週中の詩03「何年目かのスタート地点」
登場人物
桜ケイ…同人作家“ヒナギク”。個人サークル「Daisybiscuit」の主。
アイ …ケイの友人。「Daisybiscuit」では発足以来ずっと売り子。外ではケイのことを”ヒナ”と呼んでいる。
“XX” …ケイがハマっている同人作家。読みは「だぶるえっくす」。
~某年12月31日14時02分 年末即売会会場「Daisybiscuit」ブース~
桜ケイ「”Daisy biscuit”すべて完売です! 申し訳ございません!」
アイ 「既刊まで完売しちゃった……すごいや」
桜ケイ「SNSに投稿……と、ヨシ!!」
アイ 「留守番してようか?」
桜ケイ「お願い!」
~某年12月31日14時30分 年末即売会会場 ”XX”のブース~
”XX” 「”ヒナギク”先生! いつもイラスト見てます!」〈握手〉
桜ケイ「私も”XX”先生のイラストにいつも支えられてます!」〈握り返し〉
”XX” 「ありがとうございます! とても感激です。サイン頂いても?」
桜ケイ「もちろんです! “XX”先生もいいですか?」
〈桜ケイ(”ヒナギク”)と”XX”、各々の新刊にサインを記し、交換〉
”XX” (新刊の女の子、かわいすぎる。ピンクを散りばめているのにごちゃごちゃしない。むしろスッキリしてる。尊い)〈唾液を飲む〉
~某年12月31日15時01分 年末即売会会場「Daisybiscuit」ブース~
アイ 「おかえりなさい。回れた?」
桜ケイ「うん、ばっちり」
アイ 「支度しよう、寒くなってきた」
桜ケイ「うん、『撤退します』と。よし」
~某年12月31日17時03分 某焼肉店~
桜ケイ「お疲れ様でした!」
アイ 「乾杯!」
桜ケイ「いつもありがとうね」
アイ 「いいってことよ。今回全アイテムを完売した感想はどうですか?」
桜ケイ「もっと上手くなりたいし、いろんな表情の女の子とか、男の子とか、描いてみたい。もちろん、手に取ってくれるのもうれしいし、感謝しかない。それはそれとして……」〈低アルコール飲料を飲む〉
桜ケイ「やっぱり、完売後の焼肉は、最高だね」
アイ (『かわいいものだいすき。美少女ばかり描く同人作家』とSNSのプロフィールに書いている人とは思えないよね……)
桜ケイ「もしかして、おっさんクサいとか思ってる?」
アイ 「ばれたか」
〈桜ケイとアイ、お互いグラス片手に笑い合う〉
桜ケイ(かわいいものは好きだけど、焼肉も好きってへんかな……)〈カルビを食べる〉
桜ケイ(かわいいって、何だろう?)
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