見出し画像

モダニズム建築なの

知人に誘われ、羽島市役所旧庁舎を残そうというシンポジウムに出かけた。

第一回だった前回、取り壊しに向けての設計予算案が議会を通ったと聞き、もう手遅れでは?と思った。
しかし、なんとしても建築家・坂倉準三の作品を残したい人たちが、再び集まる会が開かれると聞き、気になって出かけることにしたのだった。

日本人の多くは、京都や奈良にある古い建築は残すべきだと思っているだろう。
しかしコンクリートの建物は、古くなれば壊して建て替えるものと思っていないだろうか。

今やコンクリートや鉄の建築が重要文化財になる時代だ。

名古屋のテレビ塔がラグジュアリーなホテルに生まれ変わったように、名建築は本来の役目を終えたあとも、別の活かし方があるのではないか。

今回は、同じく坂倉準三の建築を取り壊し寸前で残した伊賀市の方が、とても熱く語られていた。

博物館明治村の館長が、羽島市旧庁舎の佇まいを「蓮田に咲くハスの花のような建築だ」とおっしゃっていたのが印象的だった。


建築の専門家でも市民でもない私が、「残すべきだ!」というのは、人の褌で相撲を取るような(いや、人のお金で相撲を見る…?)気がしていたが、今回のシンポジウムでは、研究者や建築家の方から、これは羽島市の宝であると同時に日本の宝なんだという意見が何度か聞かれた。

羽島市だけで残すのは財政から見ても難しいことだろう。
それなら、どこかの(どこ?と言われても困るけど)デベロッパーが手を挙げてくれないだろうか。

同じく坂倉準三氏の作品で、鎌倉の鶴岡八幡宮にある元神奈川県立近代美術館は、鎌倉文華館として生まれ変わっている。


誇りに思うものが何もないところに住んでいると、こんな名建築がある羽島市が羨ましく思えてくる。

建築家の話を聞きながら、1階にカフェ(とりあえずスタバ)、時々マルシェ、2階はシェアオフィスなんて思い描いてうっとりしてしまう。

今回は市会議員さんも5名ほどいらっしゃっていた。

取り壊しありきじゃなく、この建築が街の宝として賑わいを生むことに、夢を感じてもらえないだろうか。

建築は壊してしまったら、そこでおしまいなのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?