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【無料公開】ドラッカーの小さな学校〜思想としてのマネジメントとその源流〜

ドラッカーの小さな学校2020年度 
2021年2月20日(土)13:30〜17:30 開催
●講演-1:思想としてのマネジメントとその源流 / 井坂康志 
(講演動画はこの記事の一番最後にあります)

 マネジメントの思想とはどのようなものでしょうか。
それはドラッカーの出生から青年前期を生育環境の視点から眺望することで見えてきます。
本講では、彼の知的定点の所在を正確に把握しつつ、市民としてあるいは職業人として彼がとらえた課題を〈初期〉著作における観察枠組みの形成とのかかわりにおいて明らかにします。20世紀初頭にオーストリア人としてウィーンに出生し、ハンブルグ、フランクフルトで青年期を過ごした事実は、言説構造に深く内在する危機への観察という隠された契機を暗示しています。その観点に立つならばドラッカーが深刻な近代の危機のただ中に生まれ、人となった事実ほど に、社会観察上の基本的な視座の所在を雄弁に物語るものはありません。
というのも、ドラッカーの発言において、第一次大戦とそれに続く危機観察の原点を見るならば、ヨーロッパ世界の廃墟から始まり、その現代的再生はアメリカ産業社会の中に主たるテーマが見出されています。ウィーンからアメリカへの移動において、失われた世界再興への意志は『経済人の終わり』( 1939 年)、『産業人の未来』( 1942 年)、『企業とは何か』( 1946 年)の枢要な主題を占めてもいます。
自由の喪失をもって廃墟と化した世界に救済があるとすれば、自由の再獲得を通じて解決されなければならないのは言うまでもありません。その点に、マネジメントの中心をなす思想性の根源があります。

井坂康志(いさかやすし)
ものつくり大学特別客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。著書に『ドラッカー入門 新版』(上田惇生氏と共著、ダイヤモンド社)、『 P ・ F ・ドラッカー--マネジメント思想の源流と展望』(文眞堂、経営学史学会奨励賞受賞)等。

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[ドラッカー の小さな学校 開講に当たって]
http://drucker-ws.org/projects/druckers-small-scholl/

「歴史的転換点にある日本とマネジメントの課題」
 ~オンラインで集中的に学ぶ!! ドラッカーの思想とマネジメント~

 2020年はドラッカー没後15年の年に当たります。ドラッカーは生前、歴史的転換期は100年に一度訪れると指摘しました。著書『断絶の時代』によると、20世紀文明は1920年ごろ、ジェームス・ワットの蒸気機関の発明により20世紀文明の扉を開きました。以来50年にして、1970前後に20世紀文明の頂点に達しました。その後の50年は20世紀文明の終焉期であり、同時に新しい文明への創成期に当たります。
 このドラッカーの歴史観によると、2020年から数年間は文明サイクルの底辺に来たことになります。つまり私たちはいま、コロナ禍による苦難の渦中にありながら、時代の歴史的転換点に生きているわけです。
 次なる時代を創造するために求められるのは、ドラッカー思想の中核にあるマネジメントを学び実践することが重要になります。
 以上の趣旨により、ドラッカーの小さな学校では、ドラッカーの思想とマネジメントを集中的に学ぶために相互学習の場を用意した次第であります。貴重なドラッカーの講演映像も視聴します。
――― 藤島秀記(ドラッカー学会理事)
主催:ドラッカー学会
共催:ドラッカーの窓から明日を考える研究会、ドラッカー「マネジメント」研究会

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【講演動画はコチラから】
●講演-1:思想としてのマネジメントとその源流 / 井坂康志


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