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2023年7月にSteamで発売される注目タイトルかもしれないゲーム

既にSteamではサマーセールが始まっていますが、この期間中に新作を出してもユーザーの注目は集めづらい、そして発売という絶好の機会に注目を集められないと相当厳しいことになる…ということで今月は前半に出るゲームはあまり無いですね。本数はそれなりにありますが一長一短、または好みによる部分が大きかったりしてこれが本命というのはありませんでした。

New Heights: Realistic Climbing and Bouldering

  • 7月7日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: シミュレーター

  • 日本語あり

アクションアドベンチャーでたまに断崖絶壁を登っていくパズル的な要素が登場することがありますが、それに物理ベースを導入し、より深くして独立させたようなゲームです。装備の選択とかの準備は不要で、訓練用の壁または実在の断崖や建造物を元にした壁を両手、両足のみを頼りに登っていきます。操作方法としてはマウスの左右クリックで左右の手、Shiftを押しながらの左右クリックで左右の足を動かす場所を指定して少しずつ登っていきます。各ロケーションにはいくつかのルートがあり、登攀成功、一度も落下しなかった、一定時間内でクリアなどの目標が設定されており、その達成状況により経験値がもらえます。レベル増加による報酬の内容は不明です。ランク表の機能がありいかに短時間で登れるかを競ったりもできるそうな。
ゲーム的な要素はあまりなく、純粋に体を支えながら登っていくだけのゲームなので元々ボルダリング、クライミングに興味がある人向けの本格派のゲームと言えるでしょう。

OXENFREE II: Lost Signals

  • 7月13日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アドベンチャー

  • 日本語あり

2016年1月に発売されたホラーもののアドベンチャーゲームの続編です。舞台は前作と同じ海岸沿いの街のカミーナですが主人公は別の人物のようです。前作の出来事でますます怪奇現象が増えて、それを目的として謎のカルト集団までやってきたカミーナで他のキャラクターと会話しながら調査を進めていきます。ゲームの内容としては2D視点の画面の中で主人公を動かし、他の人物との会話では発言内容を選んでこれによりストーリーが分岐していきます。また怪奇現象が起こる場所では正しい周波数を選ぶことで世界に影響を与えたり、過去の出来事を垣間見たりすることができて、それを活用して調査を進めていくわけですね。

元は2021年発売予定でしたが発表後に開発元のNight School StudioがNetflixに買収されて1年の延期、その後さらに1年延期されてクオリティアップと対応言語の追加が進められたらしく、そのおかげで前作にはなかった公式の日本語も含まれています。オカルトもの、ストーリーや雰囲気重視なアドベンチャーゲームが好きな人向けのゲームと言えるでしょう。Switch版の発売も予定されており、そちらでは価格は$20らしいです。

VanillaBeast: Retro Knock-Out!

  • 7月14日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: アクション(格闘)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

マイク・タイソン パンチアウト!風の見た目のボクシングゲームです。ストリップクラブでひと暴れして腕っぷしの強いところを見せつけた主人公のバニラ、店に来ていたボクシングのトレーナーの目に止まり、彼と一緒に拳一つでのしがっていくというストーリーですね。

製品版では謎の板は取れるのか…

ゲームの流れとしてはトレーニング→試合の繰り返しです。トレーニングといっても育成要素はなく、サイモン(いくつかの矢印が順番に光るのでその順番通りにボタンを押して再現するパズル)などのミニゲームをして、その成果により次の試合の初期体力、スタミナなどが変動するくらいです。

体験版では左のサイモン以外に右の鮫とのスパーリングも選べます。
それぞれ難易度と見返りの大きさが設定されているようです。

試合での操作方法は単純で

  • コントローラーAボタン、キーボードAで左ボディパンチ

  • コントローラーBボタン、キーボードSで右ボディパンチ

  • ↑とコントローラー上ボタン、キーボードの上矢印キーで左右のフェイスパンチ

  • コントローラーのR1、キーボードのDで強力なパワーパンチ

  • コントローラー左右ボタン、キーボードの左右矢印キーで回避

  • コントローラー下ボタン、キーボードの下矢印キーでブロック

プレイヤーにはスタミナがあり、敵に攻撃を当てると最大で30まで増加、逆にブロックされたり攻撃をくらうと減少し、0になるとふらつき状態になり一定時間大半の操作を受け付けなくなります。敵は主に顔で攻撃予告をしてきて、それにあわせて回避やブロックを押すことで防御が可能ですが、そのタイミングにうまくパンチを当てることができるとPPというポイントが増加します。これを消費して打てるパワーパンチはダメージが少し大きい一撃です。敵はラウンドが進むと連撃になったり、そのパターンが変化したりします。戦術やスタイル選択、アビリティとかはなし、敵の動きを見て正しいボタンを押す、純粋なアクションゲームです。

体験版最初の相手はフェイク・ジョール。
パンチアウト!のグラス・ジョーのパロディです。
操作説明画面です。あとで好きな時に開いて再確認とかできないのできちんと読むか
スクリーンキャプチャしておきましょう。

体験版では4人、製品版では約30人の対戦相手がいるようです。一応ストーリーもあるようで漫画風に表示されます。ただ一部の台詞が漫画内の吹き出しででるくらいで他の会話や操作説明とかは音声のみなので英語のヒアリングができないとまるで理解不能かもしれません…。

非常にシンプルなゲームで、昔懐かしいボクシングゲームをコメディ調のストーリー付きで楽しめるという小規模ゲームですね。それが好みにあうのであれば価格次第で買ってみるのもありかもしれません。

Jagged Alliance 3

  • 7月14日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー(部隊管理、戦術)

  • 日本語なし

1作目が1994年に発売された歴史あるシリーズの最新作です。ただし大まかな設定は引き継がれているものの開発元は度々変わっていて、3はTropico 3 ~5、Surviving Marsなどを開発したブルガリアのHaemimont Gamesが開発を担当しています。

多分中南米あたりにある架空の国Grand Chienが謎の武装組織の支配下に落ち、大統領も行方不明、残された大統領の家族は傭兵派遣団体であるA.I.Mに連絡し、手持ちの資産を使って傭兵を雇って武装組織と戦い、国の奪還と大統領の救出を目指して戦っていくという設定です。プレイヤーが操作するのは数人の傭兵からなる部隊で、全体マップ上でこれを同時に複数動かしていきます。移動先を指定して接敵すると戦術マップに切り替わります。戦術マップでは敵に見つかっていない間はRTS操作で、味方の傭兵だけでなく敵の兵士たちも動いており、Commandosみたいなゲームになります。ここでは単に移動だけでなく攻撃も可能で、敵に気づかれない限りずっとそのRTSモードのままプレイが可能です。敵に見られたり音を聞きつけられたりするとXCOM風のターン制の戦闘に切り替わります。

このゲームの特徴としては命中率や成功率は一切表示されません。開発者の言葉によればそれが表示されるとプレイヤーはそれだけ見て行動を実行するか否かを判断してしまうようになる、それよりも射撃手の技量、敵との距離や角度、周辺の障害物の有無などを見て、経験に基づき判断してほしいらしいです。
色々と細かく作られており姿勢(立ち、しゃがみ、伏せ)はプレイヤーが操作して切り替える必要があったり、敵を攻撃する時に狙う部位が選べたり、武器も照準器を始めとするパーツを細かくつけ外しすることができたりというマニア向けのシステムとなっています。そのため他のXCOM系ゲームのシステムが物足りない、簡略化されすぎていると感じる人には優れた点と映るでしょうが、そうでなければ単に面倒な仕様と感じられてしまうかもしれません。先の命中率表示の点もそうですが人を選ぶシステムだと思います。

単に戦って勝利するだけのゲームではなく、部隊の管理と運用も重要な要素です。傭兵たちには毎日契約金を支払わなければならず、彼らの体調や武器を始めとするアイテムも含めてやりくりしていく必要があります。

STONKS-9800: Stock Market Simulator

  • 7月18日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: ライフシム

  • 日本語あり

  • 体験版あり

1980、90年代の日本の株式市場でトレーダーとして売買その他を行っていくゲームです。純粋なトレーディングのゲームではなく家や車を買ったり、友人と飲みに出かけて取引に役立つ情報を手に入れたり、犯罪に手を染めたりといったことが可能なトレーダーライフシムとなっています。登場する会社はTomota、Shark、Ninentoなど一部名前は変えてあるもののすぐに元ネタはわかりますね。様々な業種の大量の会社の中から選んで売買できるのではなくてゲームごとにランダムに選ばれた数社の株式のみを取引でき、値動きや業績などもランダムに変動するものと思われます。

またこのゲームの特徴としてはPC-9801風の雰囲気が再現されていて見た目だけでなくメニューの選択が数字キーで行えるなど操作についても当時のものが再現されており、昔PC-9801で遊んでいた人にとっては魅力となりうる点だと思います。PC-98風のゲームは主にADVで他にもあるにはあるのですが画面レイアウトを似せただけなものが多く、このゲームほど力が入っているものは珍しい方だと思います。

Xenonauts 2

  • 7月18日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー(部隊管理、戦術)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

いわゆるXCOM系ゲームで、プレイヤーは秘密組織の指揮官として世界各地に部隊を派遣しエイリアンと戦っていきます。Firaxisによるリブート版が見た目が派手、適度なカジュアル化と新規ファン層の開拓も意識した現代化であったのに対してこちらはよりオリジナルのXCOMに忠実な形でのリメイクを目指しているようです。たださすがに1994年に発売された初代XCOM: UFO Defenseそのままだと現代のプレイヤーには厳しすぎるので多少は操作性の改善、煩雑過ぎる要素の整理といったことは行われています。

前作の舞台は1979年の冷戦期でしたが2ではそれから30年後の2009年より始まります。ただ冷戦自体はそのまま続いていて、ベルリンの壁なんかも健在なようです。2からはエイリアンだけでなく、彼らと協力関係にある人間の組織のクリーナーという新たな敵も登場します。

前作は公式の日本語対応はないものの有志の日本語化Modが出ていました。2では日本での展開に意欲的なHooded Horseがパブリッシャーとしてついているため日本語ありとなっています。

トレイラー、スクリーンショットを見る限りでは前作の正当進化といった感じで良くも悪くもあまり変わってない感はあります。おそらくかなり人を選ぶゲームだと思いますのでXCOM系ゲームが好きかどうかだけでなくて、わかりづらさ、時に理不尽に感じるようなバランスといった要素を苦痛に感じない、むしろ魅力と思える人向けかなと思います。体験版が出ているのでまずはそちらで自分にあっているかどうか確かめてみることをお勧めします。

Techtonica

  • 7月19日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: アクション(工場、物流網建設)

  • 日本語あり

  • Xbox Game PassにDay 1で追加予定

地下を探索し、資源を採掘、加工するための工場を建設していくゲームです。同種のゲームの中ではSatisfactoryと似てますね。
正直他の工場建設ものと比べて特徴的だったりこれはという部分はないんですが体験版(現在は公開停止中)を触ってみた限りでは他の小規模な作品と比べてグラフィック、コンテンツ量的に充実しているように見えました。Steamでの販売のみであれば買うまでには…という感じでしたがGame PassにDay 1で来る予定となっているので私はそちらで遊んでみるつもりです。

Might & Magic: Clash of Heroes - Definitive Edition

  • 7月20日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: パズル

  • 日本語あり

  • 体験版あり

元は3DO/New World Computingが開発、販売で、その後UBISOFTが版権を引き継いだ世界三大RPGの1つ(別説あり)、Might and Magicシリーズのスピンオフで、同じ絵柄を縦横で3つ揃えて敵を攻撃したり防衛したりするマッチ3と呼ばれるパズルで戦闘するゲームです。マッチ3といっても隣り合う2つの絵柄の位置を交換するのではなく、各ターン3回までいずれかの駒を掴んで別の場所に移動させる、または消すといった操作で揃えていきます。

元は2009年に発売されたMight and Magic: Clash of Heroesのリマスター版で、PCGamerの紹介記事によれば単に本体にDLCを組み合わせて高画質化したくらいで新規コンテンツなどは一切なく実に惜しい…らしいです。しかし日本からは見ると新たに日本語が追加されるという実にありがたい変更があったりします。

戦闘はターン制で、各ターン3回までユニットを掴んで移動させるか消すかが行なえます。同じ絵柄(ユニット)を縦に3つ並べると攻撃準備状態となり、その絵柄に応じた準備時間が経過すると敵陣に突撃し、行く手に有る敵の駒を破壊してその後奥の本体にダメージを与えます。敵本体の体力を0にすれば勝利、自分の本体の体力が0になると負けです。横に3つ以上並べると合体して壁になり、敵の攻撃をより効率よく吸収してくれます。既に攻撃準備状態に入っている敵の駒に、準備時間の短いこちらのユニットに攻撃させてその威力を軽減したりということも可能です。

人間(Haven)、エルフ(Sylvan)、魔術師(Academy)、死霊術師(Necropolis)、デーモン(Inferno)の5つの勢力が存在し、それぞれ異なるユニットのラインナップを持っています。各勢力とも最初の3つのユニットはほぼ個性のない通常ユニットですが、サイズが大きくより強力なアビリティを持つエリート(3種)、チャンピオン(2種)という上位ユニットもいます。これらはそのユニット自体を3つ並べるのではなく、その後ろに同色の通常ユニットを配置することで攻撃準備状態になります。

シリーズの時系列的には6と5の間で、デーモンの侵攻に対処するために作られた秘密組織が突如そのデーモンの奇襲を受け、メンバーの子供たちはわけもわからぬまま散り散りになってしまいます。そこから復讐、そして密かに進められているデーモンによる地上侵攻の陰謀を食い止めるために戦っていくことになります。この子供たちが後に5で敵、味方として登場する重要人物で、5をプレイ済みだとますます愛着がわくでしょう。

ゲームの流れとしては双六の盤状のマップを移動していき(サイコロを振る必要はなし)、敵のいるマスに入ると戦闘開始、戦闘では各陣営の通常ユニット3種、エリートとチャンピオンの中から2種選んで戦っていくことになります。また途中で強力な固有効果を持つアーティファクトを発見したらそれを装備することでゲームのルールに一部変更を加えたりすることができます。

私は元の2009年版をプレイ済みですがはっきり言いまして発売済みのマッチ3、いやパズルものとしては最高峰の面白さと言えます。体験版は冒頭部分、プレイ時間にして約10分程度しか遊べず戦闘もチュートリアル的なものが2回できるだけなのでそこまで面白さは感じられないかもしれませんが、私の評価だけでなく世界的に見ても非常に評価の高い作品です。以前は日本語がなくプレイの障害になっていましたが、このDefinitive Editionでは日本語で遊べます。パズルに拒否感のない人は是非遊んでみてください。

沉默的蟋蟀 (沈黙のコオロギ)

  • 7月20日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: 育成

  • 日本語なし ※英語もなし

一時日本でも結構な話題となったコオロギのゲームです。食べるのではなく育成して互いに戦わせるゲームですね。中国産で言語は中国語しか入っていません。市場でコオロギを買ったり野外で草の中から見つけ出し、様々な餌や追加の栄養源となる虫の抜け殻を与え、時にはメスのコオロギを使って興奮させたりといった方法で最強のコオロギを作り出していきます。160種のコオロギが登場し図鑑でそれらの説明が読めるほか、個々のコオロギも触覚が折れていたり片足がなかったりと特徴があるようです。能力値は具体的な数値としては表示されず、高中低のあいまいな評価、そして対戦相手との相対的な比較でのみ知ることができます。

いずれ日本でコオロギ食が一般的になった時に備えて、このゲームでコオロギを見る目を養っておきましょう。

Lakeburg Legacies

  • 7月20日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: ストラテジー(街づくり)

  • 日本語なし

  • 体験版あり

The Last Spellの開発元のIshtar Gamesの新作です。内容としてはカップリング、子作りといった要素を活用して、複数世代に渡り発展、繁栄させていく街づくりゲームですね。

街にはそれぞれ名前、顔、能力値、特性を持った住民が住んでいてこれを伐採所などの生産施設に割り当てることで蓄えられた物資が増えていきます。能力値には力、器用さ、知能、魅力といった要素があり、生産施設ごとに必要とされる能力値が決まっていてその高低で生産速度、生産量などが変化します。

能力値や特性は結構多いんですが生産施設に割り当てる際に
適性が星5つで表示されるので誰がどこに向いているかは
(慣れれば)そう迷うことはないでしょう。

住民は自然には増えず、既存の住民を近隣の街の住民と結婚させて迎え入れるか、そうして結婚させてできた夫婦に子供を産ませるかの2つの手段で増やしていく必要があります。結婚はただ相手を選ぶだけでなく、3回の会話の選択で正しい答えを選ぶ必要があります。あらかじめ相性を確認することができ、基本的に夫、妻で好きなもの、嫌いなものが共通しているほど相性は良くなり、会話の成功率が高まります。

魔女に頼んで適当な結婚相手を連れてきてもらいます。
住民には農民、職人、貴族といった階級があり
結婚相手や割り当てた職業により変化していきます。

最初は木を生産する伐採所しかありませんが、その木を使って新たに畑や鉱山を建てていくことで新たな資源が手に入るようになり、ゆくゆくは畑で小麦を栽培してそれをパン屋でパンに加工し、より高度な物資を住民に供給して住民の幸福度を増加させ名声を高めていくことができます。

世代交代も重要な要素で、夫婦に家を与え幸福度を高めることで子供を産ませることができます。子供は当初は働けませんがある程度成長すると徒弟として働かせることができるようになり、それにより作業を手助けするとともに早いうちからその職業の経験を積むことができるようになります。

幼児、少年までは結構かわいらしい外見なのですが
青年に成長すると大河ドラマ 八代将軍吉宗で
主演が子役から西田敏行に変わった時並の衝撃を受けます。
この画像の一番左が青年、残りが少年です。

最初は小さな村ですがやがて宮殿を建て、統治する王家を設立できます。体験版ではここが最終到達地点だったので王家とその一族が誕生することでどういった影響があるのかはよくわかりませんでしたがその存続も重要な要素となってくるのでしょう。

王家が設立されると税金が徴収できるようになります。
配下の貴族や役人なんかも任命できるようです。

結婚、子作りといった興味深い題材を加えた異色の街づくりゲームです。難点としては体験版でプレイしてみた限りではアンロックされる建物の順番がほぼ固定で繰り返しプレイには向いていないのでは…というのが気になりました。あと前作のThe Last Spellは日本語に対応していたのですが、こちらは開発元によるセルフパブリッシングになったせいか日本語がありません。重要な要素であるカップリング、そしてその後発生するイベントで文章を読む必要があるので、そこで英語力が必要になってしまうのは結構大きな障害と言えます。多分それを完全無視してフィーリングで選んでしまうプレイスタイルだとこの作品の魅力を十全に味わえるとは言い難いでしょう。

Music Store Simulator

  • 7月24日発売

  • 早期アクセス

  • ジャンル: シミュレーター(お仕事体験)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

Music Storeというのは楽器店のことですが、このゲームでは販売だけでなく自ら楽器を製作していきます。様々なパーツを組み合わせてギター、ベース、弦楽器、アンプなど40種類以上の楽器を作ることができるようです。また作成した楽器の調律、テスト演奏といったこともできるそうな。

内容としてはPC、車、銃器の製造、メンテナンスをするシミュレーターに似ていてまず客から注文を受けます。ここで「このパーツにはこの素材を使ってほしい」「色はこれとこれの組み合わせで」などの条件が設定されます。その後は市場からその条件を満たすパーツを購入、届いたら作業机でそれを組み合わせて楽器を作っていきます。途中で各パーツに塗料を塗ったり、それを棚に戻して乾燥させたりといった作業が発生します。乾燥にはリアルで結構な待ち時間が発生しますが設定で早送りしたりも可能です。

音楽、特に楽器の演奏の経験のある方にとっては興味深いテーマかもしれません。興味がおありの方は体験版的なプロローグ版がダウンロード可能なので試してみてください。また6月30日現在、プレイテスターの募集もしているようです。

Let's School

  • 7月27日発売

  • 正式リリース

  • ジャンル: 経営もの(学校経営)

  • 日本語あり

  • 体験版あり

My Time at Portia(きみのまち ポルティア)、My Time at Sandrockなどでおなじみ中国のインディーゲーム会社Pathea Gamesの新作です。このゲームでは新たに着任した校長として荒廃した学校を再建していきます。Portia、Sandrockとは大分方向性の異なるゲームですが、なんでも最初は社内で1人で開発していたのがなかなか有望そうだということで本腰を入れて開発することになったようです。ただこのゲームもいきなり正式リリースなので既存の作品と比べると発売後にそう大きな拡張、コンテンツ追加は望めないのかもしれません。

制服も選べます。

ゲームの流れとしてはいくつかある学区より生徒を募集して迎え入れます。学区ごとに目標となる教育値(文系、理系、スポーツ、芸術の4系統)があり、1週間でこの目標まで生徒を鍛え、最終日に行われる試験を突破させることで学校の評価が高まっていきます。

最初に選べる学区では試験突破のため文系(緑)、理系(青)が
それぞれ63ポイント必要です。
試験を突破できるよう時間割を設定します。
教師は教育の能力値により持てる授業の数が決まっていて
基本的には空いている教師が各授業に自動的に割り当てられます。
最終日に試験が行われます。
ここは基本的に見ているだけ、それまでの育成の成果が問われます。
見事100%の突破率を達成できました。
追加の報酬が得られ学区の友好度が上がります。
それによりより多くの生徒が獲得できるようになります。

ゲーム内には教育、規模、施設の充実度という3つの勝利条件があり、それぞれ5段階の目標が設定されています。いずれかの条件の5段階目、最終目標を達成するとクリアとなる模様です。

授業以外の内容としては教師を訓練して持てる授業の数を増やしたり、研究で高度な授業(2学年目で必要になる)や生徒、教師の幸福度を増加させる施設のアンロックをしたりできます。クラスまるごと探索に送り出したり、会話の選択肢を何度か選んで朝礼を行って生徒のモチベーションを高めたりといったことが可能です。

おなじみ技術ツリーです。
学校内に研究施設を建て、教師を配置すると研究が進み
新たな部屋や家具がアンロックされます。
授業をほっぽりだして探索に出かけ
新たな学区を発見することができます。
途中でイベントが起きて選択を迫られることも…
朝礼では3つの選択肢から方針を選び(複数回)
それにより成功度が変動します。
最終的な成功度が生徒のモチベーションに影響を与えます。
学校には管理能力というパラメータがあり、稼働させられる施設の数に上限があります。
管理用の施設を建てて一部の施設をそちらに付け替えることで上限を高められます。

体験版は2週目の最後で終わり、卒業まで確認することはできませんでした。既存の病院、学校経営ものと比べた場合、Two Point Campusと比べると見た目の楽しさが弱く、Project Hospitalのような病院という題材をリアルに感じさせる細かい要素も存在していません。体感としてはイベント、バラエティ性を薄くしたカイロソフト産経営ゲームといった感じで、本格的なゲームを期待するとちょっと肩透かしになるかもしれません。あとはどこまで深さを求めるか、そして値段次第といったところでしょうかね。

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