『ライオンのおやつ』

末期癌で余命宣告をされ、「ライオンの家」と言うホスピスで人生の最期を迎えることにした主人公のお話。

描かれる島の光景がとても心地よく、何よりも出てくる食べ物がとても美味しそう。

毎週日曜日にはおやつの日があり、入居者が生きている間にもう一度食べたいおやつが一人だけ選ばれる。

選ばれるおやつはささやかなものばかり。

最期に人が食べたくなるおやつは高級なものでも、行列が出来る人気店のものでもなく、誰と一緒に食べたかが大切なのだと思わせてくれる。

悲しくて涙が流れるものではなく、こんな風に最期を迎えることが出来たならと思わせてくれる心が温かくなる死の物語だった。




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