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2023年3月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

今月は2月と比べると出る本数、規模ともにちょっと減少気味ですね。次は5月あたりが激戦場になると思われます。私自身も現時点でこれは購入確定というものはまだありません。発売後の評判や動きなどを眺めつつ見繕っていこうかなと思います。

Phantom Brigade

  • 2月28日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー

  • 日本語あり

  • 体験版あり

日本からだと1日発売になっていますが本来は2月28日リリースで、この記事の対象である3月からは外れているのですが先月時点では発売日が未発表でピックアップ対象から漏れたのと、既に結構たくさんプレイしてきた贔屓の作品なので3月分に含めてしまいました。元々2020年11月よりEpic Games Storeで早期アクセスが行われており、約2年経ってSteamに登場、同時に正式リリースとなります。

隣国の侵略により全国土が占領下に置かれた国で、レジスタンスとして戦闘用人型ロボットの部隊を指揮して祖国開放のために戦っていくゲームです。ゲームは全体マップ上で自軍の拠点となる移動式基地を移動させたり、ロボットの装備をカスタマイズしたりする戦略パートと、最大4機までのロボットを派遣して敵部隊と交戦する戦術パートからなります。

戦術パートの特徴としては、自軍のロボットには5秒先を予測する機械が搭載されていて敵の動きは完全に見えており基本的に予測が外れることはありません(ユニット同士が衝突したり、足が破壊されて移動能力が大きく低下して位置がずれたりということはあります)。
敵の移動経路はもちろん敵のどのユニットがどのタイミングで、どの味方に対して攻撃するかもわかるため、それを活用して敵が攻撃してくる間は山やビルの陰に身を隠し、攻撃が止むと同時にそこから飛び出して反撃を浴びせたりということが可能になります。

戦略パートではロボットのカスタマイズが行なえます。変更可能なのは上半身、下半身、右腕、右武装、左腕、左武装の6箇所で、それにより耐久力、機動力、攻撃方法、最適な交戦距離などが変わってきます。
パーツはランダムに生成されますがいわゆるDiabloライクのようなゲームほどの多種多様さはなく基本的な能力はタイプ、レベルで決まり、そこにレアリティが高くなると一部の能力が強化される補正効果が追加されます。武器はアサルトライフル、ショットガン、ミサイル、ビームなど大分類が十種類前後あり、その中にさらに短時間で高火力を叩き出せるものの発熱が激しいもの、長い斉射を浴びせるもの、1発撃つだけで終わりでその後すぐに回避行動に移れるもの…などといった小分類がそれぞれ数種類用意されています。

レアリティの高いパーツには最適射程の増大などの特性が追加されます。

特に戦術パートに独特の魅力がありよくできたゲームですがいくつか難点もあります。
まず予め用意されたミッションは導入部と最終目標である首都解放戦しかなく、あとはずっとフリー戦闘、その地域の警戒度に応じた戦力の範囲内で構成されたランダムな敵部隊との戦いが続きます。地域ごとの差、例えばここは開けた地形が多く長射程の武器が使いやすい、寒冷な地域なので武器の発射による発熱をあまり気にしなくて良いといったようなものも特に感じられませんでした。特に中盤は繰り返し感が強く中だるみしやすいかもしれません。また戦闘に限らずストーリー要素はほぼなく、途中で迷子の犬を拾った、近くの村が襲われているなどの小さいイベントが起こる程度です。
パイロットは名前と顔は自由にカスタマイズできますが今のところ能力差やスキルといったゲーム内容に影響を及ぼす個性はありません。あと早期アクセス中にパイロットの顔画像の3D化が行われたため、それまで自由にできていた自由に顔画像を差し替えることも不可能となってしまいました。
ロボットのカスタマイズについても、序盤はレベルが上がるにつれてより高いレアリティのパーツや新たな種類の武器が登場するものの、全て出揃ってしまうとあとはパーツなら耐久力、武器なら1発あたりの威力の数字が大きくなっていくだけで、こちらもまた中盤以降は代わり映えがしなくなります。なので延々フリー戦闘が楽しめる人でなければ最後までプレイするのは少し厳しいかも知れません…。とはいえ価格分は十分に楽しめるゲームであるとも思います。

ロボットの塗装もカスタマイズ可能です。
上半身なら頭、胴体上部、胴体下部それぞれに設定できます。

Masterplan Tycoon

  • 3月9日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (街づくり/物流パズル)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

一般的な街づくりゲーム、コロニービルダーでは資源を集め、それを施設で住民が必要とする物資へと加工していきます。時に木材→板→家具のように複数の加工工程を経ていくものもあります。資源採取から加工といった一連の流れは生産チェーン(Production Chain)と呼ばれます。
このゲームはその工程を抽象化しチャート図(ER図)のように描画していくことでそれを実現していくゲームです。

例えばまず伐採キャンプをマップ上の木の近くに設置し、その隣に製材所を作ります。伐採キャンプと製材所の「Tree」をドラッグ&ドロップで結合すると伐採キャンプで切り出された木が製材所で板に加工されます。その後製材所の「Plank」を倉庫の「Any」にドラッグ&ドロップすると加工された板は倉庫に収納され、その後の建設で消費される材料となります。

建物の箱と流通の線が重なると流通は停止します(線同士の交錯はOK)。
一度設置した建物はドラッグ&ドロップで自由に再配置が可能です。
体験版の最終段階

体験版だと最終的にこのくらいの複雑さとなります。途中でそのマップ内では原料が取れない煉瓦生産が必要になりますが、これは元々マップ上に配置されたミッションと呼ばれる別マップで独立した生産チェーンを完成させることでメインマップに煉瓦を産出してくれる特別な箱が出来上がります。

見ての通りゲームは簡略化されたチャート図を見ながら進行するため建物の姿やそこで働く人々の動作を見ることはできません。それも街づくりゲームの魅力の1つと言えますが、それを求める人には全く向かないでしょう。逆に景観はどうでもいい、うまく動作する仕組みを作るところが好きなんだという人には悪くない選択肢と言えるかもしれません。

問題はこのゲームの奥行きがどこまであるかです。単に予め用意された手順をこなしていくだけのゲームであれば1回クリアしたら終わりでしょう。もしそこに様々な環境や目標が用意されたシナリオのようなものが複数用意されていればそこそこ長く遊べるゲームになるかもしれません。そのどちらなのかは蓋を開けてみるまではわかりませんが、価格が判断材料になるかもしれません。1000~1500円程度であれば前者、2000円以上であれば後者と見て良いのではないかと思いますが特に根拠はありません。

Big Ambitions

  • 3月11日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ストラテジー (企業経営)

  • 日本語なし(?)

去年6月のSteam Next Festに体験版が出ており、その後公式サイトでは既に販売されていたゲームです。Steamのストアページの言語欄では日本語はなしとなっていますが、先に販売された版は日本語が入っていたらしいです。

ゲームの内容としてはほぼ資産なしの状態でニューヨークへやってきた主人公が最初はスーパーの店員として働き、後に叔父の援助を受けながら自分の店を持って様々な商品を販売、そこから得た収益で新たな店をオープンしどんどん事業を拡大していくというゲームです。

ジャンルはストラテジーですがゲーム内にはプレイヤーの分身となるキャラがいて、街や店の中を移動し、カウンターで商品を購入して車に積み込んで自分の店まで運ぶ必要があります。最初はそうして手作業で仕事を進めていくわけですが面倒ですし、複数の店を運営する段階になるととても1人では作業が追いつきません。そこで従業員を雇い、毎日の仕入れを設定するなどして自動化を進めていく必要が出てきます。

懸念点としてはこの手のビジネスものにありがちなのですが、結局ゲームの進展は金を稼ぐことだけなので、資産が大抵のものは簡単に買える段階になってしまうともうやり尽くした感が出てしまうのではないかということですね。これも複数のシナリオが用意されていたら繰り返し遊べそうな気もしますが現時点での説明を読む限りではなさげな気がします。

Forklift Extreme: Deluxe Edition

  • 3月16日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: シミュレーター(乗り物運転)

  • 日本語あり

倉庫の中でフォークリフトを運転して目標物を落とさず、障害物にぶつけたりせずにゴールまで運ぶ面クリア型のアクションパズルです。運転する際は俯瞰視点以外に運転席からの主観視点も選べるみたいですね。
21年にモバイル版が、その後22年に家庭用ゲーム機版が出ており、これはそれにいくつかのDLCがセットになったデラックス版としてPCに移植されたということのようです。

Storyteller

  • 3月24日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: パズル

  • 日本語あり

漫画のような複数のコマからなる物語に背景や人物などを配置して、指定されたお題の物語となるように完成させていくというユニークな面クリア型のパズルです。配置はかなり自由度があり、例えば男性をそのまま登場人物として出すこともできれば、まず墓を配置してその上に男性を配置することで「男性の墓」を登場させ、その前に女性を配置して「死んだ恋人を思い悲嘆にくれる女性」の場面を作り出したりもできるようです。

気になる点としては正解パターンがどの程度豊富に用意されているかですね。さすがにAI搭載でお題にあっているか動的に判断…というわけにはいかないでしょうが元々用意された2、3の正答例通りに並べないとクリアにならないとしたらちょっと残念と言えるでしょう。

Death Roads: Tournament

  • 3月28日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (デッキ構築)

  • 日本語なし

平たく言うとSlay the Spireの車版です。プレイヤーは戦闘もありの危険なレースの参加者として、襲撃者の攻撃を撃退しながら他のライバルたちと競い合い、ゴールを目指します。

基本的な流れとしてはお馴染みのネットワーク図状のマップから次の目的地を選んで先に進み、そこで戦闘や車の強化といったイベントを処理してまた次の目的地へと進んでいきます。

戦闘時は毎ターン、構築済みのデッキから配られた手札を使って移動や攻撃を行っていきます。このゲームならではの部分としてはプレイヤーキャラが車ということもあり、ギアの切り替えによる変速と走行の安定性という要素があります。

プレイヤーと敵の車は特殊なカードを使用してギアを1(低速)から5(高速)までの間で切り替えていくことができます。そして多くの行動カードはギアが高いほど大きな効果を発揮します。しかし当然デメリットもあります。
車には耐久度の他に走行安定度というパラメータがあり、これは敵の攻撃を受けると減っていきますが0になるとSkid(横滑り)状態となり車がふらつきます。具体的には通常のデッキとは別に用意されたSkidデッキというのがあり、ここからギアの数だけカードを引いて、そこで出たカードの種類に応じて前後左右に動いたり、変速したりします。このゲームは各カード攻撃範囲が決まっていて敵との位置関係を適切な状態に保つことが重要なのですが、それが横滑りにより崩れたり、場外に押し出されてダメージを受けたりするわけですね。

お馴染み強化要素ももちろんあり、新たな武器を獲得したり、耐久力や走行安定性を強化したり、新たなカードをデッキに加えたりというのももちろん用意されていますし、StS系ゲームでいうところのクラスに相当する、いくつかの車の種類も用意されています。

難点としては車ならではの戦闘をうまく表現できている一方で、他の類似のゲームと比べて直接攻撃できる機会が限られていて1戦闘が長くなりがちな点でしょうかね。それもあって体験版(現在は公開停止中)を触った範囲では1プレイが結構長くなりそうな点が気になりました。このあたりは製品版を触ってみないとなんとも言えないところではありますが…。

Terra Nil

  • 3月29日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: パズル (地形改造)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

様々な装置を使って荒れ果てた大地を豊かな自然へと再生させていくパズルゲームです。最初の体験版が公開されたのは随分前のことなのですが、それを見てパブリッシャーが「これは有望そうだぞ!」と注目したのかその後かなり長いこと開発が続けられ、当初は質素だった見た目も大分リッチなものに進化しています。たまに経営ものとして紹介されてたりもするのですがほぼ純粋なパズルです。ゲーム内容は多少違いますがDorfromatikみたいなゲームというとイメージしやすいかもしれません。

プレイヤーがマップ内に設置できる各装置には
「隣接する溝に水を流し、水に隣接したマスは草原に変わる」
「範囲内の草原を森に変える」
という風に効果範囲、効果対象タイルなどが設定されています。手持ちの資源でそれら装置を購入してマップ内に配置していくことで荒れ地を再生させ、それにより追加の資源を獲得できます。資源を使い果たす前に設定された目標(マップの8割を緑化など)を達成できれば勝利、次の面へ…という流れです。

だいぶ注目度の高いゲームですが結構癖はあるので、購入前に体験版をプレイされることをお勧めします。細かな数値の管理、最適効率の追求といったことが可能な、いわゆるゲームゲームしたゲームを求めている人にはちょっと物足りなく感じられるかもしれません。

Ravenbound

  • 3月30日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: 3人称視点アクション (ローグライト)

  • 日本語あり

近接戦闘メインのローグライトのアクションゲームです。このタイプのゲームはランダム生成された複数の部屋からなるインドアのダンジョンを舞台となっていることが多いのですが、このゲームではシームレスなオープンワールドを冒険するというのが特徴の1つとなっています。

ただやることは同種のローグライトアクションと同じで、マップ内に点在する敵拠点などを訪れそこで待ち構える敵を倒しては新たな装備やアビリティを獲得、それで自キャラを強化してより高難易度の敵拠点へと向かうという流れとなります。ローグライトなので死んだらキャラ消滅、その回で拾ったアイテムなどは失われますが繰り返しプレイすることにより、次回の冒険で新たなクラスが開放されたり新たな装備やアビリティが登場したりというアンロック方式のようです。HP増加などの永続的な強化があるのかはよくわかりません。

実はこのゲーム、興味はあって2023年2月のSteam Next Festで体験版をダウンロードしておいたものの、他の体験版をプレイしているうちにイベントが終わって体験版もプレイ不能になってしまったんですよね。なのでこの記事で紹介している他のゲームほど内容についてはよくわかってません。ただスカンジナビアの神話をモチーフとして作られた世界は美しく、またアクション部分もなかなか手堅い作りのようで、一般受けしそうなゲームではないかと感じました。

The Great War: Western Front

  • 3月30日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (戦略、ウォーゲーム)

  • 日本語なし

FPSではいくつあるんですがRTSとしては珍しい、第1次世界大戦を描いた作品です。開発元のPetroglyph GamesはCommand and Conquerシリーズの開発元であったWestwood Studiosの元従業員が多数所属する、実質的な後継会社とも言える会社でCommand and Conquerの後も多くの名作/良作RTSを産み出しています。

プレイヤーはイギリス、フランスなどの連合(協商)国、またはドイツなどの同盟国の最高司令官としてフランス、ベルギーなどを含む西部戦線での戦いの総指揮をとります。戦略マップで新たな技術を研究したり、新たな部隊を編成して両軍の部隊がにらみ合う戦線へと投入、敵の攻撃に備えたり、逆にこちらから攻撃をかけたりすることができます。一応両陣営にはそれぞれ本拠地(連合国はパリ、同盟国はクロイツナハ)がありそこを陥落させると勝利なのですが、基本的には敵軍に兵士の損害を強いることで戦意を減少、枯渇させて勝つことがメインらしいです。なので戦闘で既に有利でさらにもうひと押しすれば敵を全滅させることも可能、しかしこちらの損害も大きくなってしまう…という状況で敢えて攻撃を思い留まるといった選択が必要になることもあるようですね。

2023年2月のSteam Next Festで体験版がプレイできたのですが、戦闘パートは第1次世界大戦ならではの戦い方がうまく表現されていると思いました。このパートでは途中でユニットの生産はできないのですが、戦闘に参加する全ての戦力を一度に投入することはできず、配置済の部隊が消耗したら撤退させて別の部隊を投入していくことになります。
戦闘が開始されると両軍はそれぞれ自軍の陣地に塹壕や機関銃、砲兵陣地などを設置し、そこに総戦力の2割ほどの歩兵、砲兵を配置していきます。これらの陣地は戦闘終了後も残り、次に同じ場所で戦闘が起きると前回設置された塹壕は(破壊されたり占領されたりしていなければ)再利用できます。

そして両軍は互いの陣地を陥落させるために攻撃をかけていくのですが、この時代の戦いは塹壕に籠もる守備側が圧倒的に有利、このゲームでもそれが再現されていて無闇に攻撃をかけると防衛側の消耗はほぼなし、攻撃側の部隊は一瞬で蒸発…となります。そこで砲兵によって塹壕前に煙幕を張って射線を遮ったり、あるいはより直接的に塹壕に砲撃を行って敵の反撃を封じておいて、その間に塹壕に接近して切り込み攻撃をかけるといった戦術が必要となります。各陣営の設置した塹壕はつながっているため、1箇所占拠に成功すればあとはそこから隣接する塹壕へと比較的安全に追撃していくことが可能です。よって最初の攻撃が非常に重要で、そこでは砲撃と歩兵による突撃の連携が非常に重要になるというか、ほぼ全てみたいなゲームです。

第1次世界大戦の戦い方がよく表現されている点はこのゲームの魅力でもありますが、同時に人を選ぶ点とも言えるでしょう。普通のRTSに見られるような多種多様なユニットは存在しません。敵を全滅させて大勝利!ということも基本的にはありません。ごく限られた種類のユニットを使い、いかに自軍の損害を押さえつつ敵に大損害を強いるかという戦いになります。そこをきちんと意識せず「第一次大戦のRTS?へぇ、珍しいな、ちょっとやってみるか」程度だとのっけから思い切り打ちのめされることになるでしょう。購入される方は、このゲームならではの戦い方を学ばなければ過去のRTSのプレイ経験は全く役に立たない、それは覚悟しておいてください。

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