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2020年10月から2021年3月の@onefive

(@onefiveの活動を時系列で振り返るシリーズ記事です。前回の更新から1年近く間が空いてしまったので、以前の記事(2019年10月~2020年3月、2020年4月~2020年9月)も改めてお読みいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。)

4人がさくら学院生としての活動を全て終えてから1ヶ月が経った2020年10月。10月20日にデジタルシングル「雫」のリリースを控え(「Pinky Promise」のリリースからちょうど1年という日でもあった)、@onefiveはSNSでの発信を活発におこなっていた。

状況を考えれば「雫」は元々の計画とは異なるタイミング、形式でのリリースだった可能性も大きいと思う。「まだ見ぬ世界」のリリースイベントがそうであったように、@onefiveは手段が制限される中で様々な企画をこのシングルのリリースに連携させ、ファンへの発信を試みているようであり、その一つが、YouTubeチャンネルでのトーク番組の生配信だった。

@onefiveのYouTubeチャンネルはそれまでMVの公開やちょっとした告知などに使われ、TwitterやInstagramと比べればあまり更新の頻度は高くなかったのだが、この配信はYouTubeチャンネルが ”動いて喋る@onefive” を伝えるプラットフォームとして存在感を増していくきっかけとなった。

そして、「雫」のリリースとトーク配信が翌日に迫った10月19日、ZOZO TOWNのEC専門ブランドであるapres jour(アプレジュール)のTikTokアカウントに、突然@onefiveが現れる。

@apres_jour

高校生4人組ガールズユニット【one five】のみなさんが遊びにきてくれました💕アプレのお洋服を着て踊ってみたよ✌︎#apresjour #アプレジュール#お揃い

♬ PiuPiu Dance - 쫑

大人っぽくクールな「雫」の衣装とはまた異なる印象の4人の姿にファンたちが騒めく中、翌20日には「雫」がリリースされ、生配信トーク番組『@onefiveとおしゃべりの秋』において、apres jourやpair pair(ペアペア)といったZOZOのECブランドで@onefiveがSNSの着用モデルに就任したことが発表された。

配信では更に1ヶ月後の11月20日に再びトーク番組の生配信をおこなうこと、そして12月にオンラインライブをおこなうことも併せて発表された。SNSを通してや画面越しでのファンとのコミュニケーションは、決してグループにとって最もやりたい事ではなかったに違いないが、ファンとの接触が制限される中でようやく自分たちの活動の形を表現できるようになってきたのが2020年の秋だったのではないかと思う。

”おしゃべりの秋” 以降は「雫」のプロモーションの為のラジオ出演が続き、同時に着用モデルとして各ブランドのSNSへの露出、それとリンクしたフォトの投稿なども多数あり、賑やかな晩秋となった。

この時期に着用モデルを経験できたことは@onefiveにとって非常にポジティブだったのではないかと個人的には考えている。若者に人気のあるEC専門ブランドのモデルというイメージ的にも時期的にもぴったりの仕事であったし、ライブや対外活動が気軽にできない状況で彼女たちの「表現」に対するモチベーションを保ちスキルを磨くのに、この着用モデルの経験は非常に大きかったのではないだろうか。更に、ファンにとっては4人のファッションを気軽に真似できるきっかけとなり、のちの@onefiveファン層におけるコスプレ文化の広まりに好影響を与えたことは疑いようがない。

11月19日、@onefiveのLINEアカウントが開設された。Twitter、Instagram、YouTubeチャンネルに続く4つ目のSNSアカウント開設であった。

11月20日、2回目のトーク番組「@onefiveと”ぬくぬくの冬”」がYouTubeチャンネルにて配信され、12月のオンラインライブ『Blue Winter2020』の詳細発表や、そのライブに合わせた新グッズの紹介などがおこなわれた。

配信中にnoteの「座談会」が更新され、翌日には4人が持ち回りで記事を書くnoteの有料マガジンがスタートすることが発表された。

第一回の更新は座談会のルーレットで決定した通り、KANOが担当した。

10月、11月は@onefiveとしての動きが活発な2ヵ月であったが、それらのアクションが全て当初から予定されていたものなのか、それとも社会状況に鑑みてアジャストされたり新たに決まったりしたものなのかは分からない。ただ、その時々で実現可能なファン向けのコンテンツを模索し、同時にそれらを彼女たちの成長に繋がるようなアウトプットの企画として成立させるという姿勢は、この当時から現在に至るまで不変なのだと思う。改めて振り返ってみて、そんな印象を受けた2020年の秋だった。


12月8日。MOMOが誕生日を迎え、@onefiveは4人全員が16歳になった。

12月は、22日のオンラインライブ『Blue Winter2020』に向けてレッスンに集中する日々になっていたと思われるが、新しく始まったnoteマガジンの更新や、着用モデルのフォトが多数公開されて、相変わらずSNS上での@onefiveの動きは活発であった。着用モデルとしてはapres jour、pair pair、Kutir、Sculptorという異なった特徴を持つ4つのブランドに起用されていたため、様々な表情の4人のフォトが公開されるのも大きな楽しみだった。

12月22日。「まだ見ぬ世界」リリース記念イベントに続く@onefiveとして2回目のオンラインライブ、『Blue Winter2020』がおこなわれた。「Pinky Promise」と「まだ見ぬ世界」はダンスと生歌で演じられ、SOYOのピアノと4人の歌声による「メリクリ」(BoA)、1ショット長回しのダンスパフォーマンス「Snow White Castle」(辻村有記)など、@onefiveのライブアクトとしての実力と、彼女たちが目指す表現への志がはっきりと感じられる充実のライブであった(僕が書いたライブレポートも@onefiveのnoteに掲載されているのでそちらも読んで頂けると嬉しいです)。

ライブのMC中に、KANOが「TikTokを始めます」という宣言をしたその言葉通り、『Blue Winter2020』が終了したすぐ後にTikTokアカウントが開設され、12月23日には@onefiveとして初めての投稿がおこなわれた。

@official.onefive

私たち@onefive のTikTokが開設されました!今後の私たちのTikTokでの活動もお楽しみ下さい!@onefive #ワンファイブ #tiktok始めました #女子高生 #TikTokXmas

♬ まだ見ぬ世界 - @onefive

TikTokのアカウントが開設されたことにより、Youtube、Instagram、LINE、TikTokと、@onefiveはライブ配信が可能なプラットフォームを4つ持つ事となり、これがのちのメンバーそれぞれが異なるプラットフォームでソロ配信をおこなうことが可能となった(@onefiveのSNSの使い方は非常によく考えられていると個人的には思っていて、その辺りの僕なりの考察もこちらにまとめてありますので、宜しければ…)。

Twitterでの2020年最後の投稿も、@onefiveらしく「笑顔」という言葉を強調したものだった。こうして、想像もできないほどの社会的変化に見舞われた、@onefiveとして歩み始めた最初の1年は終わったのだった。

年が明けて2021年1月。年末から新型コロナウィルスの感染者が増加し続けていた状況を受けて、2度目となる緊急事態宣言が発令された。1月7日のことであった。@onefiveの活動は相変わらずSNSを中心に活発であり、TwitterやInstagramで新年の挨拶がポストされたが、noteのマガジンで年末年始の様子を詳しく報告をしてくれるメンバーもいた。ある程度のボリュームで文章を綴り、複数の写真とともに投稿されるnoteはいわば有料のブログのようなものであり、4人の感性や性格、表現方法の違いなども良く表れていて、オフの姿を見ることができる事も併せファンにとっては貴重で有難いメディアであった。

1月28日。3月にセカンドシングル『BBB』がリリースされること、先行配信としてタイトルトラックの「BBB」が2月10日に解禁されることが発表された。

着用モデルを務めるapres jourの洋服をまとった4人の姿は「雫」の大人っぽい装いから一変した印象を残し、アーティスト写真も同じ衣装で併せて更新された。未だ社会状況は一進一退を繰り返すという印象だったが、春が遠くないということを@onefiveが教えてくれたかのような報せであった。


2月4日、シングル盤『BBB』のジャケットヴィジュアルが公開された。4人で揃えたスカート、そしてSOYOが着用したトップスはapres jourと@onefiveとの ”コラボ商品” として販売された。

同じく4日には「BBB」MVのティザー映像も公開。メルヘンチックなイントロに8mmフィルムのレトロな感触が目を惹く可愛らしい映像であった。

2月10日0時に「BBB」の配信がスタートし、20時にはMVが公開された。そしてMVのプレミア公開に合わせて19時30分からはYoutubeのリモート生配信、「@onefiveの”MVにビビビッと来るまで3・2・1”」がおこなわれた。緊急事態宣言下で1月以降まだメンバー同士直接会えていないと明かされたり、apres jourでコーディネートした当日のファッションが紹介されたりしたが、12月から始めたTikTokの撮影についてメンバーがまだ慣れていないと語る場面もあり、興味深い。@onefiveのTikTokは、いわゆる”バズる”ことを目的とするだけではなく、自ら撮影し編集するという一つの「表現」の研磨の場として4人に与えられたものだと個人的には考えている。

2月14日のバレンタインデーには、4人がリモートでPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」を踊る動画や、SOYOによる手作りマフィンの動画などが公開された。

TikTokはInstagramのストーリーズとは異なる特徴を持っており、音楽付きの短い動画で伝えるという表現の手段が増えたことにより、@onefiveの発信の幅は間違いなく広がったと言えるだろう。

2月24日、「BBB」の世界観を反映したオリジナルグッズ、「BBBノート」が発売された。

同じく24日、「BBB」MVのメイキング映像が公開された。

更にはこの日、3月20日に名古屋・3月21日に大阪梅田、そして4月11日には渋谷のタワーレコードで、シングル『BBB』購入者限定のリリースイベントが開催されることが発表された。実現すれば2020年2月に赤坂BLITZでおこなわれたさくら学院のライブ以来、およそ1年ぶりに4人とファンが直接触れ合う機会となるイベント決定の報せはファンを歓喜させた。

一方、「BBB」の配信が開始されてからはラジオなどでのプロモーション活動のウェイトが増して行く。2月中旬以降、そして3月の前半はコメント出演も含めて積極的にラジオへのアプローチが続き、2月27日にはRKBラジオ『もちこみっ!』に4人全員でリモートで出演をした。


3月2日、シングル盤『BBB』の店着日に合わせて「BBB」のダンスバージョンのMVが公開された。

そして同じく2日、リリースを記念して翌日から4日間に渡り、4人のメンバーが異なるプラットフォームでソロで生配信をおこなうことが告知された。

4人が集まっての配信などが簡単ではないという状況であったが、生配信が可能なSNSアカウントを4つ持ったことによって当然アイデアは多彩になる。ソロの生配信はメンバー個々の経験値を上げるのと共にプラットフォームごとの視聴数や反応を知ることもでき、@onefiveチームにとって収穫の多い企画となったのではないかと思う。この時の配信は3月3日19時~がKANO(Instagram)、3月4日19時~がSOYO(TikTok)、3月5日20時~がMOMO(LINE LIVE)、3月6日20時~がGUMI(Youtube)という担当で、最終日のYoutubeの後半部分からは4人がリモートで揃って配信をおこなった。


3月はラジオは勿論のこと、他のメディアでの露出も続いた。『まだ見ぬ世界』リリース時に続くanan webの記事。

デビュー時から継続して@onefiveを取り上げている蜜柑通信。

更に、3月16日にはサイプレス上野と奥津マリリ(フィロソフィーのダンス)がMCを務めるYoutubeのライブプログラム『Wonder Wheel』に出演。グループとして初の番組出演で、トークとパフォーマンスを披露した。また、番組での出番終了後にはTalkportでCD購入者限定の特典会として、アフタートークと抽選でのネットサイン会もおこなわれた。

3月20日、21日。名古屋と大阪でそれぞれ『BBB』のリリースイベントが無事に開催された。

タワーレコード店内のイベントスペースで、実に1年1ヶ月ぶりに@onefiveはファンと顔を合わせ、トークと楽曲のパフォーマンスをおこなった。前所属グループであったさくら学院を卒業するまでおよそ1ヶ月というタイミングで全てのライブ、対面型のイベントが中止・延期を余儀なくされ、@onefiveとして正式にデビューした後もファンの姿を直接見る機会を持てずにいた(逆を言えばファンもまた@onefiveの姿を直接見る機会が無かった)4人にとって、このリリースイベントは小さな一歩であったが、それでも確かに、突然隔てられてしまった4人とファンとの距離が再び少しずつ近づいていることを実感させるものであっただろう。

難しい時期は未だに続き先行きは不透明なままだったが、彼女たちが一歩ずつ前進しようとしているのははっきりと分かったし、ファンにとっては、その一つ一つの地道な歩みと努力が必ず未来に実を結ぶはずだ、と希望を抱かせるような2021年の春であった。

(2022年5月15日)



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