ブーツの侵入者

前回 のように、服をちゃんと着れないことも多々あるのだけれど、靴もちょっと難しいらしい。確か、前の冬のことだったと思うけれど、ジムの帰り道にブーツをはいた時のことである。

トレーニングをした後に大汗をかいたので勢いよく靴下を脱いだ後に、替えの靴下を忘れたことに気づいた。ただ家まで自転車に乗ればすぐなので、濡れた靴下を履くよりも、裸足でブーツに足を入れることを選び、自転車置き場に行くと、お財布がなくて自転車が出せないことに気付く。自転車で来て歩いて帰る、そして自転車を迎えに歩いてきて、自転車で帰る、という無駄な一往復が加算されることになるのだけれど、過去に何度かやったことがあるのでそれほどショックは受けない。何よりもその頃、トイレに行きたくなっていたので、自転車を置いてさっさとおうちに帰ることにしたのだった。

家まで歩いていると、足の甲に小石のようなものが当たって、ちょっと痛い。足の裏ではなく、足の甲に石がどうやって入るんだろう?と思ったけれど、もうすぐだったので家までそのままにしておいた。そして玄関に入って靴を脱ごうとしたら、石が当たって痛くて脱げない。しかも足は裸足である。無理やり脱ごうとしたら、足が傷つくかもしれないので、普段はベルトやファスナーを開けなくても脱着できるけれど、それらを開けるしかない。しかし、普段開けたことがないベルトやファスナーなので、なかなか手強い。しかも、私はトイレに行きたいのだ!!

玄関で、モジモジしながら焦理ながら、片足裸足でブーツと格闘している女。なんとも間抜けである。しかし、なんとか脱げたのだけれど、ブーツの中から出てきたのが・・・。

小石ではなく自転車の鍵。
しかも、キーホルダー付き。
しかも、2つ。

なんで、ブーツに自転車の鍵が入る?
なんで、足の甲に乗っかる?
なんで、2つ?

全くもって状況は理解できないけれど、「とりあえず、トイレ行こ。」とその場を後にした。その後、あまりに不可解な状況に脳は停止し、荷物を片付けてシャワーを浴びて休憩をして、しばらくしてからお財布を持って自転車を迎えに行った。自転車を出しながら、お財布持ってても、自転車の鍵がブーツにいたんだから、どっちにしても自転車は出せなかったな!と、慰みにも何にもならないことをおもったことを覚えている。

ちなみに、自転車のキーホルダーは、結構大きくて一つは鈴までついていた。そんなものがどうやってブーツに侵入するのか、足の甲に乗るのか、未だ深い深い謎である。

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