週中の詩11「趣味はまるで合わないけど」
登場人物
・上代尊…”ヒナギク”の同人誌に魅了された男。尊み求めて彷徨う上り野郎。アカウントネームは“SEM-01”(読み「せむいち」)。自分と友人たちは陽キャではなく、その猿真似をする陰キャだと思うこの頃。
・尊の友人たち…個人情報保護、および尊の希望で、本編では「笑」「爆」「Q」と呼称。3人はゲームの話で盛り上がり、尊はそれを見守る。そんな関係が19歳の頃から続いている。俺らの遊ぶとこって撮れ高あるよね?
~2月21日11時53分、アミューズメントパーク『駅前』~
上代尊「おまたせ」
友人笑「おぅ」
友人Q「じゃあ、行くか」
友人爆「おk」
~2月21日12時23分、アミューズメントパーク『駅前』内レストラン~
友人笑「でさ、そいつの属性値がさ……」〈犬食い状態でステーキを食べながら〉
友人爆〈くちゃくちゃと音を立てながら丼ものを食べている〉
友人Q「ああ、ちょっとなんとかならんかったのかって思った」〈少し猫背でピザを食べながら〉
上代尊(学食食べてるときと同じ食べ方してる。気を付けよ)〈背筋を伸ばして唐揚げを口に入れ、10噛み以内で飲み込む〉
友人笑「尊、食べるの速過ぎだろ、前から思ってたけど」〈ステーキを口に入れながら〉
上代尊「そうか?」
~2月21日13時05分、アミューズメントパーク『駅前』内ボウリング場~
上代尊「よし、ストライク!」〈ガッツポーズ〉
友人笑「おー、やったじゃん」
友人Q「次は俺だな。よーし……」
友人爆「で、こいつの数値がな……」
友人笑「ああ、これはなかなか……」
上代尊(こいつらどこでもゲームの話してんな。飯のときもそうだったけど)
~2月21日17時45分、アミューズメントパーク『駅前』内ボウリング場~
友人笑「どうする? これからオケ行く?」
友人Q「やめとく」
友人爆「同じく。肩バキバキ」
上代尊「パスで」
友人笑「正直俺も運動不足なめてた。今日はお開きだな」
友人Q「お疲れ」
友人爆「また休み明けに」
友人笑「おぅ」
上代尊「またな」
〈尊、および友人たち、散り散りに〉
~2月21日18時09分、尊の部屋までの帰り道~
上代尊「これは明日筋肉痛だな……」〈某焼肉店が視界に入る〉
上代尊(へえ、少人数個室があるのか。疲れた体にはちょうどいい)
匿名女上司(ん? 彼はたしか正月の時の……)〈尊の姿を捉える〉
米沢聖「どうしました?」
匿名女上司「いや、何でもない。行こうか」
米沢聖「はい!」
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