週中の詩02「初夢にも恵まれて」

~某年12月31日17時05分、聖マイルーム(室温23℃)~

米沢聖「今回も“ヒナギク”先生の作品尊いつらい……」

   〈右手に“ヒナギク”の新刊を持ったままカーペットに横たわる〉

~年越し22分後、聖マイルーム(室温18℃)~

米沢聖〈寒さで目覚め、聖の女上司からの着信で目を丸くする〉

米沢聖「ごめんなさい先輩、今行きます!」

~年越し30分後、中(あたり)神社境内~

米沢聖「先輩どこ……」

   〈人混みに酔って境内の隅にしゃがみこむ〉

上代尊(どこもかしこもカップルだらけ……実にいい!)〈陶酔の表情〉

   「ん、あれは……」〈聖がいる方角へ向かう〉

   「大丈夫ですか? よかったらこれを」〈のど飴2個を聖にさしだす〉

米沢聖「ありがとうございます……ところで新刊は手に入りました?」

上代尊「ええ」(昨日の即売会で会った人だ)

上代尊「あの……」

聖の女上司(匿名希望)「ヨネ! 大丈夫か?」〈聖を介抱する〉

米沢聖「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

聖の女上司(匿名希望)「ごめんね、ウチの部下が迷惑かけたね。なにかお礼でも」

上代尊「いえいえ、大丈夫ですよ」(王子さまみたいな顔つきだな)

聖の女上司(匿名希望)「わかった。ありがとう」〈人混みの中へ消える〉

~年越し50分後、中神社境内のベンチ~

米沢聖「ん……」〈仰向けの状態で開眼〉

聖の女上司「気づいたかい?」

米沢聖「先輩、あの男の人は?」(先輩のふとももたまらん)

聖の女上司「多分、帰ったんじゃないかな」〈聖の頭をなでる〉

米沢聖「そう、ですか」(なにかお礼したかったな)

聖の女上司「知り合いかい?」

米沢聖「あの人は……いえ、なにも」(即売会のことは黙っておこう)

聖の女上司「そっか」(イベントかなにかで会ったんだね)

聖の女上司「そろそろまばらになってきた。初詣して帰ろう、私も寒い」

米沢聖「はい!」〈起き上がる〉(よきふとももタイムでした)

~年越し60分後、中神社鳥居前~

聖の女上司「おやすみ」

米沢聖「おやすみなさい!」

~年越し61分後、中神社からの帰路~

米沢聖「さむい」〈ポケットに手を入れ、飴を取り出す〉

   「のど飴か、ちょっと食べてみよ」〈のど飴1個口の中に入れる〉

   「……!」(薄荷かな? めっちゃスース―する!)


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