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超絶ネタバレ含む「花束みたいな恋をした」をみた感想





周りの人たちがたくさん観ているから、なんとなく観たくなって観にいった。多分今年初の映画館で観る映画だったかもしれないけど間違いなく今年イチ良い映画だと思ったし、今まで見た映画の中で一番胸が苦しくなって過去イチ映画鑑賞した後の余韻に浸ってる今です。

出てくる登場人物の絹ちゃんと麦くん。
大学生で出会ってから5年間の別れるまでの物語なんだけどこの二人の出会い方が本当に運命的で、こんな壮大な恋愛なんかしたことないけど、自分の今までの恋愛の楽しかったこと悲しかったこと嫌だったことが観てる最中に蘇ってきて二人が幸せそうな場面でただただ悲しくなって物語の序盤でもう泣いてた。

二人の出会いは京王線の明大前駅。
終電を逃してそこらへんにいた人たち4人でカフェに行くんだけど、帰り際に二人は好きなことが一緒なことが分かってそのまま二人は居酒屋に行った。話せば話すほど本の趣味、本のしおりに映画の半券を使ってること、映画の趣味、全部、全部があまりにも同じでこんなにもサブカルな趣味が同じな人がいるのか?ってくらい共通点が多くて、そのまま麦君の家に麦君が作った映画を見に行くために甲州街道をビール片手に歩いて帰るんだけどその道中でも話はずっと尽きない。最高じゃん。そんなに趣味が合う人存在するの?私も出会いたい羨ましい凄い、最高じゃん。って思ってみてた。

帰る途中に雨が降ってきて二人は走って麦君の家に入るんだけど、麦くんの本棚をみて絹ちゃんは「私の本棚じゃん」って言った。めっちゃ印象的だった。麦くんが書いた絵を勝手に見て絹ちゃんは「麦くんの絵、好き」って言った。今書いてて思ったんだけど、そういえば、物語の最後までどっちかに対して本人に向けての「好き」って言葉は無かった気がする。告白の時も「付き合ってください」って言ってた。私が覚えてないだけかもしれないけど印象に残ってない。(あと麦くんは絵を書くのが好きだからそれを仕事にしたいんだって)

そんでさ、絹ちゃんが麦くんの絵をみてる間に麦くんがドライヤーを持ってきて絹ちゃんの髪の毛を乾かすシーンがあるんだけどね。
出会って一日目、初めて家に行きました。それで雨で髪の毛がビチョビチョだったとしても男が女の髪の毛を乾かすって相当プレイボーイじゃない?手練れだと思う多分この人。相当女経験がある気がするって私思った。てかまず私だったらどんなに意気投合しても一日目で男の家には行かないけどまぁそこは置いとくとする。なんか前に誰かのツイートで「女の髪の毛を乾かす男はだいたいクズ」って言ってたけど私のしょぼい経験上でもだいたいクズだった気がした。でも私髪の毛を人に乾かしてもらうの大好き。

まあなんやかんやでデート何回かして毎回話が尽きなくて終電ぎりぎりになるんだけど結果的に付き合うことになって。
付き合って初めてのキス、終電間際の横断歩道でのキス。
心臓が痛かったキュンが止まらなかった。誰もいない深夜の外でするキスって良いよね。麦ちゃんは「こいうスキンシップは頻繁にしたい方です」といった。可愛い。麦ちゃん可愛すぎ。そんでまあ二人は大学生なもんで麦くんの一人暮らしの家に絹ちゃんはずーっといるわけ。大学生で家にいてやることといったらセックスしかないわけよ。付き合いたてだしセックスしまくり。そんで大学4年生だから絹ちゃんは就活を開始するんだけど圧迫面接ばっかりで精神がやられて泣いてたの。泣いてる絹ちゃんにたいして麦くんは「やりたくないことはやらなくていい」「その人(圧迫面接官のこと)はきっと今村夏子さんのピクニックを読んでも何も感じない人だよ」って言った。ピクニックっていう本は読んだことないけど多分二人はこの本を読んで何かを感じるタイプの二人なんだなって。私も読んでみたいと思った。私はどっちのタイプかな。そして麦くんは絹ちゃんに「一緒に住もう」とも言った。


調布駅から徒歩30分の家に二人は一緒に住むことになった。
私だったら絶対徒歩30分とか無理だけど、二人はバイトの帰りに調布駅で待ち合わせをして徒歩30分の道なりをコーヒーを飲みながら、商店街で年老いた夫婦が営んでるパン屋さんを見つけて焼きそばパン1つを二人で食べながらとか、河川敷を楽しそうに喋りながら歩いてて。二人の幸せそうな日常が穏やかに映像でずっと流れてて、その穏やかな普通の幸せが私には辛くて、昔付き合ってた人との楽しかった帰り道とかを思い出したのか分からないけどどうしようもなく泣きそうになった。人の幸せをみるのが辛い。幸せな人たちを見ると辛くなる、今の自分には無いものだから。
この映画は本当にリアルな恋愛って感じで誰にでも刺さるものがあると思う。

絹ちゃんと麦くんはお互いフリーターとして、
麦くんはイラストを描く仕事を1カット千円でやり始めてたんだけど段々と3カット千円と単価が下がってく。好きなことを仕事にしたいっていう理想とこのままじゃ生活が出来ない現実。そんな状況である日絹ちゃんの両親が家に来るんだけどこのまま二人ともフリーターっていう現状をよろしく思っていないようで。二人に対して「社会に出るという事はお風呂にはいること」って言った。私も社会人として働いてるからなんとなくその台詞はわかる気がした。その言葉で麦くんは理想を追うのをやめて現実を見て生きることにしたんじゃないかな。二人は就活を始めて絹ちゃんは事務の仕事、麦くんは営業マンになった。そこからどんどんとすれちがってく。その描写が本当にリアルすぎて。
麦くんの仕事は忙しくて、だんだん好きなこともできなくなって二人の時間も無くなってった。麦くんは絵を書くことも時間が無くてしなくなって二人のデートの約束の日は必ず仕事になるから絹ちゃんは「またか」みたいな顔をするんだけど、それに対して麦くんが怒って喧嘩になっちゃったり。
でもしょうがない、約束してた予定を何度も仕事のせいでダメになっちゃったら私もそんな顔しちゃうし。仕事だからしょうがないっていうのはわかってるつもりだけど休みの日まで仕事でつぶれて二人の時間が取れないって、そんな顔にもなっちゃうよ。麦くんは絹ちゃんとの二人の生活のために就職したって言うけど大変な仕事でプライベートなことが何もできないけどお金はもらえるって、それって二人の生活のためになるのかな?
苦労して就職できたからなのか知らないけどこの時点ですでに麦くんは社会っていう現実に飲まれてって、いわゆる社畜になってた。印象に残ったのが「パズドラしかできない」って台詞。今ソシャゲやってる人たくさんいるから刺さる人には刺さるんかな~

私は仕事に対してある程度の責任感はあるけどプライベートの優先が第一だから仕事ばっかりしてプライべートな時間が取れないような仕事はしたくない。そもそも仕事はしたくないし。それが自分の好きな事だったら頑張れるかもしれないけど、麦くんの場合は好きな事でもなんでもないただただ辛いだけの仕事なわけで。
仕事に対する向き合い方って人それぞれだけど私は麦くんの考えは理解できなかったな。そんなに責任感感じてやるもん?最低限でよくない?

どんどん二人はすれ違ってってセックスも3カ月以上しなくなってって。
最初は駅から徒歩30分の道なりを待ち合わせて一緒に帰るシーンがたくさんあって絹ちゃんも「帰り道の30分が何より大事です」って言ってたのに、どんどん一緒に帰るシーンが無くなって、ほぼワンルーム(広くて本棚で仕切りがある感じだけど)で一緒に住んでるのに会話もなくなって。凄く辛くなった。焼きそばパンを買った老夫婦が営んでたパン屋さんが閉店した。LINEで絹ちゃんが麦くんにそのことを伝えたら麦くんは「パンなら駅前のパン屋で買えばいいじゃん」と言った。麦くんが仕事でキツいことを言われた日、その話を聞いて絹ちゃんは「そんなこと言うなんてありえない、その人は今村夏子さんのピクニックを読んでも何も感じない人だよ」と言った、麦くんは悲しそうな顔で「僕ももう、何も感じないかも」って言った。悲しかった。もう麦くんはあの頃の麦くんじゃないんだと。変わってしまったんだと。2人の感性はすでに変わってしまった。



同棲するとセックスレスになるってよく言うけど二人もそんな感じですれ違いからか忙しいからか最初のほうで「こういうスキンシップは頻繁にしたい方です」って絹ちゃん言ってたのに3ヵ月もしてないってどういうことですか?この時点ですでに恋愛感情は無くなってるんですか?同棲するとみんなこうなってしまうんですか?セックスというものはお互いの愛を確かめる重要な行為であるとと私は思います。3ヵ月セックスしてない状況で麦くんは絹ちゃんに結婚の話を持ち掛けたんだけど、え??なんでこのタイミング?こいつ何考えてんの???3ヵ月もセックスしてなくてほぼ会話もなくデートもなくただ一緒に暮らしてるだけの関係の状態で結婚???????無理でしょう普通に絹ちゃんは絶対別れた方がいいのかなって考えてるよなんでおまえ結婚したいのこの状態で結婚してもいいと思ってんのヤバスギイ!!!!ってなった。お互い両方が思ってることが分からない状態になってた。そらそーよ、だって付き合う前はあんなに話が尽きないくらい会話が続いてたのに今じゃもう会話なんてほとんど無いんだから。会話してないのにお互いのことなんてわかるわけないじゃん。どんだけ一緒にいたって言葉で言わないと相手の気持ちなんてわかんないんだよエスパーじゃないんだし言葉ってホントに大切。話さなくてもわかるでしょ?みたいなたまに言われるけどわかるかボケ何のために口がついてるのってめっちゃ思う。




で、またある日喧嘩しょうもないことで喧嘩になるんだけど
絹ちゃんが麦くんに対して麦くんが良く使う「じゃあ、~」っていうのが嫌だってことを喧嘩中に伝えたの。その後にどんどん麦くんもヒートアップしてって「じゃあ結婚しよう」ってプロポーズの言葉を言ったんだけどその言葉が苦しかった。「じゃあ」が嫌だって言ってるのに「じゃあ」って言葉を発したこと、「じゃあ、結婚しよ」って何ですか?
プロポーズは特別な事だからちゃんとしてほしいって私は思うんだけどそれ以前に「じゃあ結婚しよ」の「じゃあ」ってなに?じゃあってどこから?
しかもこれ、喧嘩の流れでの「じゃあ」だからね。私も昔怒ったときに「じゃあ、もういい」みたいな言葉を発してしまうことがあって、これは本当に良くなくて、怒ったときに拗ねて「じゃあもういい」って言ってしまったらどんな話があったとしてもそこで会話が終了してしまうのね、自分で終わらせてるの、これ以上もう話すことは無いって感じの。だから意識して「じゃあ、~」っていうのは使わないようにしてるんだけど。「じゃあ、~」って使うときって大体 AがダメだからもうBでいいや みたいな感じで妥協的な感じで使うことが多いと思うの。麦くんが言った「じゃあ、結婚しよ」っていうのも間違いなくマイナス的な感じでとりあえず結婚しようみたいな。欲しいのはそんな言葉じゃなくて、絹ちゃんからしても観てる側としてもこのタイミングでのこの言葉は最悪で。この発言でもう絹ちゃんの心は完全に離れてったンじゃないかなって思った。私だったらもうここで完全に恋も冷める。




そんで最終的に二人はお別れすることを決意して最後は笑って楽しい時に分かれ話をしたいってことで最初のほうからずっと行ってたファミレスで話をするんだけど二人で昔の楽しかった思い出とかを写真を見ながら話してたら麦くんが「別れるのやめよう、結婚しよう?このまま結婚したらうまくやっていけるよ。恋愛感情が無くてもうまく行ってる夫婦はたくさんいるよ。それでいいじゃん。このまま結婚して子供作って3人でいろんなところ行ってそうやって暮らそうよ」みたいなことを泣きながら言うんだけどその台詞が本当につらくて辛くて辛くて嗚咽が漏れた。私は誰でもいいから結婚したいって思ってた。誰でもいいから結婚して一緒に死ぬまで一緒に暮らしたいって。その相手は恋愛感情がある人じゃなくてもいいって。でも、この映画をみて、恋愛感情が無い相手と一緒に暮らすことって、幸せなのかな?って思った。お互いに冷め切ってる関係性で一緒に暮らすのって地獄じゃない?恋愛感情があるからこそ他人だとしても許せたりお互い譲歩できたりするのに恋愛感情が無い相手ってなにも許せないと思う。同じ家に帰るのに居心地が悪いのは耐えられない。同棲経験が無いから結婚に対して夢を持ってた。。。多分わたし一生結婚出来ないと思う。理想と現実の現実をただただ突き付けられた映画だった。私一生結婚できない!!!!!!!!!!!!!!!!



どんだけ運命的な出会いで趣味が合って考え方が一緒な相手だとしてもどんどん好きな物や考え方も変わってく。それはしょうがないことで年月が経つってそういう事。こんな運命的な出会いもこんな恋愛なんてしてきてないし同棲もしたことないしわからないけど恋愛と結婚って理想と現実みたいなもので全然違うものなのかな。難しいね。

麦くんの会社の先輩が言ってた「5年頑張ればどうにかなるから」って感じの言葉ちょっと印象に残ってる。二人はもう少し時間があれば結婚してたのかな、もう少し頑張れば仕事も余裕ができてプライベートな時間を持てるようになったら昔と変わらない二人に戻れたのかな


「恋は生もの」って台詞があった。花も生もの?
お花もいつか枯れるし
始まりがあれば終わりがある
終らないためにお花はまとめてリボンで結んで花束にしてドライフラワーにして一生にしたいよ私は

つらいなあ・・・・・・・・・・・・
恋愛ってつらいなあ・・・・・・・・
私が絹ちゃんだったら別れを選択することは出来ないと思うな
切り捨てることも自分のために必要だとわかってても。。。。
なんかいろいろ辛いものがあったから感じたことを書きなぐりしてしまいました。何が言いたいかっていうのが何にもまとめられてない、ただ感じて思い出したことを振り返って書いてみたから何言ってるかわかんないけど観た感想でした。




あとね~この映画、京王線がものすごく出てくる。
私は京王線ユーザだから身近な場所がこんなにも出ていて、京王線がもっと好きになった、この映画って京王線沿いがたくさん出てくるからなんか京王線のプロモーション映画みたい。私一生京王線沿いで暮らすって決めた。多摩川が見える家で暮らしたい。私も明大前で飲んで終電逃して同じくして終電を逃した人と一緒にカフェに入っておしゃべりしたい、あと本読む。


もう、とにかく、この映画は良かった刺さり過ぎるところがあるけど
みんな何かしら共感できる部分はあるんじゃないかな
特に20代の人は・・・

ほんとーーーーーーーーーーーーーに切なくてキラキラした映画
もう一回みたいな