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第61回宣伝会議賞【広告業界】篇

 たまたま気まぐれではじまったこの企画ですが、どうもどうやら年内に完走し終えれそうです。冬だし乾燥だし、いっぱい書いたけど特に感想なしだし・・ですが、今年の一年はまさに宣伝会議賞にすべてを費やした一年であった、と自負しているので振り返ることが出来て嬉しかったです。
 
 
 のっぴきならないわけで最終回は【広告業界】。
 
 これは宣伝会議賞からの特別課題ですね。テーマは「広告業界で働きたくなるアイデア」。
 
 短い。あまりにも短い。脱水症状も短かったけど、こちら、輪をかけて短い。
 いや、どうでもいい話をしてるかもしれませんがね、課題って当たり前ですがなにかを書くためのヒントですから。長ければ長いほど、そこに「方向性」のヒントが隠されているわけです。だから短い、というのはそれだけ、「何書いてもいいよ」ということであり、これは一見すると「自由だひゃっほーい!」ってなるかもしれませんが、こと創作において、自由って一番難しい足かせなんですよね😅
 だだっ広い砂漠にポンっと投げ出されたような感じ。
 どこにでも行けるが、どっちに行ったら正解なのかが誰にもわからない。
 
 またねー、コピーが好きで、広告が好きでこの宣伝会議賞に挑んできている人たちに向かって「広告業界で働きたくなる」ってのがいいじゃないですか。働いていない人たちにとっては、俺も俺も俺も~、ってなるわけだし、働いている人たちにとっては「ここがこんな風に改善されるならもっとここで働きたいなって思えるのに」みたいなものが出てきそうですね。
 いずれにしても、「自分事」過ぎて、ちょっと想いの入り過ぎた、前のめりのコピーがいっぱい出てきそうです。
 
 今回「大喜利課題」が多かったなということはこのシリーズを通じてさんざ言ってきたことですが、この「広告業界」もがっつり大喜利課題ながら、ちょっと毛色が違うことを感じていました。
 要はいっぱいポンポン出てきそうではあるが、「広告業界に興味のない人」を置いてきぼりにしそうな感じ。
 コピーおたく、広告おたくたちに見せ合うような、マニアックなコピーがいっぱい出てきそうな予感がしました。
 僕は僕自身はもちろん広告業界で働いているわけではないし、そこまでコピー大好き、広告大好きって人間でもないのですが、それでもこの2か月間は生活のすべてを宣伝会議賞に費やすぞ、くらいのつもりでやっていたわけですからね、広告に対して当然思い入れは強くなります。
 だからこそ、ブレーキを踏みながら、自分の中の「コピー愛」をセーブしながらでないと、あとで見返したときに夜中に書いたラブレターみたいな、ひとりよがりのうっすら寒いものが量産されてしまいます。
 なので、この課題に関しては、「書きすぎないこと」を目標に、書いていました。
 一日に、5本以上書かない、とか制限を設けながら。
 そういう意味では、一番はじめに取り組んだ「赤ちゃん本舗」に近いものがありますね。
 つまり、愛のあるものはコピーにしやすい、ということか(笑)
 
 
 ただでも、この課題ってもう一個難点があって、かつて「マスメディアン」さんが似たような課題を何度か出しているんですよね。
 「学生に『企画ってなんか面白そう』と思ってもらえるキャッチフレーズ」「『アイデアを生み出す人の大切さ』が伝わるコピー」なんてのがあって、「広告人(広告の仕事に携わる人)を応援するアイデア」っていう、そのものズバリ、の課題もあります。
 僕はこのうち一個しか挑んでないわけですが、もう何年も挑んでいる人にはこれは既視感のあるテーマだったと思います。
 この、今までに出たものといかに違うものを出していくか、っていうね。
 
 広告のあり方、と言いますかね。今の時代に、広告はどういう役割を果たしているんだろう? っていうことを、当たり前ですが中心に考えていましたね。
 広告。チラシなんかもそうですし、DM、街角のポスター、モニター、テレビのCM、ネットにも開くといちいち広告出てきますね。スマホゲームでもちょっとライフを回復させたいのなら動画広告を見よ。
 やっぱり一般的に広告って「邪魔」っていう印象ありますよね。でも、ないならないでそれは寂しいものではないか? っていう。寂しいというよりも「出会い」がないですよね。もちろん欲しい情報があれば自分で検索して探すわい、ってのが本来なのでしょうけど、「へぇ~こんなのあるんだ」ってなるのは、やっぱり広告なわけでじゃないですか。そういう意図せぬ出会い、大げさに言えば新しい世界を開く扉でもあるわけで。
 また、情報を伝える、という役割を担っていますよね。知っておかないと損をする。時には命に関わるような情報。それを伝えるのも、広告の役割ですよね。
 
 あとですね、これはもうこの世界に関わる前から感じていることですが、広告って「刷り込み」って効果もありますよね。
 普段ね、広告を見て「これ欲しい!」って思うこと、まずないんですけど、でもじゃあ広告なんて意味がないかっていうとそんなことはなくて、マクドナルドなんかいうと、「月見バーガー」とかね、冬になってくると、お、グラコロの季節か、ってなって、なんとなく食べたくなるじゃないですか。あれはやっぱり宣伝効果なんじゃないかと思うんですよ。もちろん初めに食べるからまた食べたくなるんですけど、CMがその記憶を呼び起こすわけですよね。
 あとは知名度って言うかね。
 たとえば「ファブリーズ」ってあるじゃないですか。消臭スプレーと言ったら、あれなんですよね。芳香剤と言ったら「消臭力」みたいな。あれもテレビやなんかで繰り返し繰り返し聞かされるうちに、なんとなく脳に刷り込まれるものじゃないのかと思います。
 お使いとかで人に買ってきてもらう時、「消臭スプレー買ってきて」よりも「ファブリーズ買ってきて」の方が伝わりやすいじゃないですか。
 多くの人、そこまでいろんなことにこだわってないですから。ファブリーズより、私は絶対こっちね! とかって生きてる人ってひと握りですよ。だいたいは「なんでもおなじ」と思って生きている。で、そこに値段とかで大きく差がないのなら、やっぱり「知ってる」ものを買いますよ。名前が売れているものを買う。結局、名前を売るためのものですよね、広告って(あ、これコピーになりそうだ!)。
 だからそういう意味でも広告ってやっぱりちゃんと機能はしてると思うんですよ。
 だから、なくてもいいかというと、ないと困るものですよね広告。
 でも、「広告でござーい!」ってのもちょっと違う。広告とか、コピーはあくまでも「添え物」なわけで、商品や伝えたいことより前面に出ちゃいけないですよね。面白いんだけど、結局なんのCMなんだっけ、これ? みたいなこと、たまにあって😂
 
 そういうことを、うん、書きましたね。うん。
 
 あともう一個は、「広告人とはなんぞや?」みたいなことを考えていました。「広告人」がどんな人か良く知らないのですが(身内にいるにもかかわらず)、SNS上で見るコピリストの方々のことを考えながら。
   とにかくまぁ、変な人たちだなぁっていう(笑)
 僕もたいがい変な人ではあるのですが、よくもまぁ、こんな変な人たちがいるもんだ、と思って。
 すごく承認欲求の高い方々でありながら、じゃあ芸人になったりタレントになったりするかというとそうでもなく、あくまでも「裏方」でよろしい、という。ちょっと矛盾してる、分裂気味な方々だと思っています。
 どっちかっていうと、世の中を俯瞰で見ていたいのでしょうね。ステージに立って沸かせるよりも、客席の後ろくらいから、舞台とお客さんの反応を見ていたいっていう。
 
 思うに広告人って不思議な方々だなぁ、と思います(勝手に想像します)。基本的には暗いところでひとりで黙々とPCに向かって唸ったり、紙に書いて唸ったり、ウロウロ歩き回って唸ったりするするわけですよね。基本、ひとり作業が大好きなわけです。でも文化祭的な、みんなでワイワイも好き、という。て言うか、そうしないと広告なんて、作れませんから。ひとりで作っているわけじゃないわけで。
 だから、基本ひとりでいる方が好きだけど、社交性も求められる。
 ワンマンプレーも必要だけど、チームプレーも求められる。
 この世界(?)にきっちり関わるようになって半年くらいですが、Twitterやnoteを見させてもらう限り、全体的に「人見知り」の方が多いように思われます。僕も、そうです(笑)
 贈賞式で誰とどう話していいんだ? みたいなエピソード、皆さんもおなじで、ちょっとホッといたします。
 社交的だと思っている方も、「場慣れ」しているだけで本当は意外に人見知りであったりするのではないでしょうか?
 でも人見知りだからこそ、人が何を考えているのかが気になるし、自分の考えていることを表現できる場所を求めている。そんな気がします。
 
 僕が想像する広告人って、たぶんそういう方々です。
 天才的なクリエイターなんてひと握りで、あとは普通の、ちょっと社会に馴染めないような一般人で、優しくて傷つきやすくて、でもひねくれもので時々素直で、負けず嫌いで諦めが悪くて、楽しい時は思いっきり笑って悲しい時は思いっきり泣くような、「人間らしい」人間。
 そんなことを思い浮かべて、そんなことをこの課題では表現できたと思います。
 素敵な、皆様への感謝を込めて・・(という、ほら、気持ち悪いコピーになるでしょ?🤣)
 
 
 ということで長らくお付き合いいただきました第61回の宣伝会議賞の振り返りも今回で最終回。今回学んだこと、失敗したことを糧に来年も挑みたいと思いますが、出来れば挑まなくなれる方が嬉しいですよね(笑)
 最終回ということも相まって、ちょっと長く、想いのあるものを書いてしまいました。
 ここまでこれを読んでいただいたことと、皆様との出会いに感謝をこの一本に込めてみました。
 いつか皆さんに生でお会いできることを祈念して。
 
 

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