四段を目指す将棋講座 #15

#14の続きです。
矢倉対5三銀型右玉の将棋です。
後手が攻めてきたので先手は反撃に出てます。ここでは、どのように対応しますか?

どのように対応するか?


















形勢:
駒の損得→互角
玉の固さ→やや先手持ち
駒の働き→ほぼ互角か、やや先手持ち。後手は3ニの金が微妙
手番→先手
総合→全体的には先手に分のある展開と見る

次の一手:
「▲5五歩」

角道を止めて攻めの準備

解説:
初めに、▲5五歩に代えて▲3五銀は、△6六角▲同金△5七銀と進んで先手敗勢です。

常に警戒すべき攻め筋

したがって、▲3五銀と指す前に、△6六角を消す必要があります。そこで▲5五歩と突きます。
ここからの変化は多岐に渡るので、一例を示します。例えば▲5五歩に△5五同歩は、以下▲3五銀△2ニ角▲4六銀と進むのが一例です。

玉頭方面で勝負したい


先手は最後の▲4六銀に代えて▲3四銀もありますが、△3ニの金に働きかけてるのが不満です。先手は玉頭方面で戦いを狙うほうが本命と思います。

▲4六銀以下、△5六歩が後手としては最強の応手です。これに▲5六同金は△7七歩で優劣不明の叩き合いとなります。ここでAIの推奨は、△5六歩に▲6五銀△同銀▲同飛△9九角成▲6四歩の攻め合いです。

玉頭での攻め合い

先手が手厚そうにも見えますが、△6四同銀▲同飛△6三香が狙いの切り返し。以下の進行例は、▲5四桂△5三玉▲7四飛△6七香成▲同金△5八銀です。

少なくとも初見では優劣不明の叩き合い

こう進むと、難解な形勢の叩き合いです。
AI的には、どこかで▲7七角が好感触なので先手有利のようですが、複雑で、すぐに形勢が入れ替わりそうです。

このように、5三銀型右玉は、後手の攻撃力が高いため、常にギリギリの攻め合いになります。逆に攻め合いで怯むと差がつきやすい戦型でもあります。

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