【おはなし】十年パンイチ　#毎週ショートショートnote

結婚して初めてのクリスマスの日の朝、枕元にプレゼントが置かれていた。中はパンティー１枚。私にはハードルの高いパンティーだった。
夫は「サンタ来たんだ」なんてとぼけている。

せっかくなので翌日、私はそのパンティーを身に着けた。自分の中の欲望があふれ出し、その夜の夫との営みは今までになく良かった。

その後、そんな気分の日にはそのパンティーを着けて夫に合図するようになった。

あれから毎年枕元に置かれたクリスマスプレゼントによって合図の衣装が更新される。今年はついに10回目のクリスマスだ。

朝、枕元を見るといつもと様子が違う。
真っ赤なリボンに小さな石の付いた指輪が結んであった。
夫を見ると、少しにやけながら薄目でこちらを見ている。

指輪？ありがとう。あ、スイートテンとか？

私は指輪が光る左手を眺めながら、少し残念な気持ちだった。
夫が私をツンツンとつつく。
顔を上げると夫が先ほどのリボンを手に持ってにっこり笑っている。

あ…真っ赤な紐パン…

（411字）

今週もたらはかにさんの企画のお題に参加させていただきました。しかも初の裏お題。
いつもありがとうございます。
パンイチに呼ばれてしまって…もはや頭の中はパンイチでいっぱいでした！
祝！一周年！パンイチでハッピーに！