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着る脱ぐのうた

たまにNHK短歌に投稿している。

岡野大嗣さんの週のテーマが「着る/脱ぐ」だった。これはかなり身近なことだし、なんか作れそう!と思って取り掛かった。わたし服好きだし。

めっちゃ難しい。

毎日やってることで、誰にでもある日常なのになぜこんなに難しいのか。なんか服の歌ばっかりできる。可愛い服を着るとき、オフィスカジュアルのとき…。でもそれは服の歌なんよ。



あるアイテムとワンセットになってる動作は作りづらそう。「食べる(食べ物)」とか。逆に「歩く」とかだと、周りの景色を自由に変えられるから作りやすいかもしれない。

そうか!周りの景色を変えやすいかどうかかも。着たり脱いだりする場所や状況って「歩く」とかに比べるとそこまでバリエーションが多くないから。味付けしにくい、というか。

まあだから、それは名詞でも同じことかもしれない。「ミラーボール」をテーマにされても浮かべる景色はかなり限定される。


あと「着る/脱ぐ」は、それ自体を目的としない動作であるということもある。ある状態になるための通過点であり、その動作をしてる最中、たいていの人は目的だけ(服を着た状態になる とか)を見据えている。だからいざテーマとして出されると、それへのイメージが特になくてオロオロしてしまう。普段意識してないから。

「料理を作る」とかも、あくまで目的への通過点ではあるけど、包丁で切ったり皮で包んだり、動きのバリエーションがある。そのぶん動作をする側の感情も動くし、この工程なんか好きだなーとかも出てくるし、まだ歌にしやすいかもしれない。

着る、脱ぐって本当にすごいテーマだ。ぼーっとしてたら着終わってるし脱ぎ終わってるもんな。好きも嫌いもない。



着る脱ぐは、「着眼点」として扱われることの方が多い気がする。たとえば「テーマパーク」というテーマを出されて、「着ぐるみの中に入っててそれを脱ぐ場面の歌」とか。
着眼点はその動作やものが限定的であるがゆえの景色の広がりが醍醐味だと思う。先ほど述べた「脱いだり着たりする場所や状況の限定」が、その歌を読んだ人に景色をより鮮明に見せるということ。

とりあえず私は朝のお着替えタイムにもっと精神を集中させるべきだな。

歌の投稿の締め切りまでまだあるし、もーちょい粘るかー。




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