月ほどかかったのではないかと思います。
まず二人で話すことの大枠を決めてアジェンダを作成してからは各々で各パートの内容をつめていきました。
ある程度出来上がってきたタイミングで合わせてみると、全部盛り込んだら1時間を超えてしまいそうだとか、このパートで話す内容が他と比べて薄いなどがあってアジェンダから外してしまうパートもありました。
資料が一通り出来上がってから気づくことが多く、そこからの方向転換やブラッシュアップにこそ時間を使うため、早めに計画立てて、時間をしっかりと確保することが重要だと思います。
原田:
高田さんの資料、めちゃくちゃ綺麗ですよね。
悦田:
自分も今回、高田さんの神アドバイスにすごい助けられました。
高田:
2021年の一番最初にCEDECの登壇をする時に、資料作成関連の本やデザイン関連の本、そして講演者のための本などを色々読んで勉強しました。今年の登壇資料はそこからこれまで資料作成の勉強をしてきた、現時点でのベストかなと思っています。
※2021年のCEDECに登壇記事はこちら!
原田:
資料の見栄えを良くするのは本当に大変です。
自分の頭の中では分かってるイメージを資料に1枚で表現しないといけないって、めちゃくちゃ難しい。。
エンジニアにとって、資料作成スキルをもっとつけていけると、登壇に挑戦しやすいかもしれないですね。
当日の会場の雰囲気はどのような感じでしたか?
原田:
オフライン開催になりましたが、まだまだオンラインで受講される方が多いようで、会場は落ち着いていました。
CEDEC自体は二度目で、他にもいくつか登壇経験があったので、少しは慣れている部分もありましたが、やはり登壇席に座って受講者の方達が入ってくると緊張しました。40〜50名くらいの方がいらっしゃってました。
小倉 :
CEDECには毎年聴講者として参加していましたが、今回初めて登壇する側として会場に入った時は身が引き締まりました。
緊張度ですが、Apple Watchで心拍数のログを確認したところ、原田さんが喋っているときが一番緊張していて、自分が喋り始めたら心拍数が10ほど下がっていたのが意外でした。会場は6割ほど席が埋まっていた印象です。
高田:
CEDECの講演は3度目だったのですが、初めての有人講演でかなり緊張しました。
ただ、有人講演のメリットとして過去2回の完全オンライン時と比べると、目の前に人がいるので反応が少なからずあるのがありがたかったです。(ウケてるのかウケてないのかが即時わかるので、アドリブでも内容についてフォローが入れられる)
会場の7〜8割くらいが埋まっていてびっくりしました。それだけシノアリスのエンディングに興味を持って来てくれたんだな、というところが嬉しかったです。
悦田:
発表資料がこれでよいかを講演前日まで悩んでいたので前日が悩みと緊張のピークでした。
当日になるともう資料の修正もできないので腹をくくったことからかあまり緊張しませんでしたね。
会場には100人を超えるほどの聴講者に入っていただき、シノアリスの注目度を改めて感じさせられました。
登壇後の感想を教えてください!
原田:
Ask the Speaker(※1)で熱心に質問してもらえたことが一番印象に残っています。
今回は自作のシステムの発表なので、他の現場で本当に役に立つのか?目新しさがなく退屈な内容になってないか?など不安になることもあったのですが、熱心に質問してもらえたことで発表して良かった、他の現場にも貢献できたと思えたことが一番大きな収穫でした。
※Ask the Speakerとは、セッション後に登壇者と話せる場のことです
小倉 :
Ask the Speakerで、色々な方から質問を頂けたことが印象的でした。
今回発表した内容について、我々は普段から使用しているため理解しているのですが、初めて聞いた方々はどうだろうか?という観点で資料作りを行っていました。そのため、質問してもらえたことによって、ちゃんと伝わっていてその上で疑問点があった、ということだと思うので安心しました。
高田
1本目の講演後は、個人的にはまだ次の講演が残っているので気が抜けないな、と思っていました。
走り出したのでもう止まらない、このまま次もやり切るぞ!という気持ちが強かったです。
2本目の講演後は、「よかった、多分上手に講演できた!」という安堵の気持ちと、「自分がシノアリス運営として行う最後の仕事が本当に終わったな」、という気持ちが混ざった心持ちでした。
悦田
4gamerやファミ通の記事に掲載して頂いたり、古い知人からメッセージを頂いたりと思った以上の反響があって驚いています。
このような舞台に立たせて頂き、一緒に登壇した高田さんをはじめ、タスク調整・フィードバック頂いた皆さまに心から感謝しています。
来年登壇したいと思っている方へのエールをお願いします!
※写真順に記載
悦田:
CEDEC登壇準備は想定していたよりも遥かに大変でした。しかし、その過程で得られた知見と登壇後の達成感や周りからの反響は非常に貴重なものになりました。
早めに計画を立て、時間をしっかりと確保し、周りの人の協力を惜しみなく仰ぐことで、より良い発表に繋がるかと思います。
挑戦する価値は十分にありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
高田:
CEDEC登壇では、何かを犠牲にすることも多いです。サポートしてくれる、といっても、最終的には自分の名前で講演するのだから発言の責任は自分にかかりますし、版元企業様がいる場合は、背負うのはポケラボの会社名だけではないのでさらに発言内容に悩みます。自分の講演内容に意味はあるのか?と何度も自問します。
ただ、CEDEC登壇者だけしか得られない名誉や、物の見方、そして外部からのみられ方もあるんだな、と気づきました。
ゲーム開発者として箔を付けたい、もしくは登壇するチャンスがあるとしたら職掌関係なくやるべき!と私は思います。
小倉:
CEDECに登壇が決定した後も自分が作った資料に対して「この内容で良いのか?」という自問自答を発表直前までするようになります。業務と並行して資料作成を行うので、とても大変です。
しかし、ゲーム開発者として箔が付くというのもありますし、発表した内容を聴いてくれた人達の何かしらのヒントになったり、業界に良い影響を与えられるかもしれない、というのは非常に貴重な経験です。
毎年、社内のCEDEC登壇者が増えていっているため、困ったことがあれば登壇経験者に相談すると必ずアドバイスを貰えたり、時にはサポートしてもらえます。
気負いせず、まずは自分が業務で得た知見などを応募してみるところから始めてみても良いかもしれませんね。登壇が決定したら一緒に悩みましょう!
原田:
カンファレンスは同じ業界で切磋琢磨する同業他社へ、自分達の技術や経験を共有することで、業界全体をレベルアップさせるものです。
共有することで繋がりが生まれ、そこから新たな考えや試みが生まれ、業界の動きとして必ず自分達にリターンがあります。
話すテーマが無いと諦めず、普段自分達が当たり前にやっていることや、失敗談でも、もしかしたら他社では大きな知見になることもあるはずです。
積極的に発表することで、新たな繋がりを得られるようになると、いち開発者から業界の中のエンジニアという大きな立ち位置と視野が得られ、レベルアップできるかもしれません。
是非、積極的に手を挙げてみてください。
必ず社内のメンバーがサポートしてくれますし、自分達のように一緒に登壇してくれる仲間を見つけてみるのも心強いと思います。
以上、『CEDEC2024』ポケラボレポートでした!
普段の業務を行いながら、こうしてCEDECの登壇に向けた準備を1年も前から行っているという登壇者にはリスペクトしかないです。
エンジニアにとって、自分の得た技術力を自信をもって発表するということが、どれだけ大変なことかと感じますが、そんな挑戦の機会を積み重ねていくことで、個人の成長、そして会社の成長に繋がっていくのですね。
CEDECに登壇された全ての皆さん、お疲れさまでした!
ポケラボでは、「得た知見や技術を業界に展開していく」という文化を持っており、CEDECでの登壇は、そんなポケラボカルチャーが体現された挑戦の場です。
これからも、常に新しい技術の発展に向けて、沢山のチャレンジをしていきます!