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便利さと引き換えに失ったものは

最近、再放送されていたドラマ『愛していると言ってくれ』にハマっていた。

可愛らしく元気いっぱいの常盤貴子さんと色気だだ漏れの豊川悦司さん。

2人の恋愛をドキドキしながら見ていた。

声を出せない代わりに目の表情や仕草で見事に感情を表している豊川悦司さんの演技力のすごさが印象的だった。

そして、もう一つ印象に残ったのは作品の中に「携帯電話」が出てこないことだった。

1995年に放送されたこのドラマでは携帯電話が当たり前のように出てこない。

メッセージを伝えるのはFAXだし、外で電話をするのは公衆電話だ。

今からは信じられない光景で、とても不便に感じる。

携帯電話がない2人には多くの相手のために使う時間がある。

FAXの前で、電話BOXの中で、相手のためにその場所に拘束されて言葉を送り合う。

その不便さに愛しさを感じてしまうのはどうしてだろう。

きっともうあの頃には戻れない。

便利さと引き換えに私が失ったものは一体何なのだろう。

すれ違いながら懸命に恋愛する2人の姿を見ながらそんなことを思ってしまった。



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