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【感想】機界戦隊ゼンカイジャー

まずは筆者画。

『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021)も8月29日放送分で25カイ。例年通りならば折り返しという事で現時点での筆者の感想を記す。

『ゼンカイジャー』対しては「虫取り=狂人化」とは香川照之への批評か?等、言いたい事は山ほどあるが、「敵味方の弛緩した関係」と「大きな事件の不在」の二点を指摘したい。

「敵味方の弛緩した関係」という事で言えば、ヒーローたるゼンカイジャー側と侵略者たるトジテンドの緊張感の無い戦いが挙げられる。

これもご都合主義と言えるが、「タイム!休憩!」で敵が帰る、「なんとなくだけど」で勝ってしまう等々、筆者には、お互いどこまで本気なのかわからない。

ただ、過去作品で「敵味方の弛緩した関係」と言えば、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』(1984)があるが、決して筆者が『トランスフォーマー』を嫌いになれない理由でもある、緊張感の無さが転じて「奇妙な味わい(言語化するのが難しい)」になる瞬間、それは『ゼンカイジャー』にもあるかもしれない。

次に「大きな事件の不在」を指摘したいが、筆者の言う「大きな事件」とはキャラクター「全員」を巻きこむストーリー上の仕掛けの事で、それはサスペンスでもミステリーでもかまわない。

その「大きな事件の不在」のしわ寄せを受けているのがステイシーである。ステイシーの過去話がミステリー的な仕掛けではあるのだが、主人公の介人、ステイシー、榊原郁恵と関係者が限定されているので「大きな事件」としては吸引力が弱い。

そのうえ、ジェットマンパロディや筆者が無視している仮面ライダーとのコラボ等々、よけいな事をしているわけで、いよいよステイシーパートの取って付けた感じがするのはその為である。

これも過去作品で「大きな事件」としてのミステリーと言えば、それこそ『ゼンカイジャー』の白倉Pが携わった『仮面ライダーアギト』(2001)におけるアンノウンによる不可能犯罪、超能力、その発端であるあかつき号で登場人物達に何があったのか…という事をやっていたと思うのだが、20年でこうなるかと感じ入るものである。

文句ばかり言ってもアレなので、少しばかりの提案をするなら、ステイシーの過去話をキャラクター「全員」を巻きこむ「大きな事件」にふくらませる、あるいは新しい「大きな事件」を作る事である。これができればステイシーパートの取って付けた感じは無くなるはずである。妄言多謝。

最後にも筆者画。