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支援Sのススメ!? ――先生は〇〇と結婚しろ!――  その④ 翠風編

自由ではあるけど一番新しい秩序(ルール)どうするかの話をしてくる級長と一緒

4つ目のルート

さて、ここまで3つのルートの支援Sへの適正について論じてきた。遂に最後のルートである翠風の章について見ていく時間がやってきたようだ。
翠風の章では、闇に蠢く者などの問題はほぼシナリオ中で片付いているのが特徴である。

たまにぽっと出呼ばわりされるのを見るこの人だけれど、このルートで最後に倒すべき相手としてこれほど相応しい相手はいないぞ。後述。


なので、後日談を活用して解決しなければならない問題点は少ない為に、後日談で闇に蠢く者の討滅が必要な紅花の章のようなベレトス先生本人の立ち回りの制約は比較的なく、立ち位置もフォドラの民を政治で導いていくフォドラ王ということもあり、王とは対等かつ貴族社会から距離を置く形を取る蒼月の章のような相手に対する制約も少ない。(この2つも以前語ったようにこの条件さえ満たせる組合せであれば支障はない)
更に、銀雪の章と共通してこのルートでは既存の国家も全て消滅し、このフォドラのルールのうち、各国家にしか存在していなかった国独自の(余計な)ルールというものは新国家の誕生と共に消滅していると考えられる。
(実際、エピローグでも「全ての秩序が白紙に戻」ったことが語られている。)
この翠風の章こそが伴侶選びにおいては最も自由なルートと言える。
誰を選んだかで国の未来も少しずつ変わっていくだろう。

級長のクロードも相手役として全く問題はなく、更に言うと有力候補。ただし、他の支援S可能な人物もこのルートでは余程のことがない限り選外になることはない為、倍率はその分高いと言えるのかも。

尤も、このルートではレアと支援Sを結ぶことは出来ず、更には世を去ってしまっていることが教会勢との支援S等で触れられている。
(支援S相手としての彼女の優位性については前回③を参照)


これは更に詳しい情報をレア本人から聞き出せることはもう出来ないということではある訳だ。(尤も、翠風で得た情報量を追い越せそうなのも同じくシャンバラまでの道筋を辿っている銀雪くらいではあるのだが)
このルートの相手選びという点での自由さは、フォドラの世界を俗世に近い場所でずっと見てきたレアという最も有益になりうる相手を喪った上での自由さであることは忘れないようにしていきたい。

ちなみに紋章関係はというと、その成り立ちはこのルートでは恐らく公表されてしまっており、戦時に領民を守らず紋章だけで胡座をかいていた貴族は没落の一方だろう。
銀雪共々、旧他国の貴族は結構な数の人間が戦死していそうなので、余計に「どういう人間が領主になるか」の見直しは進みそうだ。

統一前の時点で上下関係がやや緩く生徒同士が平等な立場にいるのもこのルートらしい。
身分というより政治に興味ある奴が貴族(政治家)やってるルートという感じ。

味方側を見ても、政治に適正がない親を持っていたり政治に興味を持っていないような貴族出身の人物は、後日談において貴族の権利を放棄しているものが多い。

ラスボスがあいつだったワケ

さて、ネメシスのキャプションに書いた後述のパートである。何故彼だったかを説明しよう。
翠風の章における後半の流れは、「①戦争を仕掛けてきた帝国を倒す(ついでに王国も自滅している)→②フォドラの裏で暗躍していた元凶である『闇に蠢く者』を滅ぼす→③蘇ったネメシス達を倒す」
という流れである。

①については今を脅かす、負けてしまえばそちらに屈さざるを得なくなってしまう、最初に対処せねばならない脅威であり、新しくフォドラを生まれ変わらせるにおいても残っていると厄介なものでもある。
②はこれまでの歪みのそもそもの原因であり、見つけ次第早急に滅ぼさなければそれ以降も悪影響を及ぼし続けるものである。
③はというと、「ここまでのフォドラ人のやらかしの清算」の意味を持っている。ここまでのフォドラの社会の歪みは闇に蠢く者にフォドラ人の盗賊であるネメシスが乗ったことから始まったのだ。眷属が引き続き統治するのが正統と思われる銀雪の章と違い、レア亡き後にフォドラ人が自分達で統治していく上ではこの清算を避けることが出来ない。その為、翠風の章ではネメシスがラスボスでなければならなかったのである。


ここの会話はとても重要。
実際は光の杭は闇に蠢く者の犯行だが、真実を知らない地元の人によって女神のせいにされてしまっている。

書庫を見てもわかる通り、中央教会で示されている「セイロス教の教義」というものはあまり多くはなさそうで、道徳面に訴えるものばかりが並ぶ。
ただし、超常現象について口を噤んでいたのが災いし、その下の地方教会(本編で語られるセイロス教の非なるものの9割方は実際こいつらのせい)やその地域で暮らす市民によって勝手に女神の仕業にされてしまっていた。

フォドラの裏事情についてようやく人間が知る気になったというか、眷属の事情に歩み寄れるようになったというか。

4つのルートとフォドラ人

眷属との関わり方について他のルートとも比較していこう。
紅花の章は戦争を境に眷属との交流が断絶。蒼月の章は十傑の子孫が国を統治する都合上、その統治が大きく揺らぐ格好の原因となりうる紋章石や英雄の遺産の真相を打ち明けることは無いのではないだろうか。

上から紅花、銀雪、蒼月、翠風の順。

これは4つ全てのルートのエピローグに登場する歴史画である。注目して欲しいのは英雄の遺産や紋章石改造武器の描かれ方についてである。
紅花の章は中心部で振り上げられている剥き出しのアイムールが文字通りの「武力としての紋章」として描かれてており、
蒼月の章は中にアラドヴァルを入れたブレーダッドの紋章の描かれているカバーが、武力ではなく「権威の象徴としての紋章」として描かれている。
(紋章が必要とされてきたことについての意味する所が帝国/王国でそれぞれの戦前の状態と逆転しているのは興味深い。)
そして、残る銀雪の章と翠風の章は天帝の剣もフェイルノートもどこにも描かれていないのが見てとれる。

長い目で見てきた立場からより正確に歪みを正せるのが銀雪なら、翠風は歪みを生み出していた人間サイドが真実を知ったことで一皮剥けて、自分達で是正していくようになるルートと言えるのだ。
(筆者個人としては、このルートはエンディングを迎えてからは一度も英雄の遺産が振るわれるような世の中にはなって欲しくないと思う。武器の形からばらして聖墓に返すとか。)


一例?

無し。
プレイヤーそれぞれの心に従うといい。そこから各味方のペアエンドで幸せにフォドラを発展させ、全体を更により良いものにしていこう。

まとめ

紋章の成り立ちをみんなが知った上で
こういうこと言い合えるような世界になればいいのにね


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