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23年目の浮気がしたい


昨日で三年目。

寒くなってきた。
冬は夏ほど嫌いじゃないけど、
年々寒さ対策は重装備になっていく。
歳を取ると気温にも弱くなるのだろうか。

11月の仕事の稼働日もあと2日。

あと2日?
嘘でしょ?

2020年も12月になる。
年々時間の進む速さに驚くけど、
いつもタモリさんが言っていた言葉を思い出す。

「年齢を重ねると、1つの作業に掛けている時間が掛かってしまう。
だから時間があっという間に過ぎるのだ」

加齢とはそういう事だ。
時間が掛かる分だけ、もうちょい丁寧に仕事をしなさいね。
なんて自分に言い聞かせる。
へいへい。

朝、Instagramを開いて気づいた。

私が20年以上追いかけている、
弟子で兄弟の漫才師が福岡に移籍して
2年が経っていたのだった。

兄弟を知ったころ、
私はまだ大学生。

当時アルバイトで舞台照明の設置をしていた私は、
大阪の有名な女性漫才師の弟子をしていた2人を
たまたま吉本の1番大きな劇場で見掛けた。

それから東京に戻り、
銀座の7丁目のゴングショーみたいなライブで
偶然また観る事になるのだ。

新宿に常設の劇場が出来て、
通常公演の面子に選ばれてからは、
小規模な東京の劇場やライブハウスのオールナイトライブ、
先輩のライブに呼ばれたり、
ユニットに入れられたり。

幾つも新しい劇場が出来たり。
賞レースがあったり。

劇場がなくなったり。
何組もの後輩が解散したり、芸人を辞めたり。

師匠が亡くなったり。

兄弟の活動の隙間に私の生活があって、
私自身も行間を埋めつくして尚余りうる時間があった。

22年。
2人を見続けて23年目。

世の中は何度も様変わりをして、
物理的にも世俗的にも、
今年は兄弟を見れる機会を無くしてしまっていた。

正直辛かった。
どんなに配信等で画面越しで姿を見られたとしても。

移籍が決まったあの日、
泣きながら神保町から歩いて帰った。

ずっとイヤホンからリピートで、
星野源のFamilysongが流れていた。

微笑みが1日でも多く、
側にありますように
涙の味は
次のあなたへの
橋になりますように
遠い場所も繋がっていくよ


今年はもう完全に生の兄弟の漫才は
見れないと思っていたが、
どうやら2020年の見納めができそうで
有難いの事だ。

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