アキレス腱断裂(手術)

手術が決まって入院することになった。家に帰る余裕もなく、持ってきたものは財布とスマホのみ。これからの入院生活不便になるのはわかりつつも、手術の恐怖感でいっぱいになった。

手術をするのは今回が初めて。手術前には、心電図、尿検査、採血、点滴など、色々やることが多いことを知った。私は痛いのが苦手なので、何度も体に針を刺されることがとても嫌だった。

無事手術前の検査が終わり、ベットに寝転がることができた。右足は包帯で固定されているが、伸ばしたりすると痛い。なので、左足の膝の上に右足をのっけておく状態が一番楽だった。

「やっとベットでゆっくりできる~」と思ったら、入院に関する手続きや、手術前のシャワー、手術着に着替えるなどやることが多くて、すぐに手術時間である15:00を迎えた。

そして、手術室に運ぶためのストレッチャーがやってきた。私が今いるのは四階。手術室は二階にあった。エレベーターの中で、点滴をぶら下げたおじいちゃんと遭遇したが、おじいちゃんは優しそうな眼をしていた。手術室に入るとファンキーモンキーベイビーズの曲が流れている。意外とリラックスした感じの雰囲気で驚いた。

手術台で仰向けになると、無影灯が正面に見え、ドラマとかで見る風景と一致した。しかし、私の手術内容はアキレス腱の縫合であったので、すぐに横向きに体を動かした。先生が腰椎麻酔の説明をしてくれる。下半身の感覚が次第に無くなってくるらしい。背中に麻酔を打つので、結構怖かった。先生や看護師さんの優しい声かけのおかげで、落ち着いて麻酔を打ってもらうことがでた。でも、麻酔は痛い。

下半身が痺れてくるのがわかる。10分くらい坐禅をした時と同じ痺れである。私が恐れていたのは、麻酔が効かないまま手術が始まってしまうことだ。「麻酔があんまり効いてなくて、痛かった」という人の話をどこかで聞いたのが原因だと思う。自分も少しでも感覚があったら、伝えるようにした。徐々に痺れが強くなり、おしりの方がじんわり温かくなってきた。麻酔が効いているのか確かめるために、冷たい氷みたいなので逐一確認してくれたが、冷たさも感じない。そして、先生がふと、「○○くん、太ももの毛引っ張ってるのわかるー」って聞いてきたが、引っ張られていることに気がつかなかった。

逆に太ももの毛が引っ張られてることに笑ってしまった。面白い先生で本当に助かった 笑

そして、右足のアキレス腱を揉まれても何も感じなくなった。その時、ようやく安心することができ、睡眠薬の効果で意識を失った。

起きたら手術室の中だった。もう手術は終わったらしい。痛みなどはなく、本当に手術をしていたのかと不思議に思うくらいだった。入院ベットに運ばれ、時間を確認すると17:00くらい。意識はしっかりしていた。吐き気や頭痛などはない。麻酔が効いているのか、足の下の感覚がないことがわかる。

麻酔の効果が切れたらどんな痛みがやってくるのだろう。手術後の体験談を見ると、痛くてナースコールをしてしまったとか、とにかく痛いといった感想があった。自称痛みに弱い人間なので、めちゃくちゃ不安。

その日は遅めに病院食を頂き、眠れぬ夜に突入した。


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