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徳島ヴォルティスの歴代最強助っ人外国籍選手は誰だ!

はじめに

皆さんは徳島ヴォルティスの助っ人外籍選手についてどのような印象をお持ちだろうか?

どこ出身の選手が多いだとか、どのポジションの選手が多いだとか、他クラブと比べて活躍するしないなど、
徳島ヴォルティスを応援し始めたタイミングなどによっても持っている印象は様々なのではないだろうかと思う。

2005年のJリーグ参入以降、徳島ヴォルティスには2022シーズン終了時点で総勢48人の外国籍選手が在籍した。

今回は様々なデータと個人的主観を基に、最強助っ人外国籍選手をランキング形式で発表していきたいと思う。


各種データ

出身地域・国

ランキング作成には関係ないが、まずは出身地域と国の人数を見ていこう。

まずは地域別

※出場試合数などの数字は公式戦通算

最も多いのは南米の22人、次いでアジアの13人
2017年以降は21人中7人つまり1/3がヨーロッパ国籍の選手となっていることにクラブとしての方向性が表れている。

続いて国別

ブラジルがダントツで多く19人
次いで韓国の9人
その他は色々な国の選手を偏り少なく獲得している。


在籍年数

長く在籍するイメージの少ない外国籍選手だが、在籍期間が長いということはそれだけチームへの貢献度も高いと言える。

※レンタルで不在の期間を除いた在籍年数

最も長く在籍したのは高卒ルーキーとして加入し、2022年いわてグルージャ盛岡に加入しJリーグへ帰ってきたキムジョンミンで5年
次いで現徳島ヴォルティスジュニアユース監督のアレックスで4年半

3年以上在籍したのは18年の歴史で僅か6人のみ
ほとんどの選手が2年以内にクラブを去っていることが分かる。


出場試合数

途中出場の多いポジションの選手は数字が伸びやすくなるデータである。
出場試合数のTOP10がこちら

※公式戦通算

100試合以上出場しているのはアレックス、ドウグラス、キムジョンミンの3人のみ
50試合以上出場しているのはちょうどこの10人であった。


出場時間

フル出場することが多いポジションの選手が伸びやすいデータである。
それではTOP10を見てみよう

※公式戦通算

10000分出場選手はいないが、上位10人のみが3000分以上出場となった。
現所属のカカがすでにTOP5に名を連ねている。


勝利数

チーム状態に左右されやすい数字ではあるが、外国籍選手はこの数字を伸ばすために獲得される部分も大きいため重要な数字であると言える。
それでは見てみよう

※公式戦通算

10勝以上上げている選手は計18人
Jリーグ通算だと15人とさらに減る。

18年間でリーグ戦通算10勝以上した選手が15人
近年は毎年10勝以上を上げていることを考えれば明らかに少ない数字だと言える。
外国籍選手が当たらない印象を持っている人は、その印象は間違っていないと言えるかもしれない。


得点数

攻撃的な選手のみの指標になってしまうが評価するには一番わかりやすい数字であると言える
ここまでは公式戦通算の数字だったが、得点数はリーグ戦通算の数字で見てみよう

左の数字は全選手中の順位

なんと2桁得点を奪っているのはドウグラスとキムジョンミンの2人のみ
しかもバラル、ドゥンビア、ウタカと半年しか在籍していない選手が3人もランクインしている。
もっと言えばエリゼウ、アレックス、バイス、ペスンジンはディフェンスの選手である。

こう考えれば2年で5点取ったバケンガは当たりの部類だったのでは(錯覚)


MIP

毎年実施されるサポーター投票によるMIP表彰
活躍度の評価という点においてこの賞は価値のある指標になり得る。

外国籍選手の受賞歴はこちら

2011:オスンフン
2012:オスンフン
2015:エステバン
2022:J.A.スアレス

3人で4度外国籍選手が受賞しており、4度中3回がゴールキーパーとなっている。


最強助っ人外国籍選手ランキング

ここまでの客観的データと筆者の個人的主観を交えて、最強助っ人外国籍選手ベスト10を発表していきたいと思う。


第10位

エウシーニョ

所属シーズン:2022~
国籍:ブラジル
ポジション:RSB
公式戦記録:出場23試合・1329分出場・2勝・2得点

川崎フロンターレ時代にはJリーグベストイレブンにも輝いた超攻撃的右SB。
ドリブルでの持ち上がりでビルドアップを助け、高いキックの質でゴールもアシストも数字を残せる。
30台半ばでの加入で、前年まで怪我で実践から離れていたこともありフル出場や稼働率はそこまで高くないものの、出場すれば確実に試合に影響を及ぼす仕事をしてくれる。


第9位

シシーニョ

所属シーズン:2018~2019
国籍:スペイン
ポジション:CMF
公式戦成績:出場39試合・3232分出場・16勝・1得点

年代別スペイン代表経験を持つ中盤のダイナモ
豊富な運動量で攻守に顔を出し、相手を潰す守備と展開力で大きな貢献を果たした。
たまに適当なパスでロストしたり、得点力で劣る部分はあったものの、ポゼッションや強度の面では徳島がスペイン路線を進めるうえで重要な役割を担った。
1年目の終盤で怪我をし、そのまま2年目は怪我でほとんどプレー出来なかったのが残念だった。
親日家で自らJリーグに売り込みFC岐阜に加入した経緯があり、アビスパ福岡の城後寿のファンであることを公言している。
マンチェスターシティなどで活躍した現レアル・ソシエダのダビド・シルバと仲が良く、共にワイナリーを運営している。


第8位

アレックス

所属シーズン:2012~2016
国籍:ブラジル
ポジション:LSB
公式戦成績:出場127試合・9421分出場・39勝・8得点

2002年に川崎フロンターレへ加入してからカマタマーレ讃岐に所属した2018年まで16年に渡り日本でプレーした名選手。
質の高い左足を持ち、来日当初はFWだったこともあり攻撃面で違いを生み出せるプレーヤー。
アウェイ京都戦でのゴラッソは右足で決めたこともありサポーターを驚かせた。
引退後は徳島ヴォルティスのスタッフとなり、2022年現在はジュニアユースのコーチを務めている。


第7位

カカ

所属シーズン:2021~
国籍:ブラジル
ポジション:CB
公式戦成績:出場69試合・5295分出場・18勝・4得点

21歳でクルゼイロから加入したCB。
強さ、高さ、速さに加え足元の技術にも優れた万能型。
まだ若いこともありJ1のスーパーな外国人には対応で後手を取ることもあったが、日本の環境に慣れるにつれパフォーマンスも上昇。
家族に家を買ったり子供の様子をよくSNSに投稿するなど家族思いだったり、オフシーズンも帰国直後からトレーニングを欠かさない努力家であるなど人間的にも素晴らしい。


第6位

ドウグラス

所属シーズン:2010~2014
国籍:ブラジル
ポジション:FW
公式戦成績:出場114試合・6057分出場・44勝・27得点

ブラジルのトンベンセFCから徳島に加入。
来日当初の登録名はドゥグラスだった。
広島移籍以降はストライカーとして覚醒しJリーグ各クラブで活躍していたが、徳島時代はどちらかというと1.5列目のシャドウストライカーという感じで広島移籍後のような圧倒的な活躍という感じではなく、津田佐藤柿谷に後塵を拝す立ち位置であった。
初のJ1昇格に貢献し、歴代外国籍選手の中ではトップの27得点を記録。
レンタル先の広島で活躍し、UAEのアルアインへ移籍し多大な移籍金を残した。(その際、謎のエセサッカーライターに「日本サッカーのために徳島が移籍金で損をしても広島へ移籍させるべきだ」と謎の批判を受けた)
日本に来てうどんが大好物になりお気に入りは丸池製麵所(徳島に近い神戸に移籍してきた際にはオフにわざわざ丸足を運ぶほど)
広島では選手コラボスタジアムグルメで「えび天うどん」をリクエスト。


第5位

エステバン・ベレス

所属シーズン:2014~2015
国籍:コロンビア
ポジション:CMF
公式戦成績:出場47試合・3960分出場・13勝・2得点

広いカバー範囲と圧倒的な球際の強さで中盤を支配した元コロンビア代表。
チームの成績が悪い時代の所属ながら高い個の能力で観客の目を引くプレーを見せてくれた。
個人的には2013年の開幕戦、対戦相手の神戸に所属していたエステバンに完膚なきまでにボコボコにされた衝撃が最も印象強い。
2014年夏の加入から1年半所属し、徳島退団をもって現役を引退した。


第4位

ホセ・アウレリオ・スアレス

所属シーズン:2022
国籍:スペイン
ポジション:GK
公式戦成績:出場35試合・3150分出場・11勝・1アシスト

バルセロナアカデミー出身のゴールキーパー。
スペイン2部で出場機会を得られなかったことが信じられないほどセービングやビルドアップなどにおいて全てのレベルが高い。
長崎戦のビッグセーブや岩手戦のアシストなど勝ち点を取れるキーパーで、チームは8位フィニッシュながらリーグ最少失点に貢献。
2022シーズンのMIPにも輝いた。
奥さんはスペインのインフルエンサーで、日本への引っ越しをきっかけに結婚した。


番外編

ベスト3の前に小休止!

ここではガッカリ外国人5選をさらっと紹介していきたいと思うぞ!

キム・ドンソプ
清水から期限付きでやってきた年代別韓国代表!
1年半在籍して11試合無得点!
ただ韓国に戻った後はそれなりに活躍したらしく、A代表にも招集され得点も取ったらしいぞ!

クレイトン・ドミンゲス
柏レイソルで活躍しJリーグMVPにもなったレアンドロ・ドミンゲスの弟!
2014年J1のシーズンに1年在籍して11試合1得点!
優秀な兄を持つと辛い!

アドリアーノ・フェレイラ・マルティンス
G大阪やC大阪などで活躍し中東に引き抜かれたブラジル人!
2014年の夏に加入し半年所属し10試合1得点!
ドウグラスを放出してまで獲得しJ1残留への切り札だったがコンディション調整不足で太ってたぞ!

アチーレ・エマナ
W杯で日本代表とも対戦した元カメルーン代表!
2016年に加入し1年間所属、出場は0試合!
わけがわからないよ!
ただこの年を最後に補強方針が変わったよ!ありがとうアチーレ!ありがとうエマナ!

クリスティアン・バトッキオ
ポヤトス監督が連れてきた元U-20イタリア代表のアルゼンチン人!
2021年に半年間所属し14試合出場無得点!
随所にポテンシャルは感じたもののコンディション調整不足で目立った活躍は出来ず、夏にコロナで来日できない家族が恋しくて契約解除!
契約解除直後にメキシコのクラブ加入が発表され移籍金をだまくらかされたよ!


それでは最強助っ人外国籍選手ランキングTOP3をどうぞ!


第3位

セイドゥ・ドゥンビア

所属シーズン:2008
国籍:コートジボワール
ポジション:CF
公式戦成績:出場16試合・1388分出場・5勝・7得点

柏レイソルから期限付きで加入したものの半年で契約を打ち切りスイスのヤングボーイズへ移籍していった。
たった半年間のプレーだったものの爆発的なスピードでJ2を無双し、徳島ヴォルティス史上最も反則外国人と呼ぶに相応しいFW。
2年連続最下位だったチームを一桁順位まで引き上げたが、ドゥンビア退団とともに衰退し逆V字推移で結局その年も最下位となった。
日本で行われた日本代表vsコートジボワール代表の親善試合に出場し、徳島ヴォルティス在籍中に初めてフル代表に招集された選手となった。
スペインのジローナに所属歴のある共通点から、J.A.スアレスが徳島に加入することを報告したInstagramの投稿にコメントしている

海外移籍後の主な成績
・スイスリーグ優勝
・スイスリーグ得点王2回
・ロシアリーグ優勝
・ロシアリーグ得点王2回
・ロシア年間最優秀選手
など


第2位

ヨルディ・バイス

所属シーズン:2018
国籍:オランダ
ポジション:CB
公式戦成績:出場40試合・3547分出場・19勝・8得点

年代別オランダ代表歴のあるフェイエノールトのアカデミー出身の超攻撃的CB。
キックの質が非常に高く、両足遜色なく蹴れ、鋭いロングフィードや縦パスだけでなくミドルシュートや直接FK、PKキッカーも務めCBながら1年で8得点を奪うなどCBの規格に収まらない活躍を見せた。
攻撃面に目が行きがちだが、パワーと高さを備え、スピードと小柄ドリブラーに苦戦する場面はあったが守備面もレベルの高い選手であった。
どのクラブでも主力として活躍したが何故か1つのクラブには長く留まらず色々なクラブを転々としている。


第1位

オスンフン

所属シーズン:2010~2012
国籍:韓国
ポジション:GK
公式戦成績:出場73試合・7600分出場・31勝

大卒で徳島ヴォルティスに加入した生え抜き選手。
2年目から正守護神に定着し、サポーターが選ぶMIPに2年連続で選ばれた。
2013年に京都に引き抜かれたが、その年の昇格プレーオフ決勝で徳島と対戦し敗れ、2011年に続き昇格を逃す結果となった。
2020年の徳島ヴォルティスJ1昇格の際にはお祝いメッセージが届いたことを強化部長の岡田氏が明かしている。
2022年には韓国の大邱FCに所属しACLで浦和レッズと対戦。


まとめ

感想としては、GKや最終ライン,ボランチなど、後ろのポジションの選手は数多く活躍していることが分かる。

一方でFWの選手はドゥンビアやバラルなど短期的に活躍した選手は何人かいるものの、1シーズン通してコンスタントに得点を重ねた選手は18年間の歴史でほとんどいない。
現在のチームの性質上、守備に走れてボールが収まって点も取れるなんていう、クラブ規模では到底獲得できないようなスペックをCFに求めてしまっていることが補強を難しくしている印象もある。

今回のランキングはあくまでも2022年終了時点でのランキングなので、現所属選手は来年以降の活躍でさらに順位を上げる可能性はある。

生え抜きのオスンフンが今回1位となったが、同じく生え抜き外国籍選手である玄理吾やオリオラサンデーがこのランキングに入るような選手に成長してくれると嬉しい。

外国人監督の人事が当たりまくっているなかで、攻撃的な選手だけこれだけ当たらないのも不思議なものだが、今後このランキングを塗り替えるような外国籍選手を獲ってきてくれるよう、みんなで岡田さんに祈ろう。



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