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不備対応はお早めに。

持続化補助金の再申請から二か月後。
平日の真昼間にパパが突然、友人のお店へやってきた。

パパ:営業時間にすまん。
友人:なんだよ。どうしても見せたいものがあって。
パパ:じゃーん。
友人:なにそれ。
パパ:持続化補助金の採択通知書だよ。
友人:まじかよ。ほとんど諦めてたわ。
パパ:お前のハンバーグにかける熱意が伝わったんだよ!
友人:真空包装機買えるの?
パパ:買える買える。
友人:じゃあ早速、注文しよう(スマホを取り出す)。
パパ:いや、ちょっと待て!
友人:なんだよ、採択されたんだろ?
パパ:来たのは採択通知書であって、交付決定通知書はまだなんだ。
友人:なにそれ?

挿絵_1

〇採択と交付

審査の結果、採択が決定されると、補助金事務局から採択者に対し、「採択通知書」が通知されます。その後、補助金の交付(支払い)対象としての事業の実施を正式に認める「補助金交付決定通知書」が通知されます。
(小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠> 公募要領 第15版)

パパ:採択されたからといって、申請した経費がすべて認められるわけじゃない。正式にいくらもらえるかは、交付決定を待たないと分からないんだ。
友人:よくわからんけど、その、交付決定? はいつ出るんだ?
パパ:普通は採択発表と同時に出るんだが、今回は書類に不備が出てしまっているらしい。
友人:不備? どんな?
パパ:「申請内容から利用用途が明確に読み取れない」ときている。どうやら「大型厨房機器×一式」って書いたのが良くなかったようだ。
友人:……それの何が良くないんだ?
パパ:「一式」という書き方が曖昧、ってことらしい。一式40万円の中に、搬入設置費5万円が含まれているから、そこもちゃんと項目分けして書かないといけなかったみたいだ。
友人:細かいな。
パパ:少しでも曖昧なところがあると突かれる。経費欄は、可能な限り具体的に書いた方が後々面倒なことになりづらいってことだな。

挿絵_2

〇交付前に事業を始めるのはNG

補助金交付決定通知書の受領後でなければ、補助事業に着手することはできません(経費の発注・契約・支出行為等)。

友人:でも、採択されることは決まってるんだろ? 先に買ってしまってもよくないか?
パパ:いや、だめだ。経費の発注・契約・支出行為が、「補助金交付決定通知書」受領以降でない場合は、対象経費に係る補助金の交付を受けることができない。公募要項にハッキリと書かれている。
友人:じゃあ、見積を取るだけならいいか? 
パパ:うーん、ギリギリのラインだけど……やっぱり、見積書の日付が交付決定前のものだと、あまりよろしくないと思う。
友人:まじかよ。

挿絵_3

〇不備対応はなるべく早くしよう

パパ:修正したものを事務局に出すから、今日はサインをもらいに来たんだ。
友人:それにしても、平日の真昼間に来ることはないんじゃないか? 何をそんなに焦ってるんだよ。
パパ:そりゃ焦るよ! 補助事業は、交付決定日以降から始めて、10月31日までに完了しないといけない。交付決定が遅れれば、それだけお金を使える期間が短くなるってことなんだから。
友人:交付決定はいつくらいに出るんだ。
パパ:不備対応を提出してからだいたい二、三週間は待つ必要がある。
友人:そんなに待たされるのかよ。
パパ:今回、俺たちの申請は真空包装機の購入だけだから、まあ間に合うとは思うけど。例えばホームページの制作とか、成果物ができるまである程度の時間を要するものだと、期間の短縮は命取りになる。
友人:なんとかしてくれよ。
パパ:文句は事務局に行ってくれ。とにかく、俺はなるはやで不備対応をやるから、お前は購入にかかわること以外の準備を始めててくれ。
友人:準備ってなにするんだよ。
パパ:……レシピ作りとか。
友人:レシピなんてとっくに完成してるよ!

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