【2017年版】企画者が知っておきたいスマホアプリ市場動向
毎日1,800本以上のスマートフォンアプリがApp Storeにリリースされているというデータもあるようで、今年も我々を驚かせるようなアプリが登場してくることが期待されます。そこで、アプリに関する市場動向データから、2017年にアプリ市場がどのように推移しそうか分析・予測しました。
スマホアプリ市場は堅調に成長
調査会社のApp Annieのレポートによると、2016年の世界のモバイルアプリ収益は、広告収益が521億ドル(前年比29%増)、アプリストア収益が362億ドル(前年比24%増)となっており、市場規模はまだまだ成長している状況です。市場全体の規模としては、883億ドル(約10.1兆円)になっています。
第4四半期におけるApp StoreとGoogle Playのアプリストア収益を見ても、2015年と比較してそれぞれ60%増、82%増になっており、市場が成長していることが分かります。
ダウンロード数はSNS・メッセージ系が好調維持
ゲームを除くアプリダウンロード数では、「Facebook」「Messenger」「WhatsApp」「Instagram」「Snapchat」「imo」などのSNSやメッセージ・チャットアプリが上位を占めています。これらのアプリは、一般ユーザーは無料で全ての機能を使うことができ、ダウンロード数やアクティブユーザーを増やすことで、広告収益を得るモデルが主流になっています。
アプリ収益は音楽・動画ストリーミング系が好調
一方、ストア収益ランキングを見ると、「Spotify」「Netflix」「Pandora」「HBO NOW」「iQIYI」「Hulu」といった音楽・動画ストリーミング配信アプリが占めており、アメリカを中心に音楽や動画コンテンツに対して課金するアプリが浸透してきたと言えるでしょう。
また、「LINEマンガ」のようにマンガコミック本や雑誌の購読課金モデルも着実に広まってきているようです。
ストア収益はゲームが圧倒的な強さ!でも成熟期に差し掛かったか?!
App StoreとGoogle Playのジャンル別ストア収益では、ゲームアプリがそれぞれ75%、90%を占めており、圧倒的な収益の高さを示しています。これは2017年もゲームがアプリ市場の中心になることを示唆しています。
しかし、2016年のカテゴリ別アプリ利用回数の成長率(15年対比)では、ゲームが-15%となっているデータがあり、ユーザーがゲームに少しずつ飽き始めているのかもしれません。また、ユーザーの嗜好によって商品やサービスをレコメンドしてくれるパーソナライズ系アプリは成長率が-46%になっており、過熱気味であったAI(人工知能)搭載を謳っているアプリからのユーザー離れが起きているのではないかと思われます。
一方、「SNS/メッセージチャット」「スポーツ」「ファイナンス」「ショッピング」分野は+20%以上の伸び率となっており、堅調傾向です。
カテゴリ別アプリ利用時間においても、ゲームアプリがマイナス成長(-4%)となっており、ゲームアプリ市場が成熟フェーズに入ってきていると捉えられます。
「SNS/メッセージチャット」の利用時間が+394%と顕著に伸びていますが、調査会社のFLURRYによると以下の理由があると分析しています。
・スマートデバイスがどこでも利用できるようになった。
・通信速度の早いモバイルブロードバンドの普及。
・音声通話や動画通話といった新機能の登場。
・コミュニケーションとエンターテイメントの両方をアプリで楽しめるようになった。
・ライブコンテンツの追加。
・「I Generation(I世代)」が成長したこと。(「I世代」とはスマホが出た時にはまだ子供だったが、現在ティーネイジャーとなり、スマホを所有している世代を指す。)
ゲームはヒット作が少なく、世代交代が進まない
2016年の世界のゲームアプリ収益ランキングでは、’16年にリリースされたアプリは「ポケモンGo」「Clash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)」の2作のみしかランクインしておらず、「モンスターストライク」「クラッシュ・オブ・クラン」など、数年前にリリースされたゲームが多数を占めています。
日本の国内市場を見ても、’16年にリリースされたのは「ポケモンGo」のみで、なかなかヒット作が生まれておらず、世代交代が起きていない現状が、ゲームアプリ市場の成熟化を招いているのではないかと思われます。
まとめ
・スマホアプリ市場は10兆円規模かつ2ケタ成長を維持しており、2017年も注目の市場
・DL数はSNS/メッセージ系が強く、ストア収益は音楽/動画ストリーミング系が好調
・ストア収益はゲームが圧倒的だが、世代交代が進まず、成熟期に突入した感が出ている
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