見出し画像

2024年9月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

先月はなかなか当たりな月で、紹介した11本のうち以下の3本がSteamのレビューで圧倒的に好評(レビュー500件以上、95%以上が好評)となっています。

私自身もこの3本を購入して楽しんだ、特に一番上のSteamWorld Heist 2は続けて2周するくらい面白かったわけですが、それと並行して新作ではありませんが別に購入して遊んでいたゲームがありました。それがこちらのBurger Shop 3です。

これはいわゆるカジュアルゲーム、その中のジャンルとしてはタイムマネジメントと呼ばれるゲームです。プレイヤーが働いている店に次々と客がやってきてハンバーガー、ピザ、寿司、ドリンクなどを注文してくるので、ベルトコンベアに並んだ材料の中から正しいものを選び、時には茹でたり焼いたりして料理を完成させて客に提供するゲームです。

標準のハンバーガーはバンズ(上下)、肉のパテと簡単ですが
面が進むにつれてチーズ、ベーコン、レタスなど
バリエーションが追加されていき
発狂ものの難易度になってきます
店の種類は
アジア料理、スイーツ、ハンバーガー
メキシコ料理、イタリアンの
5種類があり
注文内容も店の種類により大きく変化します

客はその種類により待ち時間の上限があり、時間内に注文された料理全てを完成させて提供できないと怒って帰ってしまいます。逆に短い時間でそれを実行できれば多額のチップがもらえて、スコア的な位置づけとなるその日の売上が増加します。

客は数十種類のタイプがあり
怒って帰ってしまうまでの時間の猶予や
注文の傾向がそれぞれ異なります

こうしたゲームは昔は結構な頻度で新作がリリースされていたものですが似たようなものが出過ぎで飽きられたか、あるいは制作側の事情(もっと簡単に作れそうなアイテム探しのゲームだらけになった)によるものか衰退が激しく今はタイムマネジメントというジャンル名を聞いたことがないという人も珍しくないでしょう。

私はこのシリーズ、1からやっているんですが店系タイムマネジメントの他作品と比べて操作性がよく、また効果音や操作のフィードバックなども優れていて、気持ちよく遊べる点が優れていると思います。
メインで遊ぶにはさすがに単純すぎますが、ちょっとした隙間時間、あるいはプレイに頭を使うヘビーなゲームの合間に遊ぶにはちょうどいいゲームだと思います。元がカジュアルゲームなので価格も580円と安価なので是非一度お試しください。

なおこのゲームをプレイされる際は最初に設定よりワイドスクリーンモードにしておくことをお勧めします。料理の材料が並ぶベルトコンベアの長さがワイドスクリーンモードだと長くなる、つまり拾える材料の候補の数が増えます。終盤になると1つの注文で拾わなければならない材料が増えてきて場合によってはある料理から作り始めたらその材料が画面内に揃ってない、完成させられず次の料理へということが起こります。この設定はゲーム中いつでも変更可能ですが、最初からワイドスクリーンモードにして慣れておいた方がいいです。


Void Reaper

  • 9月1日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション (横スクロールSTG)

  • 日本語なし

80年代風の懐かしい横スクロールSTGですが自機のパワーアップにローグライトというかVampire Survivors風というか、敵を撃破して得られる経験値がある程度溜まるごとにランダムに選ばれた3つの選択肢の中からアップグレードを1つ選んで取得できるというゲームです。
背景や地形などは存在せず、自機も敵機もシンプルな図形を組み合わせたような形状をしています。ゲーム内容としてもアップグレード以外については特に凝った要素はなく、敵機の撃墜とその攻撃の回避にのみ集中できるミニマリスト的なデザインと言えるでしょう。


Sumerian Six

  • 9月3日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (潜入、戦術)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

第1次世界大戦終結後、諸国から集められた優秀な研究者たちは荒廃したヨーロッパの復興のため、ガイストシュトッフという新たに発見されたエネルギー源の研究に勤しんでいました。しかしやがてそれが大きな危険をもたらすことがわかり、彼らは研究を放棄します。しかしその研究者集団の1人であるハンス・カムラー博士がひそかにそれをアドルフ・ヒトラーの下へ持ち込んでしまいました。彼の元同志であったアリステア・スターリングはナチス・ドイツの後援を受けたカムラーの研究を阻むため、かつてガイストシュトッフ研究に携わっていた有志の団体エニグマを再設立、新たな仲間たちとともに世界各地でナチス・ドイツ相手に作戦を遂行していきます。
若干のオカルト要素もあるらしく、カムラーの技術には古代アッシリアが遺した知識が関わっています。タイトルを日本語に訳すとすれば「シュメールの6人」ですが、このシュメールはそこから来ているようです。

エニグマのメンバーはアリステアと彼の子供のシド、イザベル、かつて彼とともにガイストシュトッフの研究に携わっていた化学者のローザと精神科医のジークフリート、そしてナチスの実験により人狼ならぬ人熊へと変えられた男ヴォイテクがいます。
彼らのうち数人(ミッションごとに使えるメンバーが決まっている)を操作して、警戒厳重な敵拠点や占領された村などから情報や重要な物資を盗み出したり、破壊工作を行っていきます。人数、武装のうえでは敵が大きく上回っており正面からの攻撃では太刀打ちできません。そこで敵の行動パターンを把握、各メンバーが持つユニークなアビリティを使って敵に見つかることなくこっそり始末したり、監視の目を逃れて奥へ進んだりしていきます。
敵に見つかっても即ゲームオーバーではありませんが警報を鳴らされて大勢の敵が襲いかかってくるのでそれと戦うのは得策ではありません。基本的には敵に見つかったらロードしてやり直しというバランスのゲームです。

敵を右クリックするとその視界範囲が見られます。
これを回避、時には邪魔な敵兵を片付けて進んでいきます。
斜線部分はしゃがんでいれば見つかりません
ところどころでブリーフィングが入り
進行ルートの候補や副次目標
要注意地点などを教えてくれます
お馴染み一時停止して
複数のメンバーにそれぞれ命令を与え
同時実行するシステムもあります
各ミッションには腕自慢のプレイヤーのための
追加目標がいくつか用意されています。

こうしたゲームは他にいくつか発売されており、俗にコマンドスライクと呼ばれています。その源流は1998年に発売されたコマンドス、このSumerian Sixより少し後の第2次世界大戦の戦中にグリーンベレー、スナイパー、スパイなどからなる特殊部隊を指揮して隠密作戦を遂行していくゲームでした。コマンドスは最終的に2003年までに4作品が発売、他の会社からもそれに似たゲームがいくつか出ていましたが、2000年代後半には人気が下火となりしばらく忘れ去られた状態となっていました。
なおこの源流であるコマンドスの方も今年新作が出る予定になっています。

それを復活させたのがドイツのMimimi Gamesによる新作(2016年発売)のShadow Tacticsです。江戸時代初期の日本を舞台とした作品で日本語もあったので日本でも割と話題になった作品かと思います。Mimimiはその後西部劇もののDesperados 3(2まではコマンドスのフォロワーの1つとして別会社が制作していた)、オカルト要素を含むカリブの海賊もののShadow Gambitなどをリリースしています。
懐かしのコマンドスにそっくり、しかもオリジナルに勝るとも劣らない高品質なゲームで一躍このジャンルのゲームの新たなる旗手となり、前途洋々と思われていたMimimiでしたが経営面は結構厳しかったらしく、新作を出すたびに開発資金をどう集めるかに大変苦労していたらしいです。そのためShadow Gambit発売直後の2023年8月に廃業を発表、ジャンルの第一人者ですらそんな状態なのかとファンに大きな衝撃を与えました。

そんな状況下で現れたのがこのSumerian Six、ゲームの開発期間的に別にMimimiの閉鎖を知ってその後釜を狙ってというわけではないと思いますが、ぶっちゃけゲーム内容はほぼ完全に一致というレベルでMimimiの潜入RTSです。ただバランス面では結構異なっていて、Mimimi作品ではプレイヤー側が持つアビリティは強力なものの制限があったり、敵もそれに見合う手ごわさを持った高難易度のゲームでした。しかしこちらは、さすがにランボースタイルは無理ですがかなりのぶっ壊れ能力が揃っています。

シドの能力、ヒッチハイクは
敵の兵士に憑依して姿を隠したり、他の場所へ運んでもらったりできます。
準備中に見つかると警報を鳴らされますが
憑依した後は敵に見つかる恐れは一切なし、
時間制限もありません
イザベルの能力、入れ替わりは
敵と自分との位置を一瞬で入れ替えてしまいます。
これで厄介な場所に止まっている敵を動かしたり
既に安全確保済の地点まで敵を引っ張り込み
他の仲間が安全に始末したりできます
イザベルはまた自身を透明化して敵の監視をすり抜けられます。
効果が強力な割に持続時間が結構長く
しかも動かなければ持続時間は減りません。
身を隠す場所がないところで敵が近づいてきた!
というときもこれを使うだけで安全が確保できます
ローザの能力の1つ、スタンリンクは
解除するまでの間、敵1人を気絶状態にします。
射程は短いのですが壁、障害物ごしでも使えます
元々強力なのにレベルアップによる強化もあり、
敵を倒したりマップ内に落ちている箱を拾って
経験値を貯めるとアビリティが強化されます
一方で通常の攻撃は通用しない
強力な敵幹部なども登場します
キャラ間にはアビリティ以外に
移動能力等の面でも違いがあります。
身軽なキャラは蔦や縄を使って高所に上がることができ
非力なキャラは死体を運ぶのに引きずる必要があり
速度は遅いですがしゃがみ状態で運べたりします

このバランス面の違いは既存ファンからすると賛否両論かもしれませんがShadow Tacticsみたいなゴリ押しは一切効かない、正しい方法を見つけなければ全く進めないというゲームは評価は高くなる一方で人気、プレイヤー数はあまり伸びず、ある程度緩くしたほうが一般受けしてインスパイア元の作品を上回るヒットとなることがあります。正直このSumerian Sixにそこまでのポテンシャルがあるとは思わないですけど…。でも全く別の会社がよくここまでMimimi作品に完全に一致レベルのものを作れたなとも思います。
既存の人気ゲームに酷似という点は元からいたファンにとっては不愉快に感じるかもしれませんが、今回はその元の方が廃業して新作は絶望的という状態だったのでまあありかなと。なおMimimiのレベルデザイナーの1人がこのゲームのDiscordに現れて「面白かった」と発言してたりもするらしいです。
体験版も日本語あり、会話もキャラの年齢や性格にそった自然なものとなっておりクオリティは高めでした。


Star Trucker

  • 9月3日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: シミュレーター (お仕事体験)

  • 日本語なし

  • Game PassにDay 1で追加予定

お馴染みトラックシミュレーター、ただし舞台は宇宙というゲームです。プレイヤーは宇宙ステーションで輸送の仕事を請けて配送元へ向かいます。長距離移動は宇宙ものではお馴染みのジャンプゲート(ワープゲート)を利用して行います。配送元に着いたら積み下ろし用エリアでコンテナと連結、次に配送先へ向かい、積み下ろし用エリアで今度は切り離し、これで依頼達成で金と名声がもらえます。名声が溜まることでレベルアップして高度な仕事が受けられるようになり、また得た金で宇宙船を改造することができます。

舞台が宇宙になったことによる変化としてはまず環境、地面を走る車両ではないので自由に360度動けます。一方で町並みや自然の風景といったお馴染みの光景を眺めつつの運転というのはできませんが、体験版からするとこの宇宙は割とごちゃごちゃしていて構造物が多く、ただ真っ暗な中を走るだけという感じではないようです。
環境の違いとしては乗り物の外は酸素も重力もない生存に適さない環境であるうえ、運転していくことになるエリアには極端な低温、高温、有害物質、宇宙線などの危険が待ち構えており、それらを回避したり耐えられるように宇宙船や宇宙服を強化したりといった対処が求められます。

人気のトラックシミュレーターの宇宙版、ただ周りの風景を変えるだけでなく宇宙ならではの要素も盛り込んだ作品でお仕事体験シミュレーターが好きでかつ現実の風景以外でも遊んでみたいという人にはなかなか有望そうなタイトルですね。


ファンタジーマップシミュレーター

  • 9月4日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ゴッドゲーム (サンドボックス、観戦のみ)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

ランダム生成されたマップにこれまたランダム生成されたいくつかの国家を配置して、互いに戦わせてその推移を見守るゲームです。マップを自分で描画したりそこにカスタマイズした新国家を追加したりということもできます。また国家の特性を追加、削除したり指定した国と強制的に戦わせたりと若干の干渉をすることはできますが基本的に眺めて楽しむだけのゲーム、プレイヤーがいずれかの国を操作してどうこうということはできません。

過去このタイプのゲームはいくつかあり、国産の歴史隆々などはご存知の方も結構いるのではないでしょうか。Steamでは他に有名な作品としてはWorldBoxなどがあります。

できることやシミュレーションの精緻さでは先発なだけにこちらのWorldBoxの方が上だと思うんですが、こちらはアートスタイルがポップ過ぎたり登場する種族も人間、エルフ、ドワーフ、オークと完全にファンタジーだったりしてある意味癖が強いんですね。国家の興亡を眺めて楽しみたいという層は歴史好きな層とも被っていて、そういう人たちにとっては魔法や巨大なモンスターが存在するというのはかえって興ざめなのかもしれません。

全く新しいタイプのゲームではなく内容的にも先発タイトルを明確に上回るというほどではない(大きく見劣りするというわけではない)のですが、現在のSteamではこうした作風を少し変えてそれが受けたり、たまたま影響力の大きな人が取り上げて話題になったとかで先発タイトルを食ってしまうというケースはままあるようです。


Chef RPG

  • 9月12日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: アクション (2D、経営、クラフト)

  • 日本語なし

かつて観光地として栄えていた港町のホワイトアッシュ、その一角にあり高い評価を得ていたレストランのル・セコイアは町自体が衰退したことで閉店を余儀なくされてしまいました。プレイヤーの分身である若き料理人がそれを復活させるため取り組んでいきます。時代的にはほぼ現代らしく鉄道が走っていたり町の各所に自販機が設置されていたりします。

トレイラーからの印象としてはStardew Valleyなどの農園ものとTraveller's Restなどの酒場経営ものを足して2で割ったようなゲームでしょうか。存在している要素自体は既存の類似ゲームとそう変わらないのですが個々の要素は結構充実しており、例えばレベルアップでスキルが獲得できるのはよくありますがそれに加えて能力値の割り振りなんかもできるようです。

経営要素としてはまず店の種類をレストラン、喫茶店、菓子店などいくつかの候補から選ぶことができ、それにより注文の傾向やボーナスが変わってきます。種類に応じて前菜、主菜、デザートなどの料理をカテゴリごとに数種類登録しておいて開店します。店内のレイアウト、家具やテーブル、椅子なども自由に配置することができます。
営業開始すると次々と客がやってきて注文を出してくるので、調理器具にインタラクトして各種作業を行い、完成した料理を客に提供します。料理人、ウェイターを雇うことができ、これらの作業を一部肩代わりしてくれます。

経営以外では街を歩き回って住民と交流したり、農業、採集や狩猟などで素材を集めたり、そうして集めた原料で新たな料理を開発したり酒を醸造したりができます。

人物のグラフィックはかなりアーティスティックで好き嫌いが分かれそうですが料理のグラフィックはなかなか美味しそうに見えます。なにげに料理ものでは重要な要素かと思います。

目新しさはないもののなかなか充実してそうに見えますが残念ながら日本語はなし、というか言語は英語しかなくてSteamの掲示板を見ると「◯◯語に対応して!」という要望のスレッドが大量に並んでいます。このあたり発売後の開発側、ユーザー側の対応に期待したいところです。


Drill Core

  • 9月13日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (採掘、タワーディフェンス)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

惑星の地中に打ち込まれた採掘プラットフォームで作業員を雇って地下を掘り進め、資源を集めていくゲームです。2022年9月に発売され好評を博したDome Keeperを、自分で作業するアクションから指示を出すストラテジーへと変えたようなゲームです。

地下は採掘不能な硬い壁に隔てられて何階層かに分かれており、まずいちばん浅いところから採掘を開始します。各階層には紫色の鉱石が4つあり、それを全て採掘、回収すると強力なドリルを使って階層間にある壁を突破、より深い階層へと進めるようになります。

左クリックで掘る場所を指定します。
永続アップグレードにより
優先指定などもできるようになります。

採掘プラットフォームにはいくつかの建設用スロットがあり、ここに作業者の雇用および人数上限を増やす兵舎、一定間隔で資源を生産してくれる工場、作業者の採掘、移動速度、体力などを強化できる研究所、その他の支援用設備を設置することができます。建設、作業員の雇用に必要な資源もまた地中を掘って出てきた鉱石を採掘プラットフォームに持ち帰ることで手に入ります。

作業者はプレイヤーが指定したマスを掘る鉱夫、掘って出てきた資源を採掘プラットフォームまで運ぶ運搬者、地中の巣より出てきて作業者を襲ってくる敵と戦ってくれる護衛の3つの役割があり、これらをバランスよく雇って採掘作業を進めていきます。
地下には敵以外にも特定の方向にダメージを与える炎を吹き出す岩、下のマスを掘ると落ちてきて作業者を押しつぶしてしまう岩などの危険もあり、単に鉱石を見つけて片っ端から掘っていくだけではなく、危険をうまく回避できるように採掘指定を行っていく必要があります。

地下の採掘作業が行えるのは昼間だけ、夜になると巨大な蛇状の敵が地中を動き回り、作業者は触れるだけで即死してしまうので作業を中断して採掘プラットフォームに戻す必要があります。また夜間は上空からも大量の敵が襲ってきて、採掘プラットフォームの中枢であるコアを攻撃してきます。
この頭上からの脅威に対してはプラットフォームの上にあるスペースに砲台を設置して迎撃します。

砲台には集団に強いもの、大型の敵に強いものなどがあり
その編成、配置を工夫する必要があります
また設置済みの砲台を強化することもできます

これを繰り返して現在の階層の資源を回収し、紫色の鉱石を集め終えたら次の階層へというのを繰り返していき、一定以上の階層まで到達したらいつでも脱出できるようになります。
もちろん全ての資源を採掘してから脱出した方がお得ですが、日数が経過するごとに夜間に襲撃してくる敵は強力になってきて、またコアの耐久力も基本的には減る一方なのでいずれ耐えきれなくなります。
脱出できれば採掘した資源を全て持ち帰れますが、失敗するとほんの一部しか持ち帰れなくなってしまうので効率的に採掘を進め、まだいけるか、これ以上は無理か判断してどこまで採掘を続けるかを決める必要があります。

ミッション達成により持ち帰った資源で
永続アップグレードを購入していきます

シンプルながらなかなかやり応えのあるゲームなのですが難点をあげるとすれば状況が悪化した時のリカバリーがしづらく、順調に採掘を進めていたと思ったらいきなり立て直し不能な状態まで追い込まれることがあります。地中の敵は護衛を使って対処するのですが、この護衛が一度全滅してしまうと新たな護衛を雇うには資源が必要、しかしその資源を掘りに地下に行くと作業者が敵に一方的に攻撃されて殺される…という手詰まりの状況になったり等です。これらは原因はプレイヤーの判断ミスにあるため理不尽とまでは言えないものの、状況が悪化した後では対処しようがない(一応その日の作業を終了すると沸いた敵は消えるので翌日に仕切り直しはできる、ただし日数が経過するほど敵が強くなるので…)というのは人によっては不快要素となるでしょう。最初の数回はそう深刻ではなくても繰り返されるうちにプレイをやめてしまったということも起こり得るかと思います。

体験版はプレイできるバイオームや購入可能な永続アップグレードに制限があるものの結構遊べますので、購入前に何度かプレイしてみてどう感じるか試してみることをお勧めします。体験版にも日本語が入っています。


Train Yard Builder

  • 9月17日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル:ツール (ジオラマ作成、鑑賞)

  • 日本語あり

純粋なゲームではなく、手持ちの資金の範囲内でジオラマを作成、眺めて楽しむ半デザインツール的なゲームです。タイトルのTrain Yardは鉄道の操車場ですがそれだけを作るのではなく、線路、鉄道を含む小さなエリアに線路、道路、様々な建物や木などの自然物を配置して小さな区画を作っていくようです。トレイラーを見ると一応既存の職人系お仕事体験シミュレーターのようにメールで依頼を受けてその要望に沿った形でジオラマを作成、売却するというHouse Flipper的な遊び方もあるようでした。

デザイン面はなかなか凝っていて単に既存のオブジェクトを配置していくだけでなくサイズを自由に調整したりペイントツールで塗り替えたり、単なる静止物ではなく鉄道の走るコースを指定して動いているところを眺めたりというデジタルツールならではの設計、鑑賞方法も用意されているようです。既存のゲームではDorfromantik、TerraScapeなど景観作成ツールとゲームのマッシュアップみたいな作品がいくつかありますが、それらと比べるとこれはツール寄り、ゲーム要素は控えめなように思えます。

私自身は効率第一、景観など全く気にしないという性質なので内容についてきちんと評価できないのですがジオラマ、景観作成に興味があればチェックしてみてください。


Ara: History Untold

  • 9月25日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー (4X)

  • 日本語あり

  • Game PassにDay 1で追加予定

歴史ものの4Xゲームです。開発元のOxide Gamesは同じ4Xの代表的な作品であるCivilizationシリーズ、その中のCiv5の開発に携わったメンバーが独立して作った会社らしいですが、内容的にはCivilizationとだいぶ違うようです。
ただこのゲーム、一応開発日誌が定期的に公開されて開発者自ら特徴を紹介してくれてはいるものの注目度が若干低く、プレビューなどがメディアに登場する頻度が低めでゲーム内容についてはよくわかっていない、今月発売なのに来年2月発売予定のCiv7よりも知られていなかったりもします。
システムがかなり独特なので全てを説明しようとするとかなりの長文になってしまうので各要素の概要のみ説明します。

このゲームは時代とアクト(章)という区切りによって分けられています。時代はお馴染み古代、中世、現代とかで、その時代が複数集まったものがアクトです。ゲームに参加している文明のうち一定割合が特定の時代に入ると次のアクトに進むわけですが、その時点で足切りのようなものがあります。
このゲームの勝利条件は最も多くのPrestige(名声)ポイントを貯めることで、この名声ポイントは軍事、経済、文化各部門の評価値を高めたりアクトごとに用意された(遺産の建設など)のゴールを達成することで増加します。そして新たなアクトに進む際に名声が一定値以下、あるいは順位が低い文明はリタイアとなってしまいます。排除された文明の国土は空き地となり、それを巡って残された文明が争うというのがゲームの流れに変化を生じさせるためのアイデアとして用意されているみたいですね。これを開発元では文明のバトルロイヤルと呼んでいるようです。

もう1つの大きな特徴は多種多様な物資の存在です。まず都市で改善(施設)やユニットを作る際、ただその都市が産出する生産力が蓄積されていくだけでなく木、石といった資源も必要になります。またこれら資源を原料として軍需品、生活必需品をクラフトしていく要素があります。都市に建設可能な施設の工房では農園や伐採所で集めた天然資源から様々な道具を生産することができます。工房以外にも製陶所、屠殺場など多用な加工施設があり、嗜好品や贅沢品、軍需品を生産することができます。数ターンかけて生産されたこれらの物資は国家の倉庫に在庫として保存され、アメニティとして都市の出力を強化したり(一定ターン経過で効果は消滅、そのため生産し続ける必要がある)、他国との取引、上級の軍事ユニットの編成に使ったり出来ます。

このゲームの地形タイルはサイズがかなり大きく、タイルというより1つの地区に近い存在となっています。その地区の1つに都市を設立するわけですが、都市のレベルが上がると近隣の地区を併合することができます。マップはランダム生成なもののこれら地区には実在の地名を元にした名前がつけられています(あるいは併合時に都市の名前に基づいて地区名が設定される?)。東京という都市を設立し、近隣の千葉、神奈川などを併合していくイメージですね。タイルと言うよりもParadoxのグランドストラテジーのプロヴィンスに近い形かなと思います。1つの地区は複数の小地区が集まっておりこれはCK3の伯爵領と男爵領みたいな関係ですね。小地区それぞれに地形タイプ、資源産出地があり地区全体の産出に影響しており、また畑などの改善も小地区の数分置けるっぽいです。

ゲームの進行は同時プロット制、全プレイヤーが同時にターンを開始してユニットや都市に命令を出してターン終了するとその後の進行フェイズで全て同時に動き出すという仕組みになっています。そのため誰もいない土地に進出しようとしたらちょうど同じターンに別の国もそこにユニットを移動させており戦闘が発生なんてこともあるようです。

文明は40個、指導者は45人います。日本も登場して指導者は徳川家康らしいです。ただ最新のプレイ動画を見ると最初に選べる指導者は10人くらいしかおらず、プレビュー用の機能制限なのか何回かプレイしてアンロックしていく必要があるのかはよくわかりませんでした。
指導者以外に歴史上の著名な人物も存在しており、彼らを雇って軍事、外交など5つの顧問に割り当てることで各人物が持つボーナスを活用できます。

とまあ他ジャンル、ゲームのアイデアを色々と取り込んで普通の4Xとは大分異なったシステムになっているわけですが、ぶっちゃけ言うとこういうゲームはごく少数の熟練者にだけ評価され一般受けはしないことが多いです。ストラテジーは学習コストが高いですし。少なくともチュートリアルの全ての文章を面倒くさがらず全て読み、わからないことをそのままにせず色々試してみる、ネットで調べるくらいの熱意がないと楽しめないでしょう。そうした手間はむしろ望むところだという人にとっては試す価値は十分ありそうな気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?