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【詩】肉よ

君が肉を食う
肉が君となり
肉が君の肉となり
その贅沢な尻となり
足となり
肩となる

君が肉を食う
肉が君となり
肉が君の肉となり
その奔放な胸となり
血となり
熱となる

ああ肉よ
君に食われし肉よ
吾は肉を愛撫し
甘噛みし
いつまでも飲み込まず
筆先のそれのような優しさで愛おしみ
見つからぬ場所に爪痕を刻むだろう

ああ肉よ
君に食われし肉よ
その咀嚼音よ
その唾液に絡まれる繊維よ
その閉じた瞼よ
また見開く瞼よ
眉間の皺よ

ああ肉よ
その肉を味わう君よ
その君を味わう吾よ

ああ肉よ
吾を食え

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