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ララランドと、もしもランド

『ラ・ラ・ランド』について、いつもいつもnoteを書きたいと思っていた。すっかりタイミングを逸していたので、ついに地上波放送されると聞いて今しかない! と思い、当時書きかけて熟成していた下書きを引っ張り出してみる。

公開当初、評判が分かれていたけれど、じつは私も1度目にスクリーンで観たときはピンと来なかった。それでもなぜか「もう一度観たら好きかも…」そんな風に思わされるなにかがあって、結局映画館には2回足を運んだ。

ストーリーが微妙? いやいやそんなことはない。2回以上観るとその良さがわかる気がする。

その良さとは。

『ラ・ラ・ランド』は、誰もがこころに持っている「もしもランド」への扉をそっと開いてくれるのだ。

もしもランドへようこそ

さて、もしもランドってなんぞや、という声が聞こえてきそうなので説明すると、もしもランドとは私が勝手につくった言葉。

「あのとき、こうしていれば…」
「もしもあそこで◯◯を選んでいたら…」

こんなふうに実際には選択しなかったその世界のことをもしもランドと呼んでいる。

多くのひとが、もしもランドを、こころのどこかに持っている。それはなぜか。

それは「あのときあっちの道を選んでいれば幸せになってたかもしれない」といういい訳を残しておきたいからだ。その道を選ばなかったことは、”うまくいったかもしれない可能性”、”幸せになっていたかもしれない可能性”を残す。

『ラ・ラ・ランド』がみせてくれる「もしもランド」の扉

女優志望のミアと、ジャズクラブをオープンする夢を持つセブは、ミアが成功への切符を手に入れた時点で一緒になる道を選ばなかった。ラストにかけてたたみかける夢のような、幸せいっぱいの、そしてちょっとビターなシーン。あれが2人にとっての、もしもランドだった。

そしてそれをスクリーン越しに観るわたしたちは無意識に、それぞれの持つもしもランドへと思いを馳せることになる。

「夢を追っていれば…」
「あのとき、あのひとと一緒になっていれば…」

誰もがあのラストの夢見ごこちのシーンで、自分のもしもランドに思いを馳せる。ここに『ラ・ラ・ランド』のストーリー的な意味での良さがあると私は思っている(そのほかにも、音楽や色彩がどんぴしゃで好みというのは置いておき)。

『ラ・ラ・ランド』つまらないのでは、と思って観ていなかったひとにもぜひ一度観てほしい。(個人的には2回観て良さがじわじわと伝わってきた。)


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