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支援Sのススメ!? ――先生は〇〇と結婚しろ!――  その① 蒼月編

ご挨拶

結婚。

それはプレイヤーのモチベーションにも関わる、フォドラの未来まで動かしてしまう、とても重大なもの。

5章のイベントで登場する父親から託された指輪は、あらゆる運命を左右するのだ。

支援Sのシステムは「ファイアーエムブレム 覚醒」から、リメイクを除き伝統となっており、今作「ファイアーエムブレム 風花雪月」でも、主人公はアンナ以外のネームドの味方全員と、各ルート最終決戦の前で相手として未来を望む形で、エンディングにて支援Sの状態にになることが出来る。(アロイス、ギルベルトといった既婚者相手は流石に問題があるのか相手と結婚する旨のペアエンドにはならないが。)
年齢、性別、社会的地位。様々な立場の仲間達だが、支援Sになった主人公への愛情の大きさに差異はない。なので、◯◯は主人公を愛しているが☓☓はそうではない!などということは決して無い。皆それぞれに主人公のことを大切に思っている筈なのだ。そこを否定する予定はない。

では、それ以外、例えば主人公の社会的立場から見て相応しいかなどを基準に主人公の支援Sを考えて行くことも出来るのではないだろうか。
主人公がルートによってエンドが変わるように、相手がどのような道を選ぶかによって、主人公の道にも相手の色を反映するかのような差は出てくる。


本シリーズでは、この愛を基準としない主人公の支援Sについて考察していくこととする。

まず初めに、蒼月の章から見ていこう。
紅花の章以外の主人公のペアエンドは一見ほぼ同じなように見えるが、このルートのみ細かな内容が異なっているものが多い。

聖と俗の狭間

確定で王にはならないので影響力の範囲も王になった場合と異なる。

上で触れた通り、それぞれの人物と結婚した後のペアエンドでも銀雪/翠風とこの蒼月では文に多少の差異がある。
ファーガス神聖王国となったフォドラの統治はその国王であるディミトリが行っており、大司教は直接フォドラの統治をしている訳ではない。これからも、そして、今までだってそうだった
そう、今までだってそうだったのだが、「セイロス教が事実上のトップで、彼らの掲げる教義のせいで現状がある」と考える(誤認している)者も少なくはない。この辺りは登場人物によっても濃淡があり、意識差があるのは確か。しかもどちらかというと支配者階級の貴族側に多い。…かえって中央教会の影響力が薄い帝国や王国西部でその考えが顕著なので何とも言えない顔にはなってはしまうのだが。

疎遠なのも駄目な訳だが依存しすぎなのも問題だよね。

本来、教団の治安維持の役割はいわゆる非常用電源のようなポジションであった筈である。普段はそれぞれの国が問題を対処するが、そこでも間に合わない場合のみ動くといった感じだろうか。普段から仕事をしていないという訳ではなく、セイロス聖教会のお膝元は聖教会の領分な為当然彼らが直接派遣されるだろう。
しかし、本編第一部時点では各国の機能がかなり鈍ってしまっている。ゴーティエ家の遺産の件と帝国ルミール村の事件はは本来ならその国が対処すべき問題であって、教団に迷惑をかけるべきではない話である。ルミール村の後の手伝いも聖教会主導で行われていることがドロテアの口からも語られている。マグドレドの反乱鎮圧も、狙われていたのは中央教会とはいえ、本来なら王国が対処すべき問題だった筈だ。最初から対処するつもりは無かったであろう帝国も勿論問題なのだが、王国も「正式な継承者が王位に就きさえすれば全て解決するだろう」という姿勢で解決を教団に投げている状態だったことについては問題があったと言えるのではないだろうか。
この親密になっているというにはどこか依存しすぎていた国の体質を是正する必要がある。再度空位の期間が発生した場合の国の体質が第一部と同様なままでは問題なのだ。実際本編第一部でも9年間立て直せていない状態で国家分断に手を回されていたのだから。
もし、教団とは別の組織としてファーガス神聖王国を運営していく場合は依存から脱却した上での親密な関係性を早急に築いていくべきだろう。


国王ディミトリの結婚相手の選定について、プレイヤー目線から見ても骨が折れるだろうと思う。後ろ向きになりがち、無理をしがちな彼を支え、王国民のために貢献できるスペックの高い女性が要求される筈だからだ。(なお、彼が男性とペアエンドになった場合はその男性と結婚はせずモブ王妃がいる)こちらも相応しい相手をしっかりと考えてあげたい。

まあトップ同士だし、別に組織統合しちゃうのも全然ありなのではないか。

尤も、国王と大司教は異なる組織を率いる代表同士。他にフォドラ内に国も残っていないし、対等な立場であるファーガス神聖王国の国王であるディミトリを伴侶に選ぶのはさほど問題ではないかもしれない。

だが、これがディミトリではなく彼の臣下である貴族たちの場合はそう言ってもいられない。
まず、彼の臣下が臣下であることを保った状態で教団のトップである大司教の伴侶となってしまうと、どうしても周囲がその配偶者と国王の上下関係を意識せざるを得なくなる。これでは実質的に大司教が王の目下になってしまい、せっかく目指せるであろう対等な関係が崩れてしまうだろう。
逆に、セイロス聖教会という大きな権威を一貴族が取り込んでしまう原因を作りかねない危険性の方も考慮すべきだろう。貴族社会におけるブレーダッド家一強の体制を揺るがす遠因になる可能性も考慮しなければならない。これは、元帝国・元同盟の貴族のみならず、現在ブレーダッド家と親密な家にも同じことが言える。関係性も互いの心掛けが崩れてしまえば永遠はない。


西方教会の対処に対し、全ルートで処遇が厳しい呼ばわりされるが、これまでの貴族社会のやらかしへの処遇が甘すぎるだけとも言える。

この中心と異なる者達がその地位に見合わない権力を持つ問題はセイロス聖教会でも起きている。かつて存在した南方教会は、帝国の内乱に関与し消滅、この一件の皇帝の動きも中央教会の了承を得たのかわからない状態である。西方教会も闇に蠢く者が入り込んで本編でも多数の問題を生んでおり、残る東方教会も力を付ければ付け上がり中央教会の意に沿わない動きをするのは目に見えている、といった状態なのだ。教団の組織についての見直しは急務ではある。フォドラが統一されたことにより、地方の分派が必要なくなり、中央教会のみの体制に移行しやすくなったのは言うまでもないのが幸いだ。


レアもずっと大司教の位にいた訳ではないこともこの会話で伺える。男主人公が大司教になることについて特に驚かれないことから、男性の大司教も過去にはいたのだろう。

大司教の地位は、これまでの各国の貴族の役職と違い世襲制ではないのだが、新しい大司教である主人公が子供に継がせてしまえば、世襲制に変化していくこともありうる。

参考に教団の重鎮であるセテスのペアエンドの話もしておこう。
彼がペアエンド可能な人物のうち、伴侶として結ばれていることが明言されている者達は皆元々が平民か、貴族社会での地位を放棄した者ばかりである。
ペアエンド可能な人物のうちイングリットのみが蒼月限定なのは、他のルートのようにガラテア領主として貴族社会の一員に留まる進路を取った彼女との婚姻関係になることがセテスの立場上よろしくない事であるというのも原因の一つとしてある。

 

どちらにせよ、軽率に貴族社会に身を置く子息と結婚すべきではない。大司教という立場を考え、それに相応しい動きをしていきたいものである。

一例

俗(貴族社会活動)と聖(聖教会活動)を分離した出来た嫁さん。

という訳で、貴族社会に見を置かない者との結婚という例に当てはまるペアエンドの一つを見ていこう。
まずこのリシテアが偉いのは、俗世に対する禊を完全に済ませている点にある。
領地も無くなり、父親も爵位返上で貴族社会に席は無い。
周囲から見れば彼女は貴族社会を棄て、大司教婦人としての立場を取った形になるのだ。上で述べたように、貴族社会に所属したままセイロス聖教会のトップと配偶者関係になるのは後々面倒なことになるので、その心配がないことはとても有難いと言える。(当然元から平民の者と結婚するのであればこの心配ははじめから必要ないが)
更に、教団の再建に携わった記述もある。実は半壊状態になってしまったセイロス聖教会の組織のメス入れに関わったことを書かれた相手は意外と少ない。更には彼女と主人公の間には子が生まれていることもわかるが、翠風・銀雪のペアエンドと違い、子に地位を継がせた記述も無い。セイロス聖教会の聖職者になったのか、それともそこに暮らす一平民だったのかは不明だが、賑やかに過ごしたことは間違いないようだ。
以上の点でも、新時代の大司教の伴侶としての最適解の部分にかなり近い相手と言えるのではないだろうか。
(結婚に至るまでの本人も、なまじ級長との生い立ちに共通点もないものだから共感意識に浸る隙間もないのもあってか、このルートでは終始正論を言っていた記憶がある。その冷静さも心強い。)

おまけにリシテアが抱える大きな問題である、彼女寿命についても解決が出来ている。詳細はよくわからない(このルートでは女神パワーが健在な為それ由来と言われることも多い)ものの、このお陰で「大司教の起こした奇跡」なんて教団の権威付けにこれが一役買うという見方もまた出来なくもないのが面白い。


纏め(蒼月)

教団以外に立場を持つ貴族との結婚は極力避けたい。なるべく平民か、地位を捨てた者を選ぼう。


次回に早速詫びることになるのだが、全体的にこのような論調で進むことになることをご了承頂きたい。

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