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【進撃の巨人という哲学書】#3 Season1 3話4話.矛盾との付き合い方

アニメタイトル:絶望の中で鈍く光る

あらすじ

第104期訓練兵団に入隊をしたエレン、ミカサ、アルミンと多くの若者たち。
教官キース・シャーディースの猛烈な訓練。
キース・シャーディース。そう風貌こそ頭はハゲ、目は深く窪んでいますが、調査兵団団長であったあのキース・シャーディースです。
なにがあったか、調査兵団団長は訓練兵団の教官として訓練兵を厳しく鍛えます。
第104期訓練兵団のキャラクター達が登場し、それぞれの性格や出身や価値観が個性をぶつけ合い、連帯感が生まれます。
立体起動装置の訓練でエレンは苦戦しますが、装備不良であった事が判明し、正常な装置でエレンは難なく立体起動装置を乗りこなし、正式入隊が認められます。
その時点で既に仲間達はエレンの成功を喜び、それはすでに友情の芽生えと言っていいでしょう。


アニメタイトル:解散式の夜

あらすじ

入隊から2年が経過しています。
苦しい訓練を終え、エレン、ミカサ、アルミンをはじめとする訓練生218名が卒業にこぎつけました。今後は以下の兵団へ編成されます。
・犠牲を覚悟して壁外の巨人に挑む調査兵団
・壁の強化に努め各町を守る駐屯兵団
・王のもとで民を統制し秩序を守る憲兵団
憲兵団を希望できるのは成績上位10名だけです。

ここで先ずは第104期訓練兵達のメンバーの人柄をざっと記しておきます。

エレン・イエーガー(♂)
目だった特技は見られないが、強い目的意識を持ち、他ならぬ努力で徐々に成績を伸ばす。

ミカサ・アッカーマン(♀)
難解な科目も完全にこなし、歴代でも類の内逸材として評価を得る。 

アルミン・アルレルト(♂)
体力面において兵士基準に達していないものの、座学においては非凡な発想を見せる。

ジャン・キュルシュタイン(♂)
立体起動はトップクラス。だがハッキリとしたものいいから軋轢を生みやすい。

サシャ・ブラウス(♀
型破り勘の良さはあるが、それゆえに組織行動には向かない。

クリスタ・レンズ(♀) 
何事も献身的に尽くす姿勢から、仲間からの信頼が高い。体力は人並み以下。頭脳は優秀。

コニー・スプリンがー(♂)
小回りの効く軌道が得意。しかし頭の回転がやや鈍い。

マルコ・ポット(♂) 
よく気がまわり、効率よくものごとを考える、リーダーの素質がある。

アニ・レオンハート(♀)
斬撃に非の打ちどころがないが、連帯性に難があり孤立気味。

ライナー・ブラウン(♂)
屈強な体格と精神力を合わせ持ち、仲間からの信頼も厚い。

ベルトルト・フーバー(♂
潜在能力は極めて高いが積極性に欠ける。

ユミル(♀)
非常に狡猾。戦闘能力に優れている。

優秀者だけが最も内地の最も安全な憲兵団を希望できるのですが、エレンは最も危険な調査兵団に入隊すると言います。
その発言には多くの非難を受けましたが、エレンの熱意に打たれた仲間達の多くは調査兵団に入隊を決意します。
そんな仲間達との談笑のその時。
再び壁が破壊されました。巨人が乱入してきます。
第104期訓練兵団。卒業後、いきなりの実践戦闘が始まります。



あれこれと考えてみよう

訓練兵団卒業生の上位10名の優秀者だけが最も内地の最も安全な憲兵団を希望できるのです。要は優秀者の特権です。
当然のようですが、よくよく考えてみればこれはおおいなる矛盾をはらんでいますよね。

アニの言葉を考えてみましょう。
「対人格闘術なんか点数にならない。普通はああやって流すものさ。憲兵団に入って内地に行く権利をもらえるのは、成績上位10人だけだからね。真面目にやってるのは、あんたらのようなバカ正直な奴等か、単なるバカか」
「なぜかこの世界では、巨人に対抗する力を高めた者ほど巨人から離れられる どうしてこんな茶番になると思う?」
「それが、人の本質だからでは」



世の中は優秀な者ほど安全な場所に座っていて、そうでない者が現場で傷つきます。
逆に安全な場所に席を得る為に、多くの人は要領よく単位の取得だけに必死になります。
それが人の本質なのかもしれません。
が、その本質は訓練の本質からズレています。
アニはそれを「茶番」と言います。
確かに、巨人に対抗する力を高めた者ほど巨人から離れられるの仕組みは茶番です。矛盾しています。
そうです。ここにいる連中は巨人から離れるために巨人殺しの技術を高めている訳です。矛盾しています。

その矛盾の気づいてその矛盾を利用するだけで適当に流すか。
その矛盾の気づいているからその矛盾に従わないか。(アニ)
その矛盾に気づきもせずに訓練をするバカ正直者か。(エレンやミカサや)
単なるバカか。(コニーやサシャ)
その判断は各々に任せられています。
それは価値観の問題ですから正解も誤りもありません。

ただ一つ確実に言えれる事は、この世の中は矛盾に溢れています。

バカ正直者のエレンは成績上位10人以内で卒業となり、最も安全な憲兵団へ入隊する資格を得ました。
しかしエレンは最も危険な調査兵団に入隊を決めました。
というかエレンは最初から調査兵団に入隊する為に訓令兵団へ入隊していた訳ですので、そこは揺るぎません。
バカ正直者には矛盾がありません。
しかし、世の中の仕組みはそんな甘いものではなく、様々な矛盾がこれからのエレンを苦しめる事でしょう。

巨人が乱入してきました。



さあ。いきなりの実践戦闘が始まります。

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