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願い

あの空へ あの日
父が昇って行った

青空が広がる空へ

私も連れて行って欲しいと
泣き叫ぶようになった母

どうか母を連れて行ってくださいと
心の底から願った私


自分の幸せは
他の人には決して理解できない

死ぬことが幸せなら
願いが叶えばいいね

私は 私を 生きるよ

母の手を離した私

あなたもいつか
気づくといいね

どんなに辛くても
生きてさえいれば
涙が流れるほど
心が震えるほど
幸せに包まれる日もあると

あぁ
きっと知っているんだね
だから
終わりたいと
思ったんだね

幸せすぎた事に気づけたから
この先は
闇しかないと思ったから


私が与えられなかった幸せを
いつか
あの空の向こうで
また手に入れられたらいいね

せめて私ができることは

幸せにしてもらいたい
ではなく
幸せにしてあげたい
と思える人に
生まれ変われますように
と 願ってあげることだけだよ


数ヶ月前までは
そんなふうに思っていた

時は、人にとても優しい
苦しんだ記憶や人の醜さは
少しずつ薄れさせてくれて
代わりに
愛おしく思った記憶や
幸せを感じた瞬間を
強く思い出させてくれる

心を少しずつ軽くしてくれる

二度と戻れないから
二度と戻らなくていいから

寂しくもあり
ありがたくもある

自分が幸せな気持ちになれるように
幸せでいられるように
願いながら生きよう

母が穏やかに暮らせるようになったことに
心の底から感謝している

よかったね
いつか父のもとに行けた時
また大切にしてくれるように
笑顔でいてください


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