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ラブラドール愛

もうすぐ職場に着くところで、黒くてプルンプルン動くものが視界に入った。

黒ラブだ!

あかん、気を取られたら危ない。
でも、ラブラドールを近くで見たい!

前後を確認し、路肩に車を停めた。

あの子が交差点をこちらに向かって来たら、声をかけよう。

やった!こっちに来る。

ドアを開けて車を降りると、飼い主の女性が道の向こうへワンコを誘導する。
わかります。大きな犬が迷惑かけちゃいけないという心遣い。

「すみません、近づいてもかまいませんか?」と声をかけると、どうぞと嬉しい返事が。

いくらでも飛びついておいで!と思ったけれど、恐がりでと言われたとおり、おっかなびっくりにこちらを見ている。

でも、しゃがんだ私が飼い主さんの方を見た瞬間、冷たい鼻で私の頬をツンッとしてくれた。

ああ、幸せ。
やっぱりラブはフレンドリーだ。

ワンコには「うちにも“ななちゃん”って子がいたんだよ」と話した。
言ってもわからないけど。

じっと見つめてくるその顔が、どこかななに似ていて可愛かった。
(真っ黒々のラブラドール、区別つかないように見えますが、みんな顔が違うのです。当たり前か)

ギューしたかったけど、この状況下でハグはやめておいた。


「3歳って、これから楽しいときですね」

「こんなに可愛いと思いませんでした」

そして、お互いにありがとうと言って別れた。

幸せな数分間だった。
また会えたらいいな。


コレを読んでくださって、もしかしてラブラドールを飼いたいと思われた方がいらっしゃいましたら、よくお考えになってください。
ピアノの足をかじられた人がいます。
うちの子は、木製のハウスのドアを全部破壊しました。


それだけやらかしてくれても大丈夫な方は、ラブラドールをぜひ飼ってください。
最高の相棒が、予想しなかったハチャメチャな人生を楽しませてくれます。

もしもあなたの心が動いたら、サポートいただけると嬉しいです。 書き手よし、読み手よし、noteよし、そんな三方よしのために使わせていただきます。